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福岡 - 賃貸不動産市場 2018年9月期

賃料相場

2018年12月13日

新規空室は短期間で消化され、 募集賃料、継続賃料も上昇傾向。

圧倒的な貸し手市場に

シービーアールイー(株)の調査による、2018年9月期の福岡主要オフィスエリアの空室率は、前期(同年6月期)から横ばいの0.5%となり、依然、低水準で推移している。テナント需要は引き続き堅調で、館内増床、分室、建て替えによる立ち退き、IT系企業を中心とした福岡への新規開設、郊外エリアからの立地改善等、二次空室の発生しない純増のオフィス需要が活況となっている。一部では集約移転等に伴い、一時的に大型の新規空室が発生したが、枯渇したマーケットでは、エリアを問わず、また顕在二ーズか潜在ニーズかを問わず、案件が集中して短期間でテナントが決定した。中には、表に出ずに、水面下で交渉が済んでしまうケースも見受けられる。貸主サイドは、多方面から有益な引き合いに関する情報が集まる状況にあり、非常に悩ましいところである。

今期の想定成約賃料は、前期から3.6%上昇し、14,480円/坪(共益費込)となった。新規募集賃料も、引き続き上昇している。各エリアとも、新規空室が出た際は、賃料相場を上回る募集が相次いでいる。さらに、貸主からの増額改定交渉も増加している。福岡市内の既存契約のほとんどが普通借家契約のため、大幅な値上げとまでは至っていないが、テナントサイドは比較できる物件もないため、増額改定を受け入れざるを得ない状況となっている。新規成約賃料の上昇率とは乖離があり、ビルによっては、契約更新の度に増額改定交渉が行われている。

新築ビルに需要が殺到

今年11月に竣工の「博多祇園NKビル」は満室稼働しており、2019年1月竣工予定の「南日本博多ビル」、同年2月竣工予定の「第1明星ビル」も、ほぼ満室で竣工を迎える。決定した半数以上のテナントは、立ち退きによる移転で、二次空室発生の影響はほとんどない。2020年まで大型の新規供給はなく、今後も活況な需要は続くと推測されるため、好立地を中心に、周辺エリアにも賃料の引き上げが波及していくものと予想される。

2020年4月、博多駅前一丁目に、「(仮称)九勧博多駅前一丁目ビル」が竣工を予定しているが、先の話でもすでに引き合いが多い。ここ数年は見られなかった動きだが、供給不足が顕著に現れた状況と言えるだろう。今後のマーケット動向に注視していきたい。

福岡支店 江頭 秀人

相場表

種別 賃料(共益費込み) 需給の動向 空室率
推移
博多駅前 14,000円~17,000円/坪 新築ビル竣工の影響による二次空室が満室になり、一時的に上昇した空室率も低水準に戻った。成約賃料の緩やかな上昇が続いている。 横ばい
博多駅東 12,000円~15,000円/坪 博多駅前エリアの物件が高稼働のため、当該エリアの移転ニーズが増えている。今後も賃料の割安感から移転ニーズは増えると思われる。 横ばい
呉服町 11,500円~14,000円/坪 今年竣工のビルは満室竣工を予定しており、2019年初め竣工予定のビルについても同様と想定される。近隣物件の賃料上昇に影響あり 横ばい
天神 14,000円~17,000円/坪 好立地で大型空室を抱えている物件で、新築物件と変わらない賃料での成約が出てきている。大通り沿いや築浅物件の需要が増加している。 やや低下
赤坂大名 10,000円~12,000円/坪 需給の動きが少なく、解約も少ないため、動きとしては停滞。ただし、賃料水準が低下する可能性は低い。 横ばい
北九州小倉 8,000円~10,000円/坪 2019~2020年に新築が2棟予定されており、関心は高まっているが、需要は停滞している。二次空室の埋め戻しが課題。 横ばい
中・大型倉庫
市内
2,700円~3,200円/坪 需要は引き続き堅調。大型マルチ倉庫の成約が相次ぎ、供給は大型・中型ともに品薄感が続く。 やや低下
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

上記の記事の内容は BZ空間誌 2018年冬季号 掲載記事 掲載当時のものです。

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