共働き世帯の増加、高齢化、中食文化の台頭など、私たちの生活の変化にともない、冷凍冷蔵倉庫のニーズにも変化が生まれている。
一方で既存の大型冷凍冷蔵倉庫は老朽化が進んだ物件も多く、建て替え需要も発生しはじめている。こうした中、マルチテナント型やパレット貸しなど、より小さな床面積で柔軟に運用できる物件に注目が集まりつつある。
大手デベロッパーが参入を発表するなど、熱視線が注がれる冷凍冷蔵倉庫、そのマーケットの現状と課題、および将来性について、CBREバリュエーション・アドバイザリー&コンサルティング・サービス、シニアコンサルタントの平井貴が解説する。
1. 生活者の変化を背景に注目が高まっている冷凍冷蔵倉庫
冷凍冷蔵倉庫のマーケットについて考えるとき、やはり食にまつわるニーズの変化を見逃すことはできません。
近年、共働き世帯の増加や女性の社会進出、高齢化といった社会の変化にともない、冷凍食品や調理済食品(中食)の需要にさらなる高まりがみられるほか、新しいニーズとして「食品EC」や「ふるさと納税」も注目されています。
冷凍食品は調理の手間を省きながら多様なメニューを楽しめることから忙しい現代人にとってなくてはならないものですし、買い物に行くことが難しい高齢者や過疎地域に住む人々にとって食品ECはこれから生活を支える基盤とも言える存在になっていくでしょう。
また、多くの方が身近でお得な納税手段として利用しているふるさと納税でも、人気の中心は肉類や魚介類といった食品です。これらの商品は冷凍で配送されることが多いため、冷凍冷蔵倉庫の需要をさらに押し上げています。
一方で、令和4年度の経済産業省の調査〔図1〕によると、飲料・酒類を含む食品等のEC化率はわずか4.16%に留まっています。
今後、新しいニーズをつかもうと多くのEC事業者や小売り事業者などが食品ECに参入していくことで冷凍冷蔵倉庫の需要をさらに押し上げることが期待されるでしょう。
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