CPI連動型賃料の基本的な仕組み
CPI連動型賃料とは、消費者物価指数(CPI)の変動を基準に、契約期間中の賃料をあらかじめ定めたルールに基づいて見直す賃貸借契約の考え方です。契約時に参照する指数や賃料改定のタイミング、算定方法を取り決めておき、その後はCPIの変動に応じて賃料を調整します。市況を踏まえた都度の協議ではなく、事前に合意したルールに沿って賃料を改定する点が特徴です。
今、なぜ「CPI連動型賃料なのか」?
近年、オフィス賃貸借契約において、賃料を消費者物価指数(CPI)などの経済指標に連動させる契約条件が、賃料改定の考え方をより明確かつ客観的に整理する手法として注目を集めています。実際に、新規契約・再契約を問わず、こうした条件がテナントに提示されるケースは増加傾向にあり、弊社へのご相談も増えてきています。
一方、海外のオフィス市場では、賃料改定の考え方そのものは存在するものの、CPIを賃料を引き上げる指標として採用している事例は限定的です。これに対し、近年インフレが急速に進んでいる日本においては、賃料改定の在り方を見直す文脈の中で、CPI連動型賃料が注目され、議論されるようになってきた側面が大きいといえます。
オフィス賃貸に広がる「CPI連動型賃料」という考え方
これまで日本のオフィス市場では、賃貸借契約期間中の賃料は原則として固定とし、更新や再契約のタイミングで「市況を踏まえた協議」によって賃料を見直す運用が一般的でした。 しかし近年、日本でもインフレ基調が続くなかで、オフィスを取り巻くコスト構造は大きく変化し、賃貸借契約のあり方にも影響を与えはじめています。 建築費や修繕費の上昇に加え、清掃・警備などの管理人件費の増加、さらには光熱費やエネルギーコストの高騰など、ビル運営コストは恒常的に上昇する傾向にあります。このような環境下では、従来の長期・固定賃料型契約のもとで、増加するコストを貸主のみが負担し続けることは、次第に難しくなってきています。
こうした状況を受け、これまでは、契約期間中の賃料改定を行わないことが前提とされてきた定期借家契約においても、期間中の物価上昇などの経済環境の変化をどのように賃料に反映させるかが課題として認識されるようになりました。その結果、客観的な指標に連動させることで、契約期間中においても、あらかじめ定めたルールに基づき賃料を見直すことができる契約方法を模索する動きが広がってきています。
このような流れを受け、賃料改定のルールをあらかじめ明確化し、公的な指標に基づいて客観的かつ説明可能な形で運用する手法として、CPI(消費者物価指数)連動型賃料が注目されるようになってきたのです。
【資料ダウンロード】テナント|契約前におさえるべき5つのポイント

CPI連動型賃料の契約条件の設計において、テナントとして特に着目すべきポイントをまとめました。賃料変動リスクをどこまで許容しどこで抑えるのかを明確にし、リスクをあらかじめ固定化しておくことが非常に重要です。
【資料ダウンロード】オーナー|導入前におさえるべき3つのポイント

CPI連動型賃料を導入するにあたり、貸主として事前に整理しておくべき契約設計の要点をまとめました。インフレ局面における賃料の成長性を確保しつつ、テナントとの合意形成を円滑に進めるためには、変動ルールや上限設定などをあらかじめ明確にしておくことが重要です。
