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賃貸物流倉庫・大型貸し倉庫の記事

高まる物流施設活用の多目的ニーズ。その背景と拠点構築に向けた課題、今後の可能性。

佐藤 亘

シービーアールイー株式会社

インダストリアル営業本部
首都圏営業部長
佐藤 亘

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物流施設のスペックと拡張性に注目した「マルチユース」という新たなニーズ

インターネット通販(Eコマース)が世の中に定着し、扱う物量が増加した物流業界では、サプライチェーンマネジメントの浸透とともに、商材の保管をはじめ出荷前の流通加工や発送など、高度な物流を効率的に行うことのできる最新施設がニーズを集めてきました。特に、オフィスビルを賃借するように、高機能でフレキシビリティの高い物流拠点を構築できるマルチテナント型物流施設は、ここ10年程で急速にマーケットを拡大。そして、近年では、こうした最新物流施設の持つスペックのゆとりや拡張性に注目した、物流以外の多目的な使用例も出始めています。いわば「物流施設のマルチユース」とでもいうべきニーズです。

マルチテナント型物流施設といえば、その最たる特徴であるスペースの広さだけでなく、天井高や床荷重、電気容量の確保やBCP対策など、これまでの賃貸倉庫とは一線を画したスペックを有しています。また、物流におけるアクセシビリティはもとより、そこで働く従業員の通勤面や、人材の確保に有効な利便性や快適性にも考慮されています。一方、事務所や倉庫、工場、場合によってはコールセンターや店舗といった複合用途を目的に、ビルや居抜きの物件への移転を検討するテナントとしては、事業内容に見合うスペックの物件が見つからなかったり、希望するエリアに物件がなかったりと、選択肢の数が限られている場合があります。こうした中で、多様な事業形態の拠点構築の受け皿となりうる候補先として、マルチテナント型物流施設が有する充実したスペックや拡張性に注目が集まりつつあるのです。

多様なニーズと事業形態に応えるマルチテナント型物流施設の活用事例

物流施設のカバーする領域が、生産や販売分野に拡大

物流施設のカバーする領域が、生産や販売分野に拡大

このような背景から、既存のマルチテナント型物流施設を、単に倉庫としてではなく複合的に活用する事例は増えており、テナント企業の事業戦略のもと、物流拠点に様々な機能が加えられるようになってきています。例えば、物流に生産機能を付随させたケースはよく見受けられます。3Dプリンタを使った製造と販売を行うA社は物流拠点に工場の機能を付加させることにより、製造した商品をスピーディーに出荷できるシステムを構築しています。さらに通常のオフィスビルの天井高では設置できない製造機器の導入や、資材の保管に必要なスペースの確保という課題も同時に解決することができました。また、インプラントを製造・販売するB社は、全国の歯科医院から大量の発注を受け、数日で納品する体制を目指していました。そこで、物流施設に工場機能を付加し、製造と出荷の流れを効率化、納期の短縮を実現しました。マルチテナント型物流施設を検討するにあたり、従業員や訪問者のアクセスのしやすさや、人材の確保など立地の利便性も考慮し、結果としてB社は都内3ヶ所に分散していた拠点を1ヶ所に統合。大幅な合理化を図ることに成功しています。一方、生産機能の付加以外でも、アパレル商品のEコマースを事業としているC社などは、商品の保管、梱包、発送作業に加え、採寸から撮影、Webページの原稿作成までをワンフロアで行えるようにスペースを改良し、さらには施設内にコールセンターも開設するなど、物流施設の広さを活かした理想のワークプレイスを実現しています。

近頃は、物流や生産機能を持たないマルチテナント型物流施設の使用例さえ見られるようになっています。スポーツ用品の製造・販売を行うD社もその1つで、移転にあたり当初は独自のプロモーション施設を併設できるオフィスビルが検討されていましたが、どの物件も広さや改造に対する制限があったことからその特殊性に対応できませんでした。最終的にはマルチテナント型物流施設をオフィス化して、そこで大規模なプロモーション施設の併設を実現しました。また、特に外資系企業などは、成長戦略から日本国内に固定資産として事業拠点を構えることを控え、賃貸物件を選ぶ傾向があります。その場合もマルチテナント型物流施設の一部をオフィスとして活用したり、オフィスと生産・物流機能を一体化したりすることがあります。需給の逼迫したマーケットでは望めませんが、自社の事業の成長や拡大などに応じて、同一拠点で賃貸面積を増やしていける可能性も残しており、こうした拡張性の高さもマルチテナント型物流施設が注目される所以の1つでしょう。さらに、R&D(研究・開発)の拠点としては、賃料が低廉かつ施設がきれいで、できるだけ早く入居できる物件へのニーズが高く、そのような物件を探す中で、マルチテナント型物流施設が選択される例もあるようです。

企業が独自の拠点を新たに設けようとすると、土地の選定や購入、施設の設計から建築まで、膨大な時間とコストが必要です。しかし、自社のニーズに対応できる既存のマルチテナント型物流施設が見つかれば、スペースや造作に手を加えるだけで、自分たちが望むような形で施設を活用できるようになります。多様な用途に使用するいわゆる「マルチユース」が、業種を問わず広がりはじめた要因の1つは、そのような点にあるのかもしれません。

このように、マルチテナント型物流施設は、物流拠点としてだけではなく様々な用途に対応しうるスペックを備えており、非常に魅力ある物件であることが分かります。実際に訪れてみると、エントランスや共用スペースなど、都心のオフィスビルと遜色のないグレードとなっているものも多く、従業員の快適性や来訪者への対応能力も十分に備えているといえるでしょう。

マルチユースで活用していくためには法令上の制限や課題も多数存在

一方で、物流施設のマルチユースには、課題や問題が少なくないのも事実です。マルチテナント型物流施設はあくまでも倉庫や物流拠点として使うことを前提に開発された施設であるため、人が常駐する空間としての用途は考えられていません。そのため、倉庫であれば満たしている防災基準も、人が常駐する空間として使うとなるとハードルが高くなります。そのような場合は法令に合わせるための改修工事が必要となりますが、法令に明るいスタッフがいなければ、簡単にクリアできる問題ではありません。また、火や水、電気を大量に使う生産拠点として見れば、必要となる換気や排煙設備、排水設備・防水機能、電気容量などに関しても、用途に合わせた設置が必要となります。つまり、物流施設として魅力的なスペックを有していても、オフィスや生産拠点として正しく活用するためには、自社のニーズはもとより法令上の制限を満たすための改修が必要だということです。入居を希望するテナント側としても、物件を貸したいオーナー側としても、そのような法令上の認識不足が障壁となり、潜在的なニーズのマッチングが上手くなされていない状況が見受けられます。借りる側も貸す側も、倉庫や物流拠点以外の使い方を前提とした賃貸借の経験がないことが原因の1つだと思われます。

また、物件の改修に要するイニシャルコストの高さも課題の1つです。本来の物流施設としての使用を前提とした物件への入居であれば、不要なはずの改修がほとんどのケースで発生しますので、テナントにとっては、このような改修費用が大きな負担となります。改修に要する費用をオーナー側が担う部分もありますが、大部分は理想の空間づくりを行いたいテナント側の費用負担となります。これらの費用についても、両者がどの場所でどのような工事を担当するのか相談し、分担を明らかにしたうえで、事前に見積りを立てておく必要があるでしょう。

マルチユースで活用するためには多数の法令上の制限や課題をクリアする必要がある

マルチユースで活用するためには多数の法令上の制限や課題をクリアする必要がある

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上記内容は BZ空間誌 2017年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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