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横浜 - 賃貸不動産市場 2017年3月期

物件がなくても需要は衰えず、横浜駅周辺の空室率は2%台に。

中小面積帯で活発な動き

シービーアールイー(株)の調査によると、2017年3月期の横浜市全体の空室率は3.0%となり、対前期(2016年12月期)比0.8ポイント低下した。対前年同期(2016年3月期)比では、1.6ポイントの低下となった。

「横浜駅周辺」エリアの今期の空室率は2.2%と、前期よりさらに低下し、空室の選択肢が少ないマーケットにおいても、まだ需要が上回る傾向が続いている。内訳としては30~150坪の面積帯が中心だが、契約数が多く、まとまった面積の空室が発生しづらいため、空室率の低下が著しい状況である。その結果、立地等の優位性がある物件では、前テナントの退去前に後継テナントが決まったり、複数の企業が同じ物件を検討したりするケースが多く見られる。

主要エリアの動向

「みなとみらい」エリアの今期の空室率は3.6%と、「横浜駅周辺」エリア同様、前期より低下した。これは、2月に「横浜野村ビル」が満室稼働で竣工し、新規空室が発生しなかったことに加え、既存ビルでも着実に空室を消化していることによる。今後の注視ポイントとしては、同エリアの賃料上昇が続いているため、東京都内の物件と競合した際、今までの賃料面の比較優位性が確保できるかということと、7月末に竣工予定の「OCEANGATE MINATOMIRAI」の動向が挙げられる。

「新横浜」エリアにおいても、空室は順調に消化されている。エリア外からの移転を中心に、100坪以上の空室を抱えていた物件に成約が目立ち、まとまった面積の空室が見られなくなっている。そのため、今期、募集が始まったばかりの500坪の物件についても、空室予定区画への引き合いが多い状況である。

「関内」エリアでは、昨年末と今年初めに、それぞれ都内から企業の移転があり、空室の消化が進んでいる。一方で、空室となってから長期化する物件もあり、2011年の東日本大震災以降、特に多かった建て替えに伴う立ち退き移転の需要は、一巡した状況である。

「川崎」エリアは、昨年空室率が低下したことに伴い、賃料が上昇したため、新たなテナント需要が喚起されづらい状況にある。今後も、大型の空室が出ない限り、この傾向が続くものと思われる。

横浜支店 三好 直樹

相場表

種別 賃料(共益費込み) 需給の動向 空室率
推移
横浜大規模ビル 16,000~22,000 円/坪
横浜駅から近い物件の賃料設定は高めだが、需要は旺盛。
やや低下
横浜中小規模ビル 11,000~15,000 円/坪
空室在庫がかなり少なくなりつつあり、需給が逼迫している。
やや低下
関内大規模ビル 8,500~13,000 円/坪
大型ビルの空室在庫が少なくなっている。
やや低下
関内中小規模ビル 8,000~9,000 円/坪
建て替えによる立ち退き移転が一段落し、動きは停滞しつつある。
横ばい
新横浜大規模ビル 10,000~13,000 円/坪
大きな空室がなく、需要も喚起されないため、動きは停滞している。
横ばい
新横浜中小規模ビル 8,000~10,000 円/坪
空室が消化されてきているが、賃料上昇につながるまでには至らず。
やや低下
川崎大規模ビル 14,000~17,000 円/坪
大きな空室がなく、需要も喚起されないため、動きは停滞している。
横ばい
川崎中小規模ビル 11,000~15,000 円/坪
東口駅前の物件に対する需要は旺盛だが、それ以外の物件ではきが停滞。
横ばい
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2017年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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