東京から飛行機でおよそ4時間、福岡からであれば1時間30分と、日本からは至近の距離、日本と香港の中継地のような立地に台湾は所在する。面積はおよそ36,191km2で九州とほぼ同規模、人口は2011年1月末時点で2,316万人となっている。
近年は経済成長が著しく、2010年には実質GDPが前年対比で10.88%の伸長と、シンガポール(14.5%)とともに大きな成長でその存在感を示した。とりわけ2009年のマイナス1.9%からの急成長は、その主要貿易相手国である中国の経済成長に拠るところが大きく、また企業業績が好調だったことによる国内消費の伸びが、景気を底支えしていた。
2010年9月には中国との間で「両岸経済協力枠組協定(ECFA)」が発効、より経済的なつながりを強める動きが高まっている。2011年の実質GDP成長率は、2010年比で4.5%に落ち着く見通しを、台湾の行政院主計処が2012年1月に示している。
Republic of China (TAIWAN) 中華民国(台湾) | |
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人口 | 2,316万人(2011年1月末時点) |
面積 | 36,191k㎡ |
通貨 ※ | 台湾元(ニュー台湾ドル:TWD)1TWD≒US$0.03≒2.57円 |
面積表示 | 坪(日本と同様) |
時差 | 日本マイナス1時間 |
GDP(名目) | 429,850百万ドル(2010年) |
GDP(一人当たり) | 18,558ドル(2010年) |
※ 2012年1月末時点の為替レートで換算
日本との経済的な関係も引き続き深い。2010年の台湾の輸出先については、前述の中国が最も多く全体の28.0%を占め、次いでASEAN(10ヶ国)、香港の順であるが、輸入に関しては日本からのものが最も多く全体の20.7%と、中国の14.3%を上回っている。日本からの台湾向け輸出では、電気機械や化学製品が中心となっている。
在留邦人数を見ると、台北は11,991人と、アジアでは香港に次いで5番目に日本人が多いエリアとなっている。
台湾の主要都市としては、台湾島東北部に首都である「台北市(Taipei:人口263万人)」と港湾都市「基隆市(Keelung:38万人)」、中部では「台中市(Taichung:265万人)」、「嘉義市(Chiayi:27万人)」、IT企業の集積する「新竹市(Hsinchu:41.7万人)」、そして南部にアジア有数のコンテナ港を擁する「高雄市(Kaohsiung:277万人)」、直轄市の1つである「台南市(Tainan:187万人)」などがある。今回のレポートでは台北にフォーカスしてその市況をお伝えする。
台湾/台北の交通アクセス
台湾桃園国際空港と台北松山空港
台北には台湾桃園空港(旧中正国際空港)と台北松山空港の2つの空港がある。
台湾桃園空港は主に国際線主体の空港で、アジアを中心に世界各国と台湾を結んでいる。香港、上海へそれぞれ2時間弱と至近であり、タイへも3時間50分程度でアクセスできる。台湾の航空会社、中華航空とエバー航空のハブ空港になっている。
出発、到着、乗り継ぎの乗客は年間およそ249万人(2011年)。都心からは、シャトルバスやタクシーでの移動が中心で、渋滞時を除けばおよそ50分程度で台北中心部とアクセスできる。また、メトロ台北の延伸計画もあり、今後都心部とのアクセスはさらに改善される予定である。
一方の台北松山空港は、都心部に位置する空港。従来は国内線主体で運用されていたが、2010年から日本の羽田路線が運航を開始しており、JAL、ANA共に乗り入れている。また中国各地への路線も開設されている。
台湾高速鉄道(台湾高鐡/Taiwan High Speed Rail)
北部の台北から台湾第2の南部の都市、高雄(左営)までの345kmを最速でおよそ1時間36分で結ぶ。現在、「桃園」、「新竹」、「台中」、「嘉義」など8つの駅があり主要都市を結んでいる。現在も「台北」から「南港」までと、「左営」から「高雄」までの2区間の延伸工事と「苗栗」、「彰化」、「雲林」駅の設置工事を行っている。台北~左営間の料金はTWD1,490(普通車両/一般切符、約3,829円)。
メトロ台北(Metro Taipei)
台北中心部を縦横に路線が走るメトロ台北は10の路線、101の駅からなり、110kmの営業距離で運行されている。
現在も、上述した台湾桃園国際空港への路線の他にも数本の新路線や延伸工事が行われており、台北市内の利便性の高まりが期待されている。