ニューデリーマーケット(2008年第2四半期現在)
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店舗賃貸借契約数は堅調であったが、新規開発により革新的なデザインが採用されたモールが多く出店するノースデリーやイーストデリー、国道8 号線、グルガオン、およびグレーター・ノイダでは、テナント需要の軟化と財政面の制約により、店舗の募集賃料は若干低下した。
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ニューデリーのバサントクンジに位置するインド初の高級モール、DLF エンポリオ内に、ルイヴィトン、カルティエ、グッチ、ティファニーといった高級ブランドが出店契約を交わした。また、同市ではグルガオンの国道8 号線沿いに大型商業施設のアンビ・モールが開業した。80万平方フィートのこのモールには、FCUK、シスレー、BMW、Guess などが出店している。
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大通り沿いの優良立地の需要は底堅く、そのため当四半期は賃料がわずかに上昇したが、2007 年ほどの大幅な上昇とはならなかった。
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グルガオンやサウスデリーといった老舗商業エリア、またカーンマーケットやサウス・エクステンションなどの大通り沿いの優良立地に対する需要は引き続き堅調に推移する見込みである。
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将来的にモールの供給が増大すると予想されるため、開発業者は店舗仕様の向上や多様なテナント構成、より良質な施設運営サービスといった要素を掲げ、プロジェクトの差別化に取り組んでいる。
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「ビッグボックス型」店舗の採算性は低く、高額賃料の支払いにより利益が圧迫されているため、新しい改善策の実行も難しい状況にある。一方で、他の小売業者は、最適な立地を絞り込んだ上で現行の募集賃料を支払っている傾向にある。
主な店舗賃貸取引事例(2008年第2四半期)
地域 |
物件 |
契約面積(sqf) |
テナント |
サケット・ディストリクト・センター |
MGF Metropolitan Mall |
4,000 |
Dish Hospitality |
サウスデリー |
South Extension Part -Ⅱ |
4,500 |
Sanchos |
グルガオン |
Ambi Mall |
3,000 |
Sisley |
ホーチミンシティマーケット(2008年第2四半期現在)
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ホーチミンシティの店舗マーケットでは、限られた用地での開発が続いている。当四半期にはクロエやマーク・ジェイコブスといった国際的な高級ブランドが出店したが、そのほとんどは業務中心エリアへの出店であった。
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業務中心エリアの高級デパート、ダイアモンド・プラザはテナント構成の調整を図った。イギリスのデニムブランドのリー・クーパーは、売場面積216平方フィートに及ぶホーチミンシティ第1号店を同プラザ2階に出店している。
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業務中心エリアでは、専門店が出店候補地として4つ星や5つ星のホテルを選んでいる。グッチやミラノ、ドルチェ&ガッバーナがシェラトン・ホテルに出店し、クロエ、マーク・ジェイコブス、バレンシアガなどの一流ブランドも、グエンフエ通りとレタントン通りの交差する一等地に建つレックス・ホテルにベトナム初の店舗を出店した。エスプリは、4号店を5つ星ホテルのニューワールド・ホテル1階に出店した。
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百貨店やショッピングセンターには空き物件がなく、出店を希望するブランドの間では立地の利便性から、第1地区のプライベート・ハウスの人気が高まっている。ミスシックスティは2号店をンゴ・ドゥ・ッケ通りに、ナイン・ウエストは最初の地元店をハイバーチュンに、イタリアの靴ブランドのボックス(BOXX)は1号店をグエンフエ通りに出店した。
主な店舗賃貸取引事例(2008年第2四半期)
地域 |
物件 |
契約面積(sqf) |
テナント |
1 |
Private house-13B Ngo Duc Ke Street |
915 |
Miss Sixty |
1 |
Rex Hotel-55 Nguyen Hue Street |
880 |
Chloe |
1 |
Rex Hotel-55 Nguyen Hue Street |
680 |
Marc Jacobs |
ハノイマーケット(2008年第2四半期現在)
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最近の金融不安による小売業における個人消費への影響はほとんど見られなかった。地元の小売業者は引き続き長期成長を見据え、顧客サービスの向上に一段と注力している。
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優良立地での賃貸需要は堅調であった。当四半期の平均募集賃料は、比較的高水準で推移し、主要ショッピングセンターの1平方メートル当たりの賃料は65米ドル/月前後となっている。ビンコムタワーの2階店舗の賃料は同130米ドル/月に達した。空室率はゼロに近く、多くの小売業者が店舗拡大に苦心している。
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ホアンキエム地区は、ハノイ屈指の店舗立地である。地区全体に多くの店舗が散在するが、地元業者の店舗がその大半を占める。同地区での優良物件の平均募集賃料は、1平方メートル当たり80~100米ドル/月に達した。
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当四半期に新たに着工したプロジェクトはハタン・プラザのみであった。ドンダ地区に位置するこのプラザは店舗と住居を備えた低層ビル(床面積1万平方メートル)で、国際ブランドの出店予定はない。当四半期の店舗2階の平均募集賃料は、1平方メートル当たり60米ドル/月と なった。ベトナムとタイ、および日本のジョイント・ベンチャーのスーパーマーケット、ユニマートがハノイ2号店を出店し、3階全フロア(1,800平方メートル)を占有した。
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建設コストの上昇や信用収縮といった環境にありながらも、ザ・ガーデン(賃貸面積1万8000平方メートル)とシプトラ・モール(同11万平方メートル)の建設はそれぞれ、2009年と2010年の完成に向けて予定通り進んでいる
主な店舗賃貸取引事例(2008年第2四半期)
地域 |
物件 |
契約面積(sqf) |
テナント |
コウゼイ |
Shop house |
860 |
Lotteria (F&B) |
ハイバーチュン |
Vincom City Towers |
450 |
Geox (Fashion) |
ハイバーチュン |
Vincom City Towers |
660 |
Ecco (Footwear) |
東京マーケット(2008年第2四半期現在)
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スウェーデンアパレルメーカーのH&Mは、東京で3店目となる店舗用地を渋谷に確保したと発表した。また、ルイヴィトンは新たな旗艦店を銀座に出店することを明らかにした。ルイヴィトンは、2010年第3四半期完成予定のヒューリック数寄屋橋ビルの10フロア(床面積8万4000平方フィート)を借り切る。
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さらに、渋谷ではユナイテッド・アローズがこの4月に新店舗(床面積1万500平方フィート)を、フランフランも7月中旬に旗艦店(同1万2920平方フィート)をオープンした。
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小売業者は慎重に店舗拡大を進めており、高額賃料の支払いについては前向きではないものの、最優良物件の確保については積極的な姿勢を見せている。
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開発業者は2006~2007年に積極的に用地取得を行ってきたが、高額な賃料でのテナント確保は困難になっている。表参道/原宿では、需要減退により、中断されているプロジェクトが50件を超えると伝えられている。
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2008年6月には、東京メトロ副都心線が開通し、池袋、新宿、表参道/原宿、渋谷といったショッピングエリアのアクセスが容易となった。現在のところ新宿の小売業者が、副都心線開通による恩恵を最も受けており、高島屋では、開通後最初の週末の売上高が30%増加したと報告されている。
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新たに開業したラゾーナ川崎やららぽーと横浜、ららぽーと豊洲の好調を受け、三井不動産は埼玉県新三郷に新たにららぽーとを開業することを発表した。大規模複合施設「新三郷ららシティ」プロジェクトの一環として、2009年夏に開業の予定で、他にコストコとイケアの出店が見込まれている。
主な店舗賃貸取引事例(2008年第2四半期)
地域 |
物件 |
契約面積(sqf) |
テナント |
銀座 |
Hulic Sukiyabashi Building (temp name) |
84,000 |
Louis Vuitton |
渋谷 |
New commercial building (name TBD) |
12,920 |
Francfranc |
渋谷 |
Park Square 2 |
10,500 |
United Arrows |
ソウルマーケット(2008年第2四半期現在)
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当四半期には、商品および材料費の上昇で消費者心理が冷え込んだ。消費者物価指数の上昇率は、第1四半期の対前期比1.3%から、第2四半期には同2%へと増大した。
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消費者心理の冷え込みで小売売上高は伸び悩み、実質ベースでの増加率は4月の対前年期比5.4%増から、5月には同3.1%増へ減速した。
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小売売上高の低迷とショッピングモールの増加で、主要ショッピングエリアの明洞における賃貸借契約は停滞した。狎鴎亭洞、清潭洞、江南でも空室率の上昇と賃料の下落が見られた。しかし、2010年に地下鉄9号線が開通することにより、沿線に住宅地が増え、大手企業も転居し利 用者が増加することで、江南の主要ショッピングエリアにおける資本価値と賃料が高まると考えられる。ビジネスエリアへのサムスン、韓国生命保険、F&Fの本社移転が、同エリアに位置するコエックスモールと江南駅周辺の堅調な需要を支えた。
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京紡は、2009年までに永登浦に5,500億ウォン(5億2600万米ドル)規模の複合施設「タイムズスクエア」(床面積350万平方フィート)を完成させる計画である。店舗スペースは260万平方フィートと、コエックスモールの2倍に達する見通しで、百貨店やハイパーマーケット、ショッピングモールが入居する予定である。
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「ガーデンファイブ」プロジェクトは、ソウル市松坡の商業エリアの開発で、地下5階、地上10階建のビル3棟の建設が予定されている。
主な店舗賃貸取引事例(2008年第2四半期)
地域 |
物件 |
契約面積(sqf) |
テナント |
江南(GBD) |
COEX Mall |
10,650 |
Zara |
明洞 |
Lotte Young Plaza |
8,070 |
Zara |
江南 |
Gangnam Multishop |
5,380 |
The Basic House |
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