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マネジメントシステムの確立

国際物流ビジネスの発展に不可欠な世界基準のリスクマネジメントシステムの確立

株式会社 近鉄エクスプレス 西本 伸一氏

株式会社 近鉄エクスプレス
総務部
部次長西本 伸一

株式会社 近鉄エクスプレス 大門 啓員氏

株式会社 近鉄エクスプレス
総務部 経営企画ブループ
専任次長大門 啓員

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海外資本企業との取引がもたらした世界基準のリスクマネジメント

当社は1948年、近畿日本鉄道の業務局として国際貨物・旅客の取り扱いを開始しました。その後、70年には「近鉄航空貨物」として独立。89年には社名を現在の「近鉄エクスプレス」に変更し、今日に至っています。

その間、78年には業界初となる輸出業務のコンピュータシステムのオンライン化をはじめ、94年の国内物流業者としては初めてのISO9002認証、2003年のISO14001の認証など、業務環境の改善に努めてきました。

また、69年の香港、アメリカにおける現地法人の設立を皮切りに、海外進出を本格化させ、今日では30ヵ国189都市273拠点の海外ネットワークを保有するまでに発展してきました。

近鉄エクスプレス

国内の同業他社が、海外における営業対象を日系企業中心に展開していったのに対し、当社は、早くから海外現地企業を中心にビジネスを拡大していったという経緯があります。そのため、取引先は日本企業や海外の日系企業はもとより、純粋な外国資本企業が多いことが特徴であり、強みともなっています。こうした積極的な海外進出が功を奏し、日本発着の航空貨物取り扱いシェアでは、国内第2位の実績を収めるに至りました。

また、こうした海外企業との取引における荷主のニーズに対応するために、世界基準ともいえるリスクマネジメントの構築が重要であったことは言うまでもありません。

海外企業との取引で特徴的なBCPとCBP

海外資本企業との取引で、まず求められるのがBCP(Business Continuity Plan=緊急時企業存続計画または事業継続計画)の策定です。BCPとは、大地震などの自然災害や大火事、テロ攻撃などの緊急事態が起きた際に、貨物の損害を最小限に止めながら、事業の継続や早期復旧を実現するために、その手段を事前に定めておく計画のことです。特に、90年代からSCM(サプライチェーンマネジメント)を導入しているアメリカでは、アウトソーサーである我々に対しても、円滑に事業を継続できるシステムを求める傾向が非常に強くあります。

具体的には、「このような事態が発生した場合にはこう対処します」という内容を、想定される状況ごとにまとめ、顧客の要望に合わせて個々に提出するのですが、その分量は企業によって10~20ページにも上るものになることも珍しくありません。

もう一つ、アメリカを中心に重要となっているのがCBP(U.S.Customs and Border Protection)です。これは9.11同時多発テロ以来、テロに対する対策として、飛行機が到着する4時間前までに、荷受人、荷送人、品名などの情報を提出するといったものです。これを基に、アメリカの税関当局が到着前にチェックし、不審な貨物ははねられることになります。船舶による海上輸送の場合は、日本で船に載せる24時間前の情報の提出が要求されています。

さらに航空貨物に関しては、シカゴ条約により荷送人や貨物の検査を行い、特に不審と思われる貨物の場合には、事前に爆発物検査装置などでチェックしてから飛行機に載せることが求められています。

国際物流ビジネスの必要条件となったTAPAの認証

昨今、海外では、貨物を保管する設備について、TAPAの認証を受けていることが必須条件となりつつあります。日本では、あまり馴染みがありませんが、TAPA(Transported Asset Pro-tection Association)とは、ハイテク製品のメーカーやその輸送業者などによって97年、アメリカで組織された非営利団体です。彼らは、主にハイテク製品等の保管・輸送中の盗難被害による高額な損失を防止することを目的とした「TAPA保安要求事項」を定めており、その基準に適合した施設には認証を与えています。

その要求項目の中には、入口にゲートを設けて警備員を24時間常時配置すること、クルマの入退出をナンバーが見えるようなVTRで1ヵ月間以上記録し、どの貨物がどの車で運ばれてきたか、出荷されたかをチェックしておくことなどが盛り込まれています。

また、TAPAでは、施設で働く人材についても細かい規定があります。当社では2003年に国内邦人フォワーダーとしては初めて、成田ターミナルでTAPA認証を取得しました。ここでは常時、400~500人が働いていますが、その内、当社の社員は100人くらいで、あとは協力会社の方が入れ替わりで働いてくれています。当社では、そこで働く方々全員に、建物を使用する際の保安上のルールを説明してからでないと、入退出用のIDカードが発行できないこととしています。

さらに盗難防止に関して、海外企業からは銃器を持った警備員の24時間配備や、従業員の犯罪歴調査といった要求をされることまであります。日本では法律上、禁止されていることを説明して顧客からの了解を得ますが、海外の設備では、その国のリスクや法規と照らし合わせながらできる範囲で対応していくことが迫られています。

国内市場にも広がり始めたリスクマネジメント意識

こうしたリスクマネジメントは、以前は他社との差別化要因でしたが、今日では物流の必須項目になりつつあります。また近年では、海外だけでなく国内企業でも、同様の要望を求められることが多くなっています。

以前は、アウトソーサーの業務に対しては任せきりだったものが、書面での通知が必要となる。つまり暗黙知として行ってきたものを形式知に変えることが求められるようになったのです。我が国でも、日本版SOX法の施行を機に、ますますこのような要望が高まると見られています。

当社ではこれまで、環境リスク・テロ・盗難・品質管理など、関連部署が個別に対応していましたが、こうした社会のニーズの変化に対して、総体的なマネジメントを実施するため「リスク管理委員会」を設けました。リスク管理委員会では各部署が抱えるリスクを洗い出し、その重要度や影響度を測定するとともに、リスクにどのように対処するかを各部の部長責任とし、組織の重要課題としています。

また、施設面に関しても、国内では安全性や作業環境への配慮から、多くのターミナルや倉庫を自社所有するほか、賃貸物件についても当社仕様での建設をお願いしています。

こうしたリスクマネジメントシステムの確立と実施には、多くの時間と労力がかかり、多大なコスト要因になっているのは事実です。また、要求が高くなったからといって、それにかかる費用を顧客に負担していただけるものでもありません。

我々、物流事業者には、こうした時代の変化に対応しながら、より高い次元のサービスを提供することが求められるようになってきたと考えています。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2007年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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