梅田エリア
近年、大阪のオフィス供給は梅田エリアを中心に行われている。そのため、2009年以降、梅田の稼働面積は20%程度増加しており、多くのテナントが梅田に事業所を構えたことが分かる。最も増加した業種は、製造業、次いで金融・保険業となっている。オフィスビルの機能性を重視する電機関連や情報関連の大手企業が、他エリアから新たに梅田に移転してきているケースや、金融機関が同業種の集積度の高い淀屋橋エリアでなく梅田を選択するケースも目立った。
所在している主な企業
NTTドコモ、ダイキン工業、アストラゼネカ、 三菱商事、リクルート、東芝、伊藤忠商事
堂島エリア
堂島エリアは、大阪の主要オフィスエリアの中で唯一、2009年比で稼働面積が減少した。もともと大阪において「大阪」駅に近い伝統的なオフィスエリアとして企業集積度の高いエリアだが、全体的にやや古いビルが多く、最近では隣接する梅田エリアやハイスペックビルの多い中之島エリアにテナントが流出するケースが多くみられる。主に製造業の流出が目立った。
所在している主な企業
サントリー、電通、東洋紡
中之島エリア
中之島エリアも梅田エリアとともに近年新規供給が相次いだ。そのため、2009年以降の稼働面積は10%程度増加している。同エリアはもともと大型でハイスペックなオフィスビルが多いために、情報通信関連の企業集積が高くなっており、この傾向は継続している。電機や通信関連の大手企業が、他エリアから中之島へ移転して来るケースがみられた。
所在している主な企業
関西電力、ケイ・オプティコム、東レ、大林組、日立製作所、朝日新聞社、三井物産
淀屋橋エリア
淀屋橋エリアは、大阪の金融機関の集積地であり、エリア内の主要ビル全体の約30%を金融機関が占めている。2009年比でエリア内に入居するテナントの業種構成に大きな変化はみられなかった。大阪の主要オフィスエリアの中で常に空室率の低いエリアであるため、企業が入居を検討するにも慢性的に受け皿不足が続いている状況となっている。
所在している主な企業
大阪ガス、野村證券、武田薬品工業、日本生命、三井住友銀行、住友商事
本町エリア
本町エリアは、大阪の主要オフィスエリアの中で、梅田エリアに次いで2009年比の稼働面積が増加した。新規供給によって、機能性や耐震性を重視する企業がエリア内外から集約して同エリアに流入した。隣接する淀屋橋エリアに移転の受け皿が不足していることもあって、金融機関がまとまった面積を確保する動きが目立った。
所在している主な企業
竹中工務店、損保ジャパン日本興亜、日本年金機構、岩谷産業、ユニチカ
新大阪エリア
交通の要衝として広域拠点性が高い新大阪エリア。機能性の高い大型ビルが多いという特徴を持ち、全国展開する製造業の集積度が高い。2009年比でテナントの構成比に大きな変化はみられないものの、運輸関連のテナントの新規流入が相次いだ。
所在している主な企業
西日本旅客鉄道、日清食品、東海旅客鉄道、キーエンス