日本一の繁華街「銀座」に、再開発の波が押し寄せている。現在の銀座の姿は、東京オリンピック前後の建設ラッシュと高度成長期につくり上げられたもの。以降40年近く、銀座は大々的な開発の手が入ることなく過ごしてきた。
もちろん街は変化している。決して「老舗の街」として変化を拒んできたわけではない。むしろ常に時代を先取りし、変化を受け入れるのが銀座スタイル。近年でも、金融再編による1階金融店舗の撤退や海外ブランドの出店ラッシュと、その時々に変貌を遂げてきた。
ただ、昨今の波がこれまでと違うのは、街の外からの資本による再開発が、建物を刷新させるということ。これまで経験したことのないこの事態を、銀座ははたして、どのように受け止めるのだろうか。
今号からの新シリーズ企画「店舗マーケット情報」。その第1回目は、銀座の開発事情にスポットを当てる。再開発の担い手は、出店を目論むブランドは、そしてそれを受け入れる地元はいったい何を思うのか。様々な視点から紹介しよう。
最近の開発案件(既存) | ||||
---|---|---|---|---|
1 | 銀座並木通りビル | |||
所在地 | 銀座2丁目 | キーテナント | アフタヌーンティー | |
規模 面積 |
地下2階、地上10階建 8,869㎡ |
竣工・ オープン |
平成14年8月 | |
2 | 交詢ビルディング | |||
所在地 | 銀座6丁目 | キーテナント | バーニーズニューヨーク | |
規模 面積 |
地下2階、地上10階建 6,653㎡ |
竣工・ オープン |
平成16年10月 | |
3 | チアーズ銀座 | |||
所在地 | 銀座5丁目 | キーテナント | ガウディの舌、ChankoDining若 | |
規模 面積 |
地下1階、地上9階建 1,988㎡ |
竣工・ オープン |
平成17年3月 | |
4 | ZOE(ゾーエ)銀座 | |||
所在地 | 銀座3丁目 | キーテナント | マックスマーラ、レオナール | |
規模 面積 |
地下2階、地上9階建 8,678㎡ |
竣工・ オープン |
平成17年3月 |
銀座開発概要 | ||||
---|---|---|---|---|
5 | (仮称)Gプロジェクト | |||
富士写真フイルム所有地。アジア初出店となる「コンランレストラン(仮称)」など、約40店舗の出店を予定。 | ||||
所在地 | 銀座2丁目 | 竣工・オープン | 平成19年春 | |
規模 面積 |
地下2階、地上9階建 13,865㎡ |
建築主 | 三井不動産㈱ | |
6 | (仮称)銀座マロニエビル | |||
旧日野屋ビルディング | ||||
所在地 | 銀座2丁目 | 竣工・オープン | 平成19年春 | |
規模 面積 |
地下1階、地上10階建 4,459㎡ |
建築主 |
㈱日野屋ビルディング 開発:三菱地所㈱ |
|
7 | (仮称)銀座2丁目ビル | |||
大成建設の旧本社ビル。ヴェロックスグループの特定目的会社による開発事業。 | ||||
所在地 | 銀座2丁目 | 竣工・オープン | 平成19年春 | |
規模 面積 |
地下2階、地上11階建 3,997㎡ |
建築主 | 銀座マロニエ特定目的会社 | |
8 | (仮称)GM本館ビル | |||
所在地 | 銀座2丁目 | 竣工・オープン | 平成19年春 | |
規模 面積 |
地下1階、地上9階建 1,553㎡ |
建築主 | 銀二土地㈱ | |
9 | (仮称)読売銀座2丁目ビル | |||
三菱地所グループによるリーシングマネジメント業務及び竣工後のプロパティマネジメント業務の受託事業。 | ||||
所在地 | 銀座2丁目 | 竣工・オープン | 平成19年秋 | |
規模 面積 |
地下4階、地上12階建 19,705㎡ |
建築主 |
㈱読売新聞東京本社 開発:三菱地所㈱ |
|
10 | (仮称)和光並木ビル | |||
和光本館が全面改修されることにより、和光が仮移転する予定。 | ||||
所在地 | 銀座4丁目 | 竣工・オープン | 平成19年秋 | |
規模 面積 |
地下3階、地上10階建 6,169㎡ |
建築主 | セイコー㈱ | |
11 | (仮称)三共銀座プロジェクト | |||
詳細未定(未公表) | ||||
所在地 | 銀座2丁目 | 竣工・オープン | 平成19年秋 | |
規模 面積 |
地下1階、地上11階建 5,586㎡ |
建築主 | 三共㈱ | |
12 | 有楽町駅前第1地区第一種市街地開発事業 | |||
下層階に丸井出店が決定。高層棟と低層棟からなる複合開発。 | ||||
所在地 | 有楽町2丁目 | 竣工・オープン | 平成19年秋 | |
規模 面積 |
地下4階、地上21階建約 76,000㎡ |
建築主 |
有楽町駅前第1地区 第一種市街地開発組合 |
|
13 | 三越銀座店増築計画 | |||
銀座店南側の同社保有地(現在は駐車場と別館)に、現銀座店と同規模の店舗棟を増築する計画。 | ||||
所在地 | 銀座4丁目 | 竣工・オープン | 平成22年前後 | |
規模 面積 |
約24,000㎡(売場面積) | 建築主 | ㈱三越 | |
14 | 松坂屋銀座店建て替え計画 | |||
松坂屋と森ビルが共同出資、企画調査会社を設立。銀座6丁目約1万㎡が対象の再開発計画を地元商店街に提示。 | ||||
所在地 | 銀座6丁目 | 竣工・オープン | 未定 | |
規模 面積 |
未定 | 建築主 | - |
ブランド出店トピックス | ||||
---|---|---|---|---|
A | ユニクロ | |||
中央通り沿いの銀座ワシントンビルに、旗艦店として出店。 | ||||
所在地 | 銀座5丁目 | 出店時期 | 平成17年10月 | |
規模 | 1~5階 | 面積 | 約1,500㎡(売場面積) | |
B | ヴァレンティノ | |||
旗艦店として、並木通り沿いの新築ビル「ロイヤルクリスタルギンザ」に出店。国内25店舗目。イタリアの著名な建築家による内装。 | ||||
所在地 | 銀座5丁目 | 出店時期 | 平成17年12月 | |
規模 | 1~2階 | 面積 | 462㎡ | |
C | ミキモト | |||
本社ビルを建て替えし、中央通りの仮店舗より移転オープン。地下1階~地上6階がミキモトブティック。 | ||||
所在地 | 銀座2丁目 | 出店時期 | 平成17年12月 | |
規模 | 地下1階、地上9階建 | 面積 | 2,200㎡ | |
D | ドルチェ&ガッバーナ | |||
みゆき通りとソニー通りが交差する「きもののきしや」跡地の新築商業ビル「ニューギンザビル5」、地下1階~地上2階部分へ旗艦店として出店予定。 | ||||
所在地 | 銀座5丁目 | 出店時期 | 平成18年春 | |
規模 | 地下1階、地上2階建 | 面積 |
約600㎡(売場面積) |
|
E | グッチ | |||
晴海通り沿いの旧近鉄銀座ビルの所在地。近鉄子会社より取得後、土地をセイコーに売却。 | ||||
所在地 | 銀座4丁目 | 出店時期 | 平成18年11月初旬 | |
規模 | 地下1階、地上8階建 | 面積 | 3,283㎡(売場面積1,000㎡) | |
F | エルメス(増床) | |||
「メゾン・エルメス」直営店の他に、皮下工房、ギャラリー、ミュージアムを備え、エルメスという文化を発信する拠点として位置づける。 | ||||
所在地 | 銀座5丁目 | 出店時期 | 平成18年中 | |
規模 | 地下3階、地上11階建 | 面積 | 1,405㎡ | |
G | スウォッチグループ | |||
中央通り沿い。「オメガ」など傘下ブランドの主力店舗と本社機能を設ける。本国であるスイス以外に自社ビルを建設するのは日本が初めてとなる。 | ||||
所在地 | 銀座7丁目 | 出店時期 | 平成19年春 | |
規模 | 地下2階、地上14階建 | 面積 | 5,480㎡ | |
H | アルマーニ・グループ | |||
銀座5丁目の晴海通り沿いの旧みずほ銀行跡の不二越地所が建築するビルに入居予定。国内最大店舗となり、店舗出店と本社機能の移転を予定。 | ||||
所在地 | 銀座5丁目 | 出店時期 | 平成19年中 | |
規模 | 地下2階、地上12階建 | 面積 | 8,095㎡ |