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表参道ヒルズのこだわり

"再開発とは街づくり"が、常に森ビルの姿勢
高感度な大人のテイストをコンセプトに
表参道だからこそのこだわりが館全体を魅力あるものに

森ビル株式会社
PM本部 商業施設事業部
表参道ヒルズ運営室 館長 荒川 信雄

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阪神・淡路大震災が引き金となり再開発の機運が高まった

当社が同潤会青山アパートの再開発事業(「表参道ヒルズ」)を手がけるようになったのは、社長の森稔にとって、表参道が1960年代に生活の基盤を置いた縁の深い土地だったことがきっかけの一つでした。その後、住まいを南青山、アークヒルズへと移しましたが、表参道との縁は続き、1978年には原宿交差点に、森ビル初の本格的な商業施設「ラフォーレ原宿」をオープンさせています。

同潤会青山アパートについては、住民の間で1968年ごろから建て替えへの取り組みが始まりましたが、意見の調整が難航しなかなか実現には至りませんでした。当社も住民の方々から相談を受けていましたので、森としては、機会があれば何かしらの貢献をしたいと思っていたようです。

具体的に再開発が動き出すきっかけとなったのは、阪神・淡路大震災によるものが大きかったと思います。1927年に建てられたアパートの老朽化は著しく、水が出ない、鍵がかからないといった日常生活への支障も深刻。人が住めなくなった物件は、ギャラリーや物販店舗として貸し出されていましたが、住居と貸店舗が混在し、部外者が誤って住宅に入り込むという問題も生じていました。そのような理由もあり、地元住民の間で再開発の機運が一気に高まった時、それまで中心となって再開発に係わってきた大手デベロッパーが手を引くことになり、当社が再開発を引き継ぐことになったのです。

このような形で開発に至った表参道ヒルズは、商業施設としての「本館」と「西館」、同潤会青山アパートを復元した「同潤館」、住宅エリアの「ゼルコバテラス」で構成されています。同潤会青山アパートの所有者の方々には、それぞれのライフプランに合わせて、住宅、店舗運営ができる西館、ギャラリーや物販店として使用できる同潤館等から区画調整を協議しました。他に本館については、所有者の方々が共同で信託会社を設立、森ビルが運営を受託して収益を配当するスキームとなっています。

再開発事業における企業の役割として大事なことは、あくまで中立の立場で関係者の意見調整を行っていくことだと思います。再開発というのは、地元住民の意思が固まらない限り、デベロッパー主導で進められるものではありません。また、企業の提案に耳を傾けてもらうためには、事業内容に関する不明点に丁寧にお答えしたり、客観的な数字を示すといった地道なやりとりの中で信頼関係を作っていくしかないと感じています。

表参道ヒルズ

"表参道発"のこだわりを商業施設のMDで表現する

表参道ヒルズの中核となる商業施設のコンセプトは、「大人の街」です。表参道は従来から大人のテイストが強い街で、現在のGAPの場所にあったセン トラルアパートでは、カメラマンやデザイナーなど数多くのクリエーターたちが事務所を構え、最先端の文化と流行を発信し続けてきた経緯もあります。そう いった大人の商業文化を継承し、ファッション感度の高い大人の男女に向けて提案していこうというのが狙いです。

このようなコンセプ トでテナントを募集したところ、国内外から問い合わせが約1,000件、申し込みが約500件ありました。最終的に93店舗に調整。うち半数が日本初出 店、あるいは既存店の新業態での出店です。また、表参道ヒルズ店を旗艦店とする店舗も半数にのぼります。

テナント誘致の一貫した考え方とし て、新しく生まれ変わる表参道から、日本初の商品やサービスを世界に向けて発信するという姿勢を持つお店と組んでいきたい、との想いがありました。既存の 商品やサービスをこれまで同様に提供するのではなく、もう一度新しいモノやコトを創造するというこだわりを持つことで、表参道ヒルズという館全体が魅力あ る施設になると考えるからです。表参道ヒルズを、拠点ビジネスの一環として捉えてほしくありません。新宿と渋谷に出店したから次は表参道、という発想では なく、表参道だからこそ表現できる売り場を提案していただきたいのです。

日本初進出となる海外ブランドに対しても同様です。彼らに とっても、高感度な街として認識されている表参道でのビジネスは大変魅力的なようですが、誘致の際には表参道ヒルズのコンセプトに加え、表参道という街の 歴史的背景も説明するようにしています。そうすることで街の魅力を再認識し、表参道で何ができるかを改めて考え直していただくためです。

一 例を挙げれば、「ケアーズ」という国内のアンティークレディースウォッチ専門店などは、表参道で何をお客さまに伝えたいのかを、しっかりとご提案していた だいたお店の一つです。表参道が生まれた1920年からのアンティーク時計を揃えて、その時代からの時計の歴史を伝える。あるいは、自前で抱える職人がハ イレベルな修理のオーダーにも対応する。本格的な伝統的技術を表現できる点に、受け入れる側である私どもとしても大変魅力を感じました。

こ ういった店が小さな坪数で展開され、表参道の坂とほぼ同じ勾配のスパイラルスロープに沿って建ち並んでいるのが表参道ヒルズの特徴です。本来、地面の傾斜 は店舗設計にとって厄介な要素ですが、それを逆手に取りスロープをらせん状に重ねることで、路面店の雰囲気を演出しているのです。一見すると買い物しにく い構造かもしれませんが、エスカレータやエレベータを使い分けることで効率的に買い物を楽しんでいただくこともできる。そういった点もお客さまにお伝えで きるよう、今後はインフォメーション等のサービスにも力を入れていきたいと考えています。

文化や情報の発信地としての表参道をアピール

当社が他のデベロッパーと決定的に違うのは、再開発事業を街づくりの一環と考えていることです。これは、アークヒルズや六本木ヒルズなど当社がこれ までに手がけてきた案件すべてについて言えることですが、その土地の歴史や背景に合ったタウンマネジメントを行うという発想です。住人の方々を含めテナン トや当社スタッフから構成された自治会を組織し、夏には盆踊り大会や、日々街の清掃や警備を交代で行っていく。このような取り組みには当然、それなりの手 間とコストがかかるのですが、当社のメリットにどうつながるかということよりも、これが森ビルの姿勢なのです。それを評価していただけるようになれば、森 ビルのブランド向上にもつながるのではと考えています。

私どもでは表参道ヒルズを、単なるショッピングセンターではなく、さまざまなメッ セージを発信していく「メディア・シップ」と位置づけています。モノを売るだけでなく、アートやカルチャーのイベントを開催したり、出店テナントに限らず 企業プロモーションに使っていただくことで、文化や流行を発信していきたいと考えています。

例えば、外壁のアートウォールは多様な アート表現が可能です。オープニング時には、ここでジュリアン・オピー作の映像「歩く人」を流しました。表参道という街が伝統的にアーティストを応援して きたように、私どもとしてもクリエーターの方々に自己表現の場を提供し、世界に羽ばたく足がかりにしていただければと思っています。他にも、本館の吹き抜 け空間を使って、米国の有名ブランド 「ハリー・ウィンストン」のファッションショーや、資生堂さんの新シャンプー「椿」のプロモーションイベントを実施したりしました。現在はキヤノンさんの デジカメのプロモーションで、中田英寿選手のタペストリー一色です。

このように、表参道ヒルズがメディア・シップとなって情報発信することで、日本が誇る表参道という街を世界に紹介し、ひいては街づくりに貢献していきたいと考えています。

表参道ヒルズ 全景

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上記内容は オフィスジャパン誌 2006年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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