多様な形態がみられるフレキシブルオフィス
コロナ禍を契機として「働き方」が大きく変貌を遂げるなか、リモートワークなど場所を選ばないワークスタイルの受け皿として、フレキシブルオフィスがこれまで以上に注目を集めている。フレキシブルオフィスとは、大意では「賃貸借契約の締結を必ずしも必要とせず、主に施設利用契約に基づいて利用されるオフィス」である。一般オフィスとの大きな違いとして、契約期間の柔軟性が高いこと、什器や内装がすでに整備されているため、契約からすぐに入居が可能なことなどが挙げられる。
フレキシブルオフィスの形態には様々なバリエーションがある。一例として、場所のみの賃借ならば、月極、時間貸しの「レンタルオフィス」、そこに受付や電話取次といったサービスが付随すると「サービスオフィス」、デスクや会議室を共有するような機能があると「シェアオフィス」、そして、イベントやSNSなど利用者同士のコミュニケーションが促進される仕組みがあると「コワーキングオフィス」と呼ばれている。ただし、こうした呼称も統一されたものではない。また、実際には、時間貸しのレンタルオフィスにも共用のミーティングスペースを設けていたり、サービスオフィスに他社連携の促進を図るコミュニケーションスペースがあるなど、一つの拠点でも複数の形態に当てはまる要素を持っていることが多く、ネーミングだけでは内容をつかみきれないのが実情となっている。
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