例えば、移転を決め物件探しに奔走している時、また、実際に賃貸借契約を結ぶに当たって、さらには現在入居中のオフィスの管理・運営でも、「あれ?」「こんなはずでは...」と感じることが、今、増えていないだろうか?オフィス賃貸借を取り巻くマーケットや法律、そしてプレーヤーの資源やスタンスも大きく変貌を遂げる中、これまでの常識がまったく通用しない、思いもよらないトラブルの顕在化してきている。今号の特別企画では、いまどきの移転トラブルを7つの事例で紹介。その回避のためには、いったいなにが必要なのかの"勘所"を、馴染みある格言とともに解説してみたい。
トラブル回避の勘所 石橋は叩けるだけ叩いて渡る
あたりまえと思う油断が落とし穴。
今は、「交渉相手は本当にオーナーなのか」さえ、
確認すべき項目に。
移転計画のスタートから、オフィス探し、契約、引越と、移転を進めていく上で存在する数限りない確認事項。特に、市場やオフィス環境、設備の変化が著しい昨今、その項目は専門的かつ増加傾向にあるといえるでしょう。場面毎にチェックリストなどが用いられてますが、トラブルの元は確認のし忘れより、むしろ勘違いや思い込みにこそ潜んでいるもの。先入観や油断は排除し、一つひとつポイントを潰していくことが重要になります。
他にも移転時の確認には数々の盲点が
- 住所が違う...
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リニューアルによりビルの出入口が別の通りに。住所変更に気が付かず契約し、入居後、印刷物を刷新したところで郵便局から間違いを指摘される。
- 引越しの搬入で...
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OAフロア化のリニューアルで、パンフレット記載により天井が低くなっており、持ってきたキャビネットが入らない。什器に関しては、その他、エレベーターに入らない、仕上がったパーテションを分解しないと入らないなど「入らないトラブル」は多い。
- 空調は?
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エアコンの音がややうるさいオフィス。テナント内見時には停まっており、知らずに入居し騒音に悩ませることに。
- 周辺環境が...
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1階のショールーム開設で、移転と同時に前の工事が始まり、視認性が著しく低下。地下鉄延伸の計画があり、事前に予想できたはずだった。