TOKYO創業ステーション 公益財団法人東京都中小企業振興公社
事業戦略部 創業支援課 課長 長岡 宏昭氏
起業を志す希望者をワンストップで支援する、「TOKYO創業ステーション」が目指す未来。
TOKYO創業ステーションは、2017年に丸の内、2020年に立川で開設した、都の政策連携団体である中小企業振興公社が運営する創業支援施設です。設立のきっかけは、起業希望者・準備者の減少に歯止めをかけ、「起業したいけど、何から始めればいいの?」という方に向けて、専門家に気軽に相談できる場所を作るというものでした。
丸の内の施設を例に挙げますと、主に三つのステージで構成されています。1階の「Startup Hub Tokyo」は、「起業に興味はあるけど、何から準備すればいいのだろう?」と考える方が、気軽に立ち寄れる空間。2階の「Planning Port」では、具体的に起業を考える方のための事業計画書づくりをサポート。そして2024年8月にオープンした3階の「Advance Port」(注・丸の内のみ)は、創業初期の船出したばかりの起業家のさらなる成長を支える場所となっています。
開設以降のご利用者数は好調で、現在は年間約5万人の方がご利用され、400回近いイベントを開催。事業計画のご相談も年間6,000件を超えています。司法書士、税理士、弁護士、社会保険労務士、知財アドバイザーによる専門相談から、日本政策金融公庫などによる融資相談まで、起業に必要な支援をワンストップで提供しているのが特長です。いずれも無料(一部有料セミナー有)。
ここから巣立った起業家たちの成功例も生まれています。代表的なのが、農家・漁師から、旬の食材を直接お取り寄せできるオンライン直売所「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデン(敬称略:以下同じ)。他にも、飲食店の居抜き物件を有効活用する事業、ダンス教室などに時間貸しするレンタルスタジオ事業を運営する株式会社アソルティなど、アイデア豊かなビジネスが花開いています。また、55歳以上を対象とした起業イベント「東京シニアビジネスグランプリ」には100人以上の応募があり、人生経験を活かした、新たな挑戦も支援しています。
最近では、人口減少時代を見据えた取り組みも始まっています。特に力を入れているのが海外展開支援です。創業間もない段階から、アジア市場などを紹介するセミナーの開催や海外展開相談会を実施しています。また、「Advance Port」の「アクセラレーションプログラム」では、有望な起業家を選抜し、売上アップやマーケティング強化、人脈づくりまで、成長に必要な支援を提供しています。
日本の開業率は4.4%(2021年時点)と、イギリスの12.4%やアメリカの9.3%と比べてまだまだ低い水準です。しかし東京都は2030年までに開業率12%という目標を掲げており、TOKYO創業ステーションは、その達成に向けた重要な役割を担っています。誰もが起業にチャレンジできる社会の実現に向けて、これからも新たな夢の実現をサポートしていきます。


