グレードA 空室率は上昇基調で推移。大阪全体では空室率が低下。
テナントの動きが徐々に活発化
シービーアールイー(株)の調査による、2022年9月期の大阪グレ ードA空室率は4.7%と、前期(同年6月期)より0.4ポイント上昇した。以前から募集していた大型空室が、一部顕在化したことで、空室率は上昇したが、募集賃料を引き下げるなどして、値頃感の出た大型空室には、引き合いが増えてきている。大阪グレードB空室率は、今期は3.2%と、前期より0.4ポイント低下した。
大阪オールグレード空室率を、エリア別に見ると、「梅田」エリアは、対前期比0.2ポイント低下し5.5%、「堂島」エリアは、対前期比0.8ポイント低下し2.7%、「新大阪」エリアは、対前期比0.5ポイント低下し9.0%、「本町」エリアは、対前期比1.1ポイント低下し3.2%となり、今期は全体的に空室率が低下した。中心部で継続的に一定の解約が出てはいるが、テナントの動きは徐々に活発化してきており、面積帯を問わず、成約も増えてきている。時間を要したが、既存の大型空室の一部が今期成約に至ったことも、空室率低下の要因と考えられる。
今期、「淀屋橋」エリアで、「日本生命淀屋橋ビル」が竣工した。竣工時、8割程度はテナントの目途がついていたと思われ、竣工に伴う同エリアの空室率への影響は軽微だった。
懸念される今後数年間の大量供給
ただ、今後数年間は大阪中心部で大型供給が続くため、空室率の上昇圧力は極めて強い。特に、現在の大阪の賃料相場をけん引している「梅田」エリアで、2024年に予定されている6万坪超の過去最大の供給については、その動向から目が離せない。いずれの開発もオフィスビルの建て替えではないため、同エリアのオフィス床面積が純増することになる。これらの開発がどこまで新規需要を喚起できるか、成約賃料水準、テナント決定率はどう推移していくのかが、今後の大阪全体のオフィス市況に、大きく影響してくることだろう。
新型コロナウイルスのオフィス市況への影響は、一旦沈静化しつつあり、各企業はアフターコロナへの対応を着実に進めているように感じる。一方で、ウクライナ情勢や世界的なインフレといった、新たな外的要因を注視する必要があり、企業は引き続き、柔軟な対応を求められるだろう。
関西支社 荒井 誠
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