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増加する用途変更をめぐるトラブル

銀行統廃合による1階空室の増加。不動産ファンドが所有するビルのバリューアップ・賃料アップを目的とした店舗化の流れ。ここ2~3年、オフィスビルの用途を店舗に変更する「用途変更」の事例が、数多く見られるようになってきました。仲介現場でも頻繁に関与するようになったこの用途変更ですが、実際に行うにあたり多くのトラブルも出てきており、軽視できない基本知識となっています。

しかしながら、店舗を出店するテナントの担当者は、ほとんどが建築の専門家ではありません。建築基準法、消防法を正確に深く理解できればそれに越した事はありませんが、現実的には難しく、付け焼刃での対応では損害を被る危険も伴います。テナントサイドの有効な対応策としては、用途変更のアウトラインを理解しつつ、「この物件はちょっと疑わしい、確認しておいた方がいいかも...」と感じるポイントを押え、その症状により専門家の建築士に依頼し問題を解決する、という流れをつかんでおくべきといえます。

それでは、「この物件はちょっと疑わしい、確認しておいた方がいいかも...」と感じるポイントとは、どんなことでしょうか。風邪で例えるなら初期症状、つまり「くしゃみ、鼻水、鼻つまり」の症状が出たら専門である医者に行くように、「こういう症状・様子」がみられたら専門の建築士に確認の依頼をする、その"勘どころ"を上記にまとめてみました。

なにに留意して空室をチェックするか

まず、なんといっても重要なのが、それまで入居していたテナント。例えば、前テナントが上場している大手コンビニエンスストアであれば、用途違反の可能性はかなり低いはずです。出店ノウハウを多く持つコンビニといえば、借り手のプロ中のプロ。用途の詳細なチェックは必須となっていますから、その後に入居するのも安心というワケです。逆に、銀行跡が事務所用途であるのと同様に、消費者金融、旅行代理店、エステティックサロンやマッサージ店、英会話スクール等は、一見、店舗のように見えますが建物の用途は事務所となっており、その退出跡には注意が必要といえるでしょう。

前テナントが事務所で、オーナーや仲介業者に用途変更の可否を確認した際、「事前に消防と役所へは確認しています」とのコメントがあれば信憑性がありますが、「店舗でもOKです」だけで具体的な説明がなければ、疑わしいと考えた方がいいかもしれません。さらに、建築基準法上の用途が何なのかを返答できないようでは、貸室用途を把握していない証拠なので要注意です。

FAXなどで紹介を受けた書面で、「店舗も事務所も可能」と記載されている案件も、少しだけ疑いましょう。オーナーは大手企業? 管理会社の実績は? 等を確認しつつ、詳細を慎重に詰めていってください。

現地のチェックと登記簿謄本の確認

排煙設備の確認は、早めにしておくべき。古いビルでは、排煙設備がないという例もあります。排煙窓は外からすぐ確認できるため、現地を見れば一目瞭然です。店舗の正面に付いているとは限らないので、側面、裏側等も確認してみてください。ただし、大型ビルは機械排煙が主流なので、排煙窓は見当たらないと思います。

よくある例ですが、銀行跡で区画を分割することとなり、新規に排煙窓の設置が必要となる場合、サッシの改修費をテナント、オーナーどちらが負担するかがネックとなるケースがあります。天井が高い1階では、サッシの改修費も高額となり侮れません。ビルの駆体に関わる設備であり、テナントの資産とすると退去時に撤去される可能性があると考えれば、オーナー側で負担すべきというのが教科書的です。しかし、実際はケースバイケースで、「貸したい」「借りたい」の力関係で交渉材料となっているのが現状です。

建物の登記簿謄本は、容易に確認でき、有効なチェック項目といえるでしょう。実際に、「(謄本を見たおかげで)早期にトラブルを回避できた」という例も耳にしますし、「もっと詳しくチェックしていれば、こんなことに巻き込まれなかったのに」という話もあるようです。しかし忘れてならないのは、用途の確認において登記のチェックだけでは万全ではないということです。登記はあくまで任意。用途変更されているのに登記はもとのままというケースも数多く見受けられます。

信頼できる専門家は、あくまで実績重視で

ここに記載しているのは、出店にあたってのチェックポイントのごく一部に過ぎません。しかしながら、この「前テナントは店舗かどうか」「排煙窓はあるか」「建物の登記簿謄本は」の三つのポイントの確認程度でも、きな臭い案件ではほこりが出てくるはずです。

また逆に、これらのポイントはあくまでも疑わしいと思う症状であり、「確認してみたら店舗用途であり問題なかった」ということもよくある話です。しかし、たとえ手間でも、「備えあれば憂いなし」の言葉通り、安心できるという点は収穫でしょう。

用途をチェックするということは、出店を左右するリスク回避の重要なファクターの一つ。医者にかかるときに、その医師の噂を気にするように、建築士も信用できる人に依頼するのがポイントです。大手だからといって多くの用途変更事例を手掛けているとは言い切れませんし、工事費が高くなる可能性もあります。こと用途変更に関しては、企業のネームバリューより、実績を重視すべきといえます。

繰り返しになりますが、店舗用途でつまずかないためには、風邪対策と同じよう、初期症状に気づくことが大切です。そして、早めに専門医に見せるのが回復の早道。こじらせてからですと、重症になる可能性も秘めた問題だと心しておきましょう。

オフィスビルへの入居に際し店舗用途で注意する勘どころ

前入居テナントが店舗ではない

これは最重要ポイントです。仮に前のテナントが物販系店舗であれば、一般的には次も店舗で問題ないはずです(銀行、旅行代理店等は用途的に事務所でも認められるため、一口に店舗といっても、業種によっては確認が必要となります)。しかし、過信や根拠のない安心は要注意。現実には、元々合法でない事例が多数存在するため、建物の最終的な確認は当然必要になります。

開示された資料がいいかげん

「事務所も店舗も可能」というような表記、古すぎる資料、不明瞭なパンフレット、無名の施工会社、等。整った資料とはどういうものかを知っていれば、いいかげんな資料の見分けがつきます。問い合わせに対して、不明瞭な答えしか返ってこない場合も要注意です。

室内に排煙窓が見当たらない

既存中小ビル1階の店舗であれば、自然排煙が一般的です。天井近くに排煙窓(引き戸でも可)がない場合は要注意。大規模ビルは機械排煙が主なので、問い合わせれば明確になるはずです。

謄本(建物)に「店舗」の記載がない

登記簿謄本(建物)の表題部【(1)種類】には、登記時の用途が記されています。そこに「店舗」となければ要注意です。すでに用途変更されている場合、修正の登記は任意なため必ずしも正確とはいえないのですが、最近はインターネットですぐに謄本を取得できるサービスもあるため、初期簡易確認としては有効でしょう。

ビルの形状が複雑すぎる

平面(フロア)計画→奥が広い、ひょうたん型、増築結合型...
立面(階層)計画→中2階、中地下1階...

複雑な平面・立面計画となっている物件は要注意です。用途変更時、排煙ルートや避難経路等で難易度UPの可能性があります。

上記の内容に該当し、「疑わしい」と思ったらどうするか?

まずは貸主への確認から

貸主側に、用途が記載されている書類の開示を求めましょう。提示された最新の書類で、該当する区画が「店舗」とあれば問題ありません。下に挙げる4点セットのすべてを確認できれば万全ですが、現実的には難しいため、可能な限り開示を求め、その範囲の内容でチェックすることになります。

  • 検査済証
    ※ 後に用途変更するにあたっては、これが最重要の書類となります。
  • 確認済証(建築確認通知書)
  • 確認申請図面
  • 構造計算書

安心できる資料開示がなければ&それでも心配なら

専門家に依頼するのが安心でお勧め

専門の一級建築士に物件の調査を依頼するのがお勧めです。

期間 確認すべき内容は数日で完了
コスト 用途変更の実務ではなく確認のみならば数万円程度
誰に 大手中小を問わず、用途変更に実績のある一級建築士に依頼するのが望ましい

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上記内容は オフィスジャパン誌 2006年冬季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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