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株式会社ランドキャリー|物流拠点構築ケーススタディ

株式会社ランドキャリー

名古屋、小牧などの中部圏を基盤に物流ネットワークを展開する株式会社ランドキャリー。現社長が裸一貫から始めた運送業が、わずか20数年の間に、関東・関西にも事業エリアを拡大し、年商100億円を標榜するまでに成長してきた。その背景にはいかなる戦略があったのか。同社が成長する過程と、その中で成長のキーファクターであった、運送業から物流施設を保有する物流倉庫業者への変換、そして大型マルチテナント型物流施設(LMT)との関わりを通して、成功へのステップを掘り下げてみたい。

 

運送業から物流倉庫業者へ事業拡大が成功への分岐点

株式会社ランドキャリー

首都圏や関西圏と比較して、まだまだ大型マルチテナント型物流施設(Large Multi-Tenant Logistics Properties:LMT)のストックが少ないと言われる中部圏。だが、それは需要がないからではなく、供給量が少ないだけ。言い換えれば、限りあるLMTをいち早く確保すれば、それだけビジネスの成功につながりやすいのも事実だろう。それを見事に体現しているのが、今回ご紹介する株式会社ランドキャリーである。

同社の歴史は、社長である森部鐘弘氏が1993年、それまで勤めていた大手路線運送会社から独立し、大型トラック1台で配送を手がけたことに始まる。その後1997年には、陸上輸送を意味するランドキャリーを社名とする、車両台数5台の運送会社を設立した。そして20余年を経過した現在、従業員数320名(パート、アルバイトを含む)、大型・中型車などを合わせた保有車両台数230台、年商78億5千万円(2019年6月末現在)の企業に成長している。また、春日井市を基盤とする運送会社である「LCS」の他、産業廃棄物運搬の「エコロジーワールド」、関東圏への進出を果たした「ロジコムサポート」の3つの関連会社を持ち、グループ年商は約106億5千万円に達している。

会社設立当初は配送専門で、“トラックを動かしてナンボ”の商売だった。大きな転機となったのは、2013年にそれまで物置として利用していた700坪の施設を、倉庫という本来の姿に戻して保管業に乗り出したことだった。「それまでは、お客様に言われるままにA地点からB地点に荷物を運ぶだけのビジネス。それが保管施設を持つことで、A地点/から当社の倉庫、倉庫から各店舗へと輸送するルートが生まれた。配送回数が増えることで、保管料と配送料の両方が収入になる。これまでとは大きな違いだったのです」当時をそう振り返るのは、同社の中部ブロック統括執行役員である野口真樹氏だ。

保管業を含めた物流業に詳しい人材をヘッドハンティングし、陣容を整えて新規事業を始めるとこれが当たった。トラックなどの輸送手段や、倉庫などの保管手段を持たない企業に対して、その両方を自社保有するランドキャリーのビジネスは、大きなアピールポイントとなったのだ。これに勢いを得た同社は、トラックを増やすとともに、本社近くの春日井や小牧などに、合計2,500坪の倉庫を借りて運用することになる。さらには岐阜や神戸にも営業所を開設し、ビジネスを拡大していった。

LMTのポテンシャルを認識した神戸のロジポート尼崎への入居

株式会社ランドキャリー

こうした同社の発展の最大の要因と言えるのが、大手家具量販店の流通業務を担う取引だ。その関係は15年以上も前にさかのぼる。当初はそれほど大きな扱い高ではなかったものの、徐々に拡大し、同量販店の中部圏における重要なポジションを占めるまでになった。これまでの拠点展開も、この大口顧客の意向が反映していることは間違いない。3PL業者として、荷主のニーズにいかにして応えるかが重要な戦略であることは言うまでもない。

同社が神戸支店を開設したのも、この顧客が2004年に関西に大型物流拠点を稼働させたことがきっかけであり、その時は、この敷地内に事務所と駐車場を借りて配送業務を担っていた。また、2010年にこの顧客が物流会社を分社化したが、その際にもランドキャリーの配車システムを採用するなど、全面的にノウハウを提供する密接な関係を築いている。

2018年1月、兵庫県に「尼崎物流センター」を開設したのも、同様の流れからだった。同社にとっては初めての関西圏進出であり、同時にLMTデビューでもあった。尼崎物流センターがあるロジポート尼崎は、阪神高速湾岸線「尼崎末広IC」から約200m、梅田や難波、新大阪まで30分圏内の距離にある地上7階建て、敷地面積約37,655坪、延床面積85,196坪の大型マルチテナント型物流施設である。「従来から使用していた一般的な倉庫と違って、賃料も高額だし施設内にトラックを置いておけないので、駐車場も必要になる。コストも使い勝手もまるで違うので、正直に言えば、最初は使いこなせるのか、採算が取れるのか、不安でいっぱいでした」(野口氏)。

だがその心配は杞憂に終わった。当初は無駄なスペースを作らないように、どう運用すればベストかを模索していたが、次第に収支が合ってきた。特に業務効率を高めたのが30台分ある接車バースだ。荷物の出し入れが従来と比較してスムーズで、時間を大幅に短縮できる。その分、同センター開設のきっかけとなった大手家具量販店以外の顧客の仕事を拡大することができたのだ。そのため、当初は5階の1フロアの片面約4,800坪を借りて運用していたが、今年の8月には3階にフロアを移転して、4分の3まで拡大。さらに11月には1フロア、1万坪まで増床することが決まっている。「拠点を設けて、トラックと倉庫を確保すれば、まだまだ営業数字は稼げると見ています。そのためにも、営業所や物流センターの新設が急務になってきたのです」(野口氏)。

本拠地である中部圏の未来を担う弥富物流センター

株式会社ランドキャリー

尼崎物流センターの成功により事業拡大の手ごたえを得た同社では、2018年7月に地元である中部エリアにおける新たな拠点探しに取りかかった。候補地として考えたのは、名古屋圏の中でも物流適地として知られる小牧周辺で、幸いにも延床1,800坪の倉庫がすぐに見つかった。中2階で天井が低いという難点があったものの、坪単価が格安で年内にも稼働できるとのことだった。しかし、オーナーの都合により急遽キャンセルとなり、計画は頓挫しかけてしまう。だが、顧客からは新拠点開設に伴って、別の物流会社に発注していた保管と輸送をランドキャリーに切り替えるという話が決まっており、その会社にはすでに契約打ち切りまで伝えられていたのだ。「止むに止まれぬ状況で、すぐにでも施設を決めなければならないなか、顧客からはコンテナの扱いが多い関係上、名古屋港の近くにしてほしいと言われ、慌てて候補地を変えることになったのです」(野口氏)。

だが/同社にもこれまでのような内陸部だけでなく、湾岸部に拠点を作りたいという意向が以前からあった。というのも、小牧や名古屋から、港に向けた輸送は従来から多かったが、戻る時は空荷という一方通行だった。だが湾岸部に保管拠点ができれば、戻りも効率よく荷物が運べるからだ。配送のみの業務から、保管拠点中心のビジネスモデルに、発想が移行している証だろう。

そこで8月中旬、再度、舞台を湾岸部に移しての物件探しが始まり、2つの施設が候補に上がった。1つは社長が懇意にしている物流会社所有の、飛島にある1,500坪の平屋建て。もう1つはCBREの紹介によるレッドウッド弥富ディストリビューションセンター(以下RW弥富)だった。RW弥富は、東京と大阪を結ぶ新たな大動脈である伊勢湾岸自動車道「湾岸弥富IC」から3.5kmの位置に、2018年2月に竣工したLMT。名古屋の中心部まで15km、名古屋コンテナターミナルまで6.4kmという立地が魅力となっている。14,769坪の敷地に、地上4階建て、30,131坪の延床面積を誇っている。

同物件には当初は引き合いが多く、ほぼ飛島の物件に決まりかけたが、最終的に決まったのはこのRW弥富だった。「立地が魅力的なのはもちろんですが、高速道路からも見えるので誰でも知っていることです。営業に行っても、施設の名前を言えば、『あっ、あの倉庫ね』、とすぐわかる。みんなが興味を持っている物流施設でしたから、営業もしやすく、誘わなくても見に来てくれます(笑)」。RW弥富のメリットをこう語るのは、現在、同社弥富物流センターの営業戦略を担う、中部ブロック倉庫管理部部長代理、佐藤洋治氏である。

こうして2019年1月、約3,517坪の倉庫に約174坪の事務所を併設した「弥富物流センター」が開設されたのだ。ポテンシャルの高いLMTが増え始めた時期だからこそ、その施設を手に入れた意味は大きい。まもなく1年が経とうとしているが、「早く隣を借り増して、一部をウチに貸してほしい」という要望が、同業者からも数多く寄せられているという。

内陸、湾岸、2つのノウハウでさらなる事業の拡大を目指す

東京倉庫株式会社・日本通運株式会社
東京倉庫株式会社・日本通運株式会社
東京倉庫株式会社・日本通運株式会社

運送業としてスタートした会社が、20数年の時を経て、2ヶ所のLMTを拠点とする物流会社へと成長した。そしてここ数年の間に、中部圏における内陸部、湾岸部という2つの異なるエリアの物流ノウハウを獲得したと言える。「最初は不安があったLMTですが、現在はノウハウも蓄積され、そのポテンシャルを活かすことができています。弥富物流センターができて、中部圏の城ができた感じです。今後はこれまで取り込めなかった食品などの他業界にも、積極的に営業をかけていきたいですね。」と、佐藤氏はセンターの将来像を語る。また「中部圏のみならず、関西方面も含めてまだまだ拠点を増やしたいし、そのためにマネジメントできる人材の育成にも力を入れていきたいですね」と野口氏。

先日の経営戦略会議で、自社車両400台という目標設定がなされたランドキャリー。

その実現の日が待ち遠しい限りだ。

企業名 株式会社ランドキャリー
施設 弥富物流センター
所在地 愛知県弥富市狐地4-152-11
開設 レッドウッド弥富ディストリビューションセンター
規模 2019年1月
3~4階:倉庫約3,517坪、事務所約174坪
CBRE業務 施設賃貸借仲介業務

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上記内容は BZ空間誌 2019年冬季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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