シービーアールイー株式会社
金沢営業所 アドバイザリー&トランザクション
ディレクター 梶川 真弥

令和6年能登半島地震のお見舞い
このたび石川県能登地方を震源とする地震により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。 また、被災地域の一日も早い復興を心より祈念申し上げます。
北陸三県のオフィス立地はどう変わる?
2024年3月、北陸新幹線金沢~敦賀間が開通しました。2015年の金沢駅開業で東京~金沢間は約2時間30分、東京~富山間は約2時間10分へと大幅に短縮され、今回の延伸により東京~福井間は約3時間と北陸三県すべてが東京まで乗り換えなくアクセスできるようになりました。金沢は東京、大阪、名古屋などいずれの大都市圏にも近い立地にあることから、2015年以降、日本海側の新たな営業拠点としての需要が堅調です。今回の新幹線延伸で、金沢~福井間が23分(最速)となり、すでに金沢~富山間が18分(最速)であることからも北陸三県におけるビジネスの利便性は向上しています。
北陸三県のオフィス立地の傾向を概観すると、金沢駅西口には築浅のオフィスビルが多いことから、営業車を減らしてでも郊外から駅前へ移転する流れができつつあります。今年1月、当社も業務拡大のため、金沢営業所を金沢駅に近い新築オフィスへ移転いたしました。
富山市では公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを進めてきた歴史もあり、富山駅北口は富山経済の中核企業が集積するオフィス街が形成されています。LRT*1がJRに乗り入れるなど使い勝手もよく、市民の足としてかなり浸透しているようです。
福井駅前では今春、一部先行開業した「FUKUMACHI BLOCK」など3つの再開発事業が進んでいます。福井コンピュータホールディングスは採用強化やウェルビーイング経営を意識して、駅前への本社機能の一部移転を決意されたとのことですが、このような動きが続くのか注目されるところです。また、福井市には旧耐震のビルが多いことから、今後、機能更新による移転の動きも予想されます。
*1:Light Rail Transit(次世代型路面電車)
観光需要が生む新たな流れ
北陸には美しい自然や歴史的な名勝、伝統文化、温泉、そして豊かな食文化など観光資源に恵まれており、昨年のコロナ5類移行後、国内外からの観光客でより一層にぎわっています。
2020年には、金沢の新たな海の玄関口として「金沢港クルーズターミナル」がオープンしました。大型クルーズ客船誘致のため、横浜港や神戸港と連携協定を結び、富裕層を中心としたインバウンドを呼び込む拠点となっています。
新たな人の流れを見込んで、ラグジュアリーブランドや感度の高いショップが進出し、郊外ショッピングモールとの差別化がされつつあります。また、金沢駅東口の一等地には、2017年に惜しまれつつ閉館した金沢都ホテル跡地があり、今後の動向に注目が集まっています。
未成熟ではあるものの、北陸の三大都市圏に近いという立地特性は今後、物流マーケットとしても期待できるものです。
このように新幹線延伸を機に、不動産マーケットにも好影響が出始めているのではないでしょうか。
