広島:プラス動機の移転ニーズが増加。
岡山::7月竣工のビルが順調に空室消化。
広島の成約賃料は2期連続上昇
シービーアールイー(株)の調査による、2023年9月期の広島市内中心部の空室率は5.6%と、前期(同年6月期)と変動なく、横ばいの数値となった。今期は、短期で利用されていた大型面積が空室となり、空室率の上昇が予想されていた。しかし、JR広島駅南口に、昨年竣工した「広島JPビルディング」への入居を決めた企業が、複数見られたことから、空室率の上下動に影響は出なかった。
今期の広島マーケットの想定成約賃料は11,830円/坪と、対前期比0.2%上昇し、2期連続の上昇となった。
面積の大小を問わず、昨年来、環境・立地の改善および拡張など、プラス志向の移転需要は増加傾向にある。新卒、中途採用を問わず、従業員の雇用確保の観点で、好立地やハイグレードの物件は人気を集めているため、従来の既存ビルは、ファシリティ面での強化が、付加価値を上げる一つの方策とも言えるであろう。
今後2024年末まで、市内で新規供給の予定はなく、2025年には、1万坪を超える新規供給が予定されている。中でも、「(仮称)明治安田生命広島ビル」「大同生命広島ビル」の2棟は、中心部の新たなランドマークビルとして、注目が集まっている。
今年9月、広島県は、JR広島駅北口の二葉の里地区に、広島市内の複数の病院を統合して新たに建設する、新病院の基本計画を発表した。建物は、地上16階、地下1階建、病床数は1,000床で41診療科目で構成されており、 2026年度に着工し、2030年度の開院をめざす。既設の医療施設との連携のほか、医療関係企業や研究施設の進出も見込まれ、かつ集約される病院の跡地利用の活用も考慮すると、今後も注目されるプロジェクトになっていくのは、間違いない。
岡山の空室率は再び低下
今期の岡山市の空室率は、前期から低下した。引き続き、館内拡張や立地改善の移転、また、郊外からの環境改善の移転などが見受けられ、空室消化が進んだ。
今年7月に竣工した「岡山DAI-KU1123.BLDG」は、プレミアムワーキングラウンジの効果もあり、引き合いは徐々に増え、空室の消化も進みつつある状況だ。
また、JR岡山駅前の築年数の経過した物件にも引き合いがあり、好立地の訴求力は、依然高いと言える。
広島支店 越智 昭博 / 名越 正幸
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