JR山手線の駅の中で、現在、最も活発に周辺再開発が進行している大崎駅。西口地区では、地上 30階建の圧倒的なスケールを誇る「ThinkPark Tower」が、最初に完成する大型プロジェクトと して、間もなく竣工を迎えようとしている。駅を中心とした60haという広大な地域で、今後予定さ れている複合再開発計画について、その概要を紹介しよう。
ThinkPark
総面積約9.1haのスケールで、一体的な都市再開発事業が進行する大崎駅西口地区。「明電舎地区」、「ソニー地区」、「南地区」、「中地区」の4つの地区から成り、1999年にはこれらの地区の事業者と品川区とで「大崎駅西口地区まちづくり協議会」を設立、互いに調整しながら計画的な整備が進められている。「ThinkPark」は、明電舎地区の「大崎駅西口E東地区」および「大崎駅西口E南地区」において、2007年初秋にオープンする大規模再開発プロジェクトの総称。2004年に東京都内で初の都市再生特別地区の指定を受け、注目を集めている事業である。計画地には、30階建のオフィスビル「ThinkPark Tower」を中心に、ショップ&レストラン、多目的広場、大崎の森(公開空地)、ホテル、フィットネスクラブ、集合住宅が有機的に配置される。
地区 | 大崎駅西口明電舎地区 〔1 大崎駅西口E東地区+2 西口E南地区〕 |
所在地 | 品川区大崎二丁目地 |
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大崎駅西口E東地区(全体約2.4ha)
ThinkPark Plaza(商業施設)
- ThinkPark Tower(オフィスビル)
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ThinkPark Towerは、JR大崎駅とペデストリアンデッキで直結する、地上30階建、延床面積約46,000坪の大規模オフィスビル。オフィススペースは、ワンフロアの広さが都内屈指の約3,000㎡(約900坪)、奥行き約20m、天井高2,800mm(+OAフロア100mm)、サイドコア方式を採用した整形無柱の大空間である。本社機能の集約ニーズに応える仕様として、セキュリティや災害への備えが充実。
24時間体制の有人管理と併せて、エントランスのフラッパーゲートからテナントエリアまでに、非接触型ICカードによる最大4段階に及ぶセキュリティシステムが構築される。通信回線等のインフラは、テナント区画に接したメカニカルコアから供給されるため、情報セキュリティも高レベルに維持。また、ループ受電方式を採用すると同時に、ビル内供給ルートも2系統を備え、災害等の非常時にはテナント用として10VA/㎡の電力を最大72時間連続して供給することが可能となっている。
事業者 明電舎、
世界貿易センタービルディング設計・監理 日建設計 規模 地上30階、地下2階、塔屋2階 ブランディング・
コンサルタントシー・アイ・エー 延床面積 152,009.01㎡(45,982.80坪) 施工 鹿島・大林・三井住友・鴻池・熊谷 建設共同企業体 事務所貸付
総面積約87,200㎡(約26,450坪) 竣工予定 2007年8月末 主要用途 事務所・店舗・駐車場 -
ThinkPark Towerの1・2階に広がる、都市型ショップ&レストラン。地域全体に賑わいを創出することを企図し、開放的なレイアウトやデサインを採用している。飲食施設、コンビニエンス・ストア、金融機関等のビジネスサポート機能も充実。その他、ビルの3階には、人間ドックも対応可能なメディカルセンターや、旅行代理店が設置される。また、敷地内には多目的広場や大崎の森(公開空地)も配置され、コミュニケーションやリラクゼーションの場として提供される。
事業者 明電舎、世界貿易センタービルディング 規模 ThinkPark Tower低層部
大崎駅西口E南地区(全体約0.7ha)
- ホテル&フィットネスクラブ、タワーマンション
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- ホテル(ダイワロイネットホテル東京大崎〈仮称〉)
- フィットネスクラブ(スポーツクラブNAS大崎)
事業者 ホテル:ダイワロイヤル(大和ハウスグループ)
フィットネスクラブ:日本体育施設運営(大和ハウスグループ)オープン予定 2007年秋 - 住宅棟(ウエストレジデンス大崎)※定期借地権付き分譲マンション
事業者 三井物産、新日鉄都市開発、総合地所、三洋ホームズ、長谷工コーポレーション 規模 地上20階、地下1階(総戸数166戸) 竣工予定 2008年2月末
大崎駅西口中地区第一種市街地再開発事業(全体約1.8ha)
2005年、東京都知事から市街地再開発組合の設立認可を受け事業開始。施設建築物は06年着工、09年の竣工予定である。概要としては、防災拠点性の高い空間づくりと多様なニーズに応じた住宅供給、特色あるビジネスインフラの整備と賑わいの形成、地域に不足する生活支援施設・地域活動拠点施設の設置、緑化空間・広場空間の整備、街並み景観の形成、そして歩行者ネットワークの形成として、地区内と大崎駅改札口とをほぼ高低差なく結ぶ歩行者デッキを整備する計画となっている。
※パンフレット「大崎駅西口中地区第一種市街地再開発事業」による
所在地 | 品川区大崎二丁目8・9番 | 事業主体 | 大崎駅西口中地区市街地再開発組合 |
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総延床面積 | 約129,120㎡ | 竣工予定 | 2009年 |
主要用途 | 住宅施設(2棟)・業務施設(1棟)、商業施設・駐車場施設(約560台) |
大崎駅西口南地区市街地再開発計画(全体約1.2ha)
所在地 | 品川区大崎二丁目11・12番 | 事業主体 | 大崎駅西口南地区市街地再開発準備組合 |
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主要用途 | 業務棟・住宅棟 |
※2007年7月下旬、都市計画案が東京都都市計画審議会に付議される予定
大崎駅西口ソニー地区(全体約2.0ha)
所在地 | 品川区大崎二丁目10番 | 事業主体 | ソニー大崎西テクノロジーセンター(1964年操業、2007年3月閉鎖) |
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北品川五丁目第1地区市街地再開発計画(全体約3.6ha)
所在地 | 品川区北品川五丁目地内 | 事業主体 | 北品川五丁目第1地区市街地再開発組合(予定) |
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敷地面積 | 約28,400㎡ | 総延床面積 | 約257,000㎡ |
主要用途・ 規模 |
業務棟(2棟:延床面積合計約138,500㎡)、住宅棟・店舗棟・駐車場ほか |
※2007年7月下旬、都市計画案が東京都都市計画審議会に付議される予定
(「北品川五丁目第1地区に係る都市計画事業者案及び開発計画説明会資料」による)
東五反田二丁目第2地区第一種市街地再開発事業(全体約1.8ha)
所在地 | 品川区東五反田二丁目 | 事業主体 | 東五反田二丁目第2地区市街地再開発組合 |
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主要用途 | 住宅、業務、店舗、駐車場 |
東五反田4-1街区開発計画(約0.6ha)
所在地 | 品川区東五反田二丁目 | 事業主体 | 4-1街区開発協議会 |
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(仮称)大崎一丁目プロジェクト
所在地 | 品川区大崎一丁目345番1外 | 延床面積 | 37,900㎡ |
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建築主 | 有限会社大崎ファーストステージ | 主要用途 | 事務所・店舗 |
規模 | 地上17階、地下2階 | 設計・施工 | 清水建設 |
敷地面積 | 5,420.28㎡ | 竣工予定 | 2009年3月 |
取材協力/資料提供:㈱世界貿易センタービルディング
参考:
ThinkParkホームページ http://www.thinkpark.jp/
「2006品川区勢概要」品川区企画部
「しながわのまちづくり」品川区まちづくり事業部(2005.3発行)
「首都圏プロジェクト」(㈱都市計画通信社)
品川区ホームページ
都市再生本部ホームページ