広島:新築ビル竣工の影響で空室率が上昇。
岡山:引き続き前向きな需要が堅調。
成約賃料は最高値を更新
シービーアールイー㈱の調査による、2025年3月期の広島市内中心部の空室率は5.0%と、対前期(2024年12月期) 比1.7ポイント上昇した。これは、「明治安田広島ビル」「大同生命広島ビル」の竣工に伴う、空室率の上昇である。2023年、2024年と新規供給がない中でも、前向きな移転需要が増加していたため、空室消化は好調だった。しかし、前述の2棟の新築ビルが、空室を抱えて竣工したことにより、一時的に空室率が上昇した。ただし、2棟とも多くの引き合いがあること から、空室率は早々に低下していく見込みである。
想定成約賃料は、前期から0.2%上昇の11,980円/坪となり、前期に続き最高値の更新となった。昨年満室となった「広島JPビルディング」や、新規供給ビルの成約、内定が増えていることが、賃料相場の上昇に影響していると思われる。
現在、広島市内ではエリアを問わず、多くの開発が進んでいる。JR広島駅北口近くの二葉の里地区では、10階建、ワンフロア700坪を超える「d_ll HIROSHIMA(ディールヒロシマ)」が計画されている。空室の少ないJR広島駅エリアに、新たな選択肢が生まれる。今年3月には、JR広島駅ビル商業施設「ミナモア」がオープンした。広島初や西日本初の店舗が多く出店しており、JR広島駅側にも多くのニーズが期待できそうである。
一方、市内中心部で、2027年に竣工する複合ビル(商工会議所、オフィス、ホテル)も工事が着々と進んでおり、高い注目を集めている。オフィススペースは、市内最大規模の約6,700坪、基準階のワンフロアは約529坪。1階と6階には、オープンスペースも整備される。2027年4月の開業が待ち遠しい。
企業は検討幅を広げる工夫が必要
岡山市では、精密機械関連企業の立地改善や人材派遣業の新規開設、医療関連企業の新規開設など、今期も引き続き、前向きな動きが目立った。
JR岡山駅前に限らず、マーケット全体を見ても、築浅かつハイグレードでまとまった面積の空室の確保は、ますます難しくなっている。そのため、立地や築年数、区画の取り方のみならず、対象エリアを広げるなど、引き続きテナント企業は、検討の幅を広げる工夫が求められている。
広島支店 名越 正幸 / 西浦 央
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