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丸の内・大手町・有楽町の再開発計画と近未来像

都市別特集

2007年3月2日

2002年9月、三菱地所による丸の内再構築の幕開けとなる「丸の内ビルディング」が竣工した。これを機に丸の内は、揺るぎない伝統という無形のバリューに加え、機能というハード面でも他を圧する実力を備えていく。この4月には「新丸の内ビルディング」が竣工、そして次のステージへ、今後の再開発の概要を紹介する。

再開発計画と近未来像 MAP
1

新丸の内ビルディング

2007年4月に竣工を迎える新丸の内ビルディングは、オフィスゾーン(地上10~37階)と商業ゾーン(153店舗、地下1~地上7階)等からなる高さ約198mの複合ビル。02年竣工の丸ビルとともに、東京の表玄関に相応しいゲート性を備えた象徴的かつ風格ある都市景観形成の一翼を担う。オフィスの基準階は天井高2.85m+OAフロア15cm、有効面積約3,000㎡の大規模空間。快適かつ高規格な環境を備えた国際ビジネスセンターの拠点として、業務機能の質的高度化を図っている。入居企業も決定しており、開業時の稼働率は100%となる。また9階には、オフィステナント専用の貸会議室やコミュニケーションスペース、ジムスペース等を設置し、多様な交流活動を支援し知的創造性を高めるための快適なアメニティ空間を整備。さらに10階には、ベンチャー企業を支援する拠点「日本創生ビレッジ」を開設する。ビルのコンセプトデザイナーには、よりグローバルな視点から都市景観を検討するため、英国人建築家マイケル・ホプキンス卿を起用し、当地区の歴史性と周辺環境との調和に配慮しながらも新しい感性を取り入れた。

所在地 千代田区丸の内1-5-1 事業主体 三菱地所
規模 地上38階、地下4階、塔屋1階 延床面積 約195,000㎡(約59,000坪)
主要用途 2007年4月 竣工予定 2007年4月
建替前名称 新丸ノ内ビルヂング(1952年竣工)
2

ザ・ペニンシュラ東京

世界屈指のブランド力を誇るペニンシュラホテルが、地下鉄日比谷駅に直結する好立地に開業する。47室のスウィートを含む全314室の客室は、伝統的ペニンシュラスタイルを崩すことなく日本文化のエッセンスも取り入れている。5つのレストランと、ウェディング施設、レクリエーション施設、ビジネス設備等の多彩なサービス機能を備える。当建替プロジェクトは、東京都の「育成用途の集約化を可能とする特例」を活用した初の事例。当ビルに育成用途(交流施設等)を集約して用途入替を行い、東京ビルディング(2006年竣工)にオフィス用途を集約した。

所在地 千代田区有楽町1-8-1 事業主 三菱地所、ザ・ホンコン・アンド・シャン
ハイ・ホテルズ・リミテッド
規模 地上24階、地下4階、塔屋3階 延床面積 約59,500㎡(約18,000坪)
主要用途 ホテル 竣工予定 2007年5月
建替前名称 日比谷パークビル(1952年竣工)
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丸の内パークビルディング

丸の内再構築を推進する三菱地所は、2008年から始まる10年間を、街の拡がりと深まりを目指す「第2ステージ」と位置付けており、当建替計画はその最初のプロジェクトとなる。丸の内と有楽町の結節点に位置する計画地において、3棟を一挙に建替え、敷地面積約11,900㎡の大型街区として整備。業務・商業施設のほか、地域インフラ施設の機能更新にも寄与する。さらに従前計画地に存在し、1968年に解体された丸の内最初のオフィスビル、赤煉瓦の「三菱一号館」を復元する計画となっている。

所在地 千代田区丸の内2-6-1、2、3 事業主 三菱地所
規模 地上34階、地下4階、塔屋3階
(三菱一号館:地上3階、地下1階)
延床面積 約205,000㎡(約62,000坪)
主要用途 事務所・店舗 竣工予定 2009年春
建替前名称 三菱商事ビル:1971年 古河ビル:1965年 丸ノ内八重洲ビル:1928年
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大手町一丁目地区第一種市街地再開発事業

大手町一丁目地区第一種市街地再開発事業

土地区画整理事業により大手町地区に都市基盤を再構築するとともに、並行して民間による再開発事業を連続的に実施する、連鎖型再開発事業の第一弾プロジェクト。大手町合同庁舎第1、2号館跡地の約13,400㎡に、JAビル、日本経団連ビル、日経新聞社ビルの3棟の高層ビルを建て、これら地権者が新築ビルに移転した跡地を種地として第二次再開発を行う。業務の連続性を維持しながら、大手町地区の老朽化した機能を次々と更新し、グローバルビジネス戦略拠点として再構築を図る計画。

所在地 千代田区大手町1-7-18、19、21 参加地権者 全国農業協同組合中央会、全国農業協同組合連合会、農林中央金庫、日本経済団体連合会、日本経済新聞社
施行者 有限会社大手町開発 事業
パートナー
三菱地所、NTT都市開発、東京建物、サンケイビル
規模 A棟:地上31階、地下3階、塔屋1階
B棟:地上37階、地下3階、塔屋1階
C棟:地上23階、地下4階、塔屋1階
延床面積 全体:約236,000㎡(約71,500坪)
A棟:約74,400㎡(約22,500坪)
B棟:約88,100㎡(約26,650坪)
C棟:約71,500㎡(約21,630坪)
主要用途 事務所・会議場・店舗・駐車場 竣工予定 2009年春
建替前名称 大手町合同庁舎第1号館(1964年竣工)
大手町合同庁舎第2号館(1967年竣工)
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東銀ビル建替計画

現在の東銀ビル('07.1

三菱地所の丸の内再構築「第2ステージ」における第2弾プロジェクト。建物区分所有者である三菱東京UFJ銀行と共に建替に着手する。丸の内と大手町の結節点に位置し、丸の内エリアの賑わいの軸である「丸の内仲通り」に面する当ビルを建替えることで、丸の内再構築の更なる拡がりと深まりを推進する。2007年中の着工、2010年度中の竣工を目標としている。

所在地 千代田区丸の内1-4-2 事業主 三菱地所、三菱東京UFJ銀行
竣工予定 2010年 現ビル竣工 1960年

1929年、東京駅の東側に開設されてから約80年を経た今、八重洲口に劇的な変革が訪れている。超高層ツインタワーと、その間を結ぶ巨大なルーフにより、新たな都市景観が創出されようとしているのだ。東京駅を単なる"ターミナルステーション"から複合機能を備えた街"ステーションシティ"へと進化させる、駅周辺のプロジェクトに注目してみよう。

6

丸の内トラストタワー本館

丸の内トラストタワー本館

森トラストによる丸の内トラストタワープロジェクトは2棟で構成され、第Ⅰ期棟のN館(地上19階、地下3階、延床面積65,244㎡)は2003年9月に竣工。第Ⅱ期棟となる地上37階建の本館は、08年11月に竣工予定である。都市再生特別地区の都市計画に基づくプロジェクトとして、首都東京の顔にふさわしい東京駅前広場(日本橋口広場)や憩いの広場等を整備し、東京駅と周辺の街を有機的に結ぶ歩行者ネットワークの形成に寄与する。オフィスフロアは地上3~26階、貸室総面積約15,000坪となる。また東京駅に隣接する立地を活かし、国際ビジネスや観光を支援する宿泊機能として、5つ星クラスの国際的ホテル「シャングリ・ラホテル東京」が27~37階に入居する。

所在地 千代田区丸の内1-8(枝番未定) 事業主 森トラスト
規模 地上37階、地下4階、塔屋2階 延床面積 約116,000㎡(約35,100坪)
主要用途 事務所・ホテル・店舗・駐車場 竣工予定 2008年11月
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(仮称)丸の内一丁目地区建替計画(JFEビル建替)

(仮称)丸の内一丁目地区建替計画(JFEビル建替)

三井不動産は、2007年4月中旬にJFEビルディングの解体に着工し、地上約120mのオフィスビルを新築する。設計は日建設計、竣工は2010年春の予定。日比谷通りと永代通りに接する角地に立地する。オフィステナントには、三井住友フィナンシャルグループと三井住友銀行が決定しており、同社は日比谷地区と大手町地区に分散している本店機能を集約させる。また、三井不動産では、2010年以降、現在三井住友銀行本店が入居している日比谷三井ビルディングと隣接する三信ビルとの一体的な再開発も検討中である。

所在地 千代田区丸ノ内1-10-1、6、10 事業主 三井不動産
規模 地上23階、地下4階 延床面積 約80,000㎡(約24,200坪)
主要用途 事務所・店舗 竣工予定 2010年春
現ビル名称 JFEビルディング(1974年竣工)
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有楽町駅前第1地区第一種市街地再開発事業

戦災復興計画以来、永年の懸案であった有楽町駅前の再開発が、2007年10月に竣工を迎える。歩行者中心の駅前広場を地上・地下に設置するとともに、歩道の拡張を行い、都心駅前に相応しい公共施設を整備する。地下ネットワークにより、有楽町・銀座・日比谷の各駅と連絡し、雨に濡れずにアクセスが可能。2棟の新築ビルは、高層棟は地下1階が低層棟と一体となった専門店街、地上1~8階に核店舗の丸井が入居し、10~20階は天井高3.0mのオフィスフロアとなる。低層棟は地下1階~地上4階に専門店舗が入居し、新たな賑わいと人の流れを創出する。

所在地 千代田区有楽町2-8他 事業主 有楽町駅前第1地区市街地再開発組合
規模 高層棟:地上21階、地下4階、塔屋1階
低層棟:地上5階、地下2階
延床面積 75,873.94㎡(22,951.8坪)
主要用途 事務所・店舗・駐車場 竣工予定 2007年10月

東京駅八重洲口開発事業

将来的な八重洲・日本橋地区の開発拠点となるべく、都市の再生および地域の活性化を目指す巨大プロジェクト。開発にあたっては、特例容積率適用地区制度による東京駅丸の内駅舎の未利用容積を移転、活用している。八重洲駅前広場を中心として南北に高さ約205mの2棟の超高層ビルを配し、その約240mの両棟間をデッキで結ぶ。「先進性」「先端性」を感じさせる美しいスカイラインは、首都東京の新しい顔となるにふさわしいグランドデザインを実現する。

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グラントウキョウ ノースタワー

グラントウキョウ ノースタワー

ツインタワーの北棟となるグラントウキョウ ノースタワー(Ⅰ期)は、2007年10月に竣工予定。すべてのオフィス基準階で天井高を2,950mmとし、ガラスカーテンウォールの採用により優れた眺望を確保するなど快適なオフィス空間を提供するとともに、省エネルギー対策を図り高い環境性能も確保する。オフィステナントには大和証券グループの入居が決定。また、地下1階~地上13階の低層部分には大丸東京店が既存鉄道会館ビルより移転し、同年11月に新たにオープンする予定。1階は建物中央を通り抜けるモールを配して、東京駅八重洲北口と外堀通りをスムーズに接続し、また大丸東京店へは駅前広場やモール、2階のデッキからもアクセスし、八重洲口の賑わいの拠点とする。

所在地 千代田区丸の内1-1-44他 事業主 東日本旅客鉄道、三井不動産、国際観光会館
規模 地上43階、地下4階、塔屋2階 延床面積 約172,000㎡(約52,000坪)※ノースタワーⅠ期
主要用途 事務所・店舗 竣工予定 Ⅰ期:2007年10月、Ⅱ期低層部:2012年夏
建替前名称 国際観光会館ビル(1954年竣工)他
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グラントウキョウ サウスタワー

グラントウキョウ サウスタワー

北棟と同時期に竣工するツインタワーの南棟、グラントウキョウ サウスタワーは、地下1階~地上2階が店舗、地上5~41階がオフィスとなる。オフィスゾーンへのアプローチである2階メインロビーには、グランルーフ(ペデストリアンデッキ)により東京駅から直接アクセスが可能。また、2階メインロビーとスカイロビー(22・23階)を結ぶ6基の高速シャトルエレベータを設置し、高層・超高層フロアへのアクセスをスムーズにしている。執務空間には、情報化・国際化が進むビジネスに対応する余裕のインフラストラクチュアを構築し、業務機能の新たな拠点を実現する。主なオフィステナントとして、リクルートが高層フロアに本社機能を移転することが決定している。

所在地 千代田区丸の内1-1-54他 事業主 東日本旅客鉄道、鹿島八重洲開発、新日本石油
規模 地上42階、地下4階、塔屋1階 延床面積 約140,000㎡(約42,400坪)
主要用途 事務所 竣工予定 2007年10月
建替前名称 興銀ヤンマー合同ビル他
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グランルーフ

グランルーフ

デッキは北棟と南棟を連結する歩行者空間として機能し、東京駅八重洲口全体に統一感を生みだす象徴的空間。ダイナミックで軽快な膜構造の大屋根で、行きかう人々を包み込む賑わいのスペースが形成される。デッキ、地上、地下を接続した立体的な構成で、緑や店舗を配置する。

事業主 東日本旅客鉄道 竣工予定 2013年春
規模 地上4階、地下4階 現ビル名称 鉄道会館ビル(1954年竣工)
主要用途 駅施設・店舗
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サピアタワー

サピアタワー

大手町・日本橋方面への玄関口であり、新幹線専用改札口をもつJR東京駅日本橋口に位置し、地下鉄大手町駅にも直結する、都内屈指の好立地に竣工するサピアタワー。その名が知恵をあらわす「sapience」に由来する通り、オフィスはR&E(研究・教育)センターをコンセプトとし、ビジネスの場だけではなく、学術・研究機関に知的創造の場を提供するためのインテリジェント機能を備えている。また、4~6階には駅直結の大規模コンファレンスルーム、高層階にはホテルメトロポリタン丸の内が開業する。

所在地 千代田区丸の内1-7-12 事業主 東日本旅客鉄道
規模 地上35階、地下4階、塔屋1階 延床面積 約79,000㎡(約23,900坪)
主要用途 事務所・ホテル・コンファレンス 竣工予定 2007年3月
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丸の内駅舎保存・復原計画

1914年に完成した赤煉瓦の丸の内駅舎は、関東大震災に耐えたものの、戦災で3階の大部分を焼失。2階建・八角屋根の姿で現在に至る。計画では、現存する丸の内駅舎を可能な限り保存しつつ、損失した部分を復原し、創建当初の3階建・円形ドームの建物に復原を行う予定。復原後の駅舎の利用計画については、現行の機能(駅・ホテル・ギャラリー)を維持することを基本方針としている。工事に際して休止中の東京ステーションホテルは、新たなホテルとして生まれ変わる予定となっている。また、あわせて丸の内駅前広場を、皇居から東京駅を望んだ際の景観に配慮して再整備する。

流行発信地となった"丸の内"

丸の内仲通りの商業開発

再開発による街並みの変化とともに、業種・業態も変わりつつある丸の内・大手町・有楽町エリア。この変化をビジュアルに示しているのが、「丸の内仲通り」の商業開発である。エリアを南北に貫く丸の内仲通りは、かつて銀行等の金融機関が軒を連ね、夕方には閑散とした空間であった。

しかし、90年代後半から加速した金融再編により、銀行店舗の統廃合が相次ぎ、1階をはじめとする低層部に空室が増加。これを契機に、三菱地所と周辺エリアが一体となって、週末や祝日でも来街者で賑わう、アメニティ豊かな街の創出が企図された。

丸の内の持つ伝統・品格にふさわしい一流ブランドの積極的な店舗誘致が展開され、現在ではブランドショップ、カフェ・レストランが建ち並ぶ華やかな通りへと一変。久しぶりにこのエリアを訪れる人は、その変貌に驚くことだろう。大型新築ビル内に次々とオープンする商業施設の集客力や、様々なイベントによる話題性との相乗効果で、丸の内仲通りには日々新しい人の流れと賑わいが生まれている。

取材協力/写真・資料提供
三菱地所株式会社、森トラスト株式会社、三井不動産株式会社、有楽町駅前第1地区市街地再開発組合、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社ジェイアール東日本ビルディング、大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会、東京都、株式会社生駒データサービスシステム(順不同)

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上記内容は オフィスジャパン誌 2007年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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