神戸:底堅いマーケットが継続。
神戸の空室率が上昇
シービーアールイー(株)の調査による、神戸における2023年12月期の空室率は2.2%で、前期(2023年9月期)に比べ0.6ポイントの上昇となった。2023年6月期、9月期と空室率が低下していたが、「大和神戸ビル」が昨年末に竣工したこともあり、今期は空室率上昇という結果となった。神戸のオフィスマ ーケットとしては、20~30坪前後のテナントの動きは継続して見られるが、大型面積の解約の動きが少なく、新築の供給を除くと引き続き底堅いマーケットとなっている。100坪以上の空室が引き続き少ない今、まとまった面積を求めて移転を検討している企業としては、新築オフィスビルは貴重な移転先候補となりえるだろう。
想定成約賃料は12,090円/坪で、前期から横ばいで推移している。
今後の展望としては、2025年に「(仮称)神戸旧居留地91番地プロジェクト」が竣工を予定しているが、急激な新規供給量ではないため、2027年以降の新築ビルの竣工までは、当分適度な空室率に基づく安定したマーケットの継続が予想される。さらなるマーケットの活発化を期待して、今後の需要動向を注視していきたい。
京都:テナントニーズは引き続き増加。
想定成約賃料はわずかに低下
京都における2023年12月期の空室率は、対前期比横ばいの4.3%であった。今期は、前期まで潜在化していた拠点集約に伴う退去や館内減床による空室が顕在化してきたものの、それでも複数の築浅ビルで空室消化も進んだことで、マーケット全体としては空室率の変動はなかった。
前期に引き続いて京都でのテナントニーズは増えており、特に、システム開発やゲーム開発といった業種で、新規拠点の開設や既存拠点の拡張など積極的な動きが見られている。また、京都の居住ニ ーズの増加に伴うマンションギャラリーニーズも多く見られた。
今期の想定成約賃料は、対前期比-40円の15,370円/坪とわずかに下がっているものの、マーケット全体で賃料見直しの動きはほとんど見られなかった。
供給面では、引き続き新築供給への期待はありつつ、延床面積1,000坪以上規模での新築供給は2024年には予定がなく、2025年を待たねばならない。こうした需給環境から、足元堅調なオフィス需要が来期以降も続くようなら、今期-40円となった賃料も、今後上昇基調へ転ずる可能性もあり、注視せねばならない。
関西支社 水野 克哉 / 髙見 朋宏
- 現在募集中の神戸市の賃貸オフィス
- 現在募集中の京都市の賃貸オフィス
続きを見るにはログインが必要です