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各都市の動向-JRMV2021年第4四半期

賃料相場(最新)

2022年3月10日

東京:銀座

ハイストリート空室率が0.9ポイント下落

今期(Q4)、ハイストリート空室率は対前期比0.9ポイント下落の4.3%となった。ラグジュアリーブランドなどの需要が空室率を押し下げた。

銀座ハイストリート賃料は、対前期比横ばいの24.15万円となった。今後、賃料は2022年Q2にかけて今期の賃料で底ばいし、2022年Q3には0.6%上昇すると予測。向こう2年間では2.5%上昇と、コロナ前の2019年Q4に比べて4.1%減の水準まで回復すると予測する。銀座ハイストリートの中でも好立地にある募集物件では、複数のラグジュアリーブランドから強い引き合いがみられている。好立地の募集物件でテナントが内定すれば、中心地からやや離れたハイストリートの募集物件でも、リテーラーの引き合いが今よりも増えることが見込まれる。それによって、賃料が上昇に転じるとCBREでは予想している。

ハイストリートの中央通りにある新規開発物件では、数年先の竣工にも関わらず複数のラグジュアリーブランドから引き合いがみられている。引き合いの中には、銀座エリアに路面店舗がないブランドのほか、立地改善のために移転を検討しているブランドも含まれている。ハイストリートの中でも好立地にあることから、リテーラー同士が競合することで賃料が競り上がる可能性がある。このほかにも、銀座ハイストリートでは複数の新規開発が予定されており、いずれもラグジュアリーブランドが興味を示している。また、中央通りにある比較的面積の大きい募集物件では、銀座エリアに路面店舗がないラグジュアリーブランドの出店が内定した事例もあった。

ハイストリートの並木通りにある新規開発物件では、初の路面店舗を出店するリテーラーが契約した事例があった。国内の富裕層をターゲットに商品を販売できる立地と同ブランドではみている。並木通りにある別の募集物件では、コスト削減の移転ニーズがあったリテーラーが、面積縮小の上で出店を決めた事例があった。また、別のハイストリートにある比較的面積の大きい募集物件では、立地改善の移転ニーズがあるリテーラーの出店が決まった事例があった。

セカンダリーエリアにある募集物件では、銀座エリアに路面店舗がないリテーラーが申し込みを入れた事例があった。空室の長期化に伴い、オーナーは希望賃料の引き下げを検討していたものの、申し込み金額はリーシング開始当初の募集賃料とあまり変わらない水準だった。また、リーシングに苦戦していた別の募集物件でも、テナントが内定した事例があった。一方、リーシングにやや苦戦している新規開発物件では、区画を分割することで面積を減らし、リテーラーが支払う賃料総額を抑えることも検討している。

空室率

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
銀座 3.3% 5.7% 5.1% 5.2% 4.3%

出所:CBRE、Q4 2021

エリア通行者量の変化率

  Q4 2021 対前期比 Q4 2021対前年同期比
銀座 +33% -10%

出所:技研商事インターナショナル「KDDI Location Analyzer*」CBRE、Q4 2021
*auスマートフォンユーザーのうち個別同意を得たユーザーを対象に個人を特定できない処理を行って集計

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
銀座 247,000 243,000 243,000 241,500 241,500

出所:CBRE、Q4 2021

プライム賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
銀座 400,000 400,000 400,000 400,000 400,000

出所:CBRE、Q4 2021

東京:表参道 ・ 原宿

ラグジュアリーブランドによるポップアップストアの出店ニーズが増加

前期(Q3)に引き続き、ラグジュアリーブランドの強い出店ニーズがみられている。ハイストリートの表参道にある、インバウンドの消滅などで閉店した既存店舗には、後継テナントとして立ち退きによる移転ニーズがあったラグジュアリーブランドが内定した事例があった。同じく表参道の別の物件では、エリア内で2店舗目の出店を計画するラグジュアリーブランドからの強い引き合いがある。既存店舗が手狭になったことが主因。また、複数のラグジュアリーブランドからポップアップストアの出店ニーズがみられている。いずれも、テストマーケティングの実施などを検討している。

ハイストリートでは、ラグジュアリーブランド以外の出店ニーズもみられている。原宿寄りにある表参道の募集物件では、複数の引き合いの中からラグジュアリーブランドが内定した事例があった。賃料単価はコロナ前の水準となる。明治通りやみゆき通り至近の募集物件では、日本初出店の海外ブランドが内定した事例があった。また、青山通りの新規開発物件では、ショールームのニーズがあるリテーラーが申し込みを入れた事例もあった。一方、ハイストリートの明治通りに出店しているテナントの中には、売上不振などを理由とした閉店がみられている。今期の表参道・原宿ハイストリート賃料は、2期連続横ばいの17.38万円となった。

セカンダリーエリアの募集物件では、日本初出店の海外ブランドが内定した事例があった。また、別の募集物件では、複数の申し込みの中からコスメブランドが契約をした事例もあった。一方、日本においても陽性者数が再拡大していることを受けて出店計画の方針を転換したリテーラーがみられたほか、売上不振を背景に既存店舗の退店を希望するテナントもみられた。さらに、空室の長期化に伴い募集賃料を引き下げてはいるものの、リテーラーからの引き合いが弱い募集物件もみられている。

空室率

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
表参道・原宿 2.9% 5.4% 5.0% 4.8% 7.7%

出所:CBRE、Q4 2021

エリア通行者量の変化率

  Q4 2021 対前期比 Q4 2021対前年同期比
表参道・原宿 +20% -4%

出所:技研商事インターナショナル「KDDI Location Analyzer*」CBRE、Q4 2021
*auスマートフォンユーザーのうち個別同意を得たユーザーを対象に個人を特定できない処理を行って集計

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
表参道・原宿 177,700 177,700 173,800 173,800 173,800

出所:CBRE、Q4 2021

プライム賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
表参道・原宿 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000

出所:CBRE、Q4 2021

東京:新宿

新宿エリアに路面店舗がないブランドによる複数の出店ニーズ

ハイストリートにある複数の募集物件では、ラグジュアリーブランドやジュエリー、スポーツブランドなどの出店ニーズがみられている。その多くは、新宿エリアに路面店舗がないブランドとなる。リテーラーが提示する賃料水準は、募集賃料に比べてやや低いケースが多いものの、現在の相場水準並み。中には、歩合賃料を採り入れることで固定賃料を抑えたいリテーラーが複数みられている。一方、比較的面積が大きい募集物件では、リテーラーからの引き合いはあるものの、オーナーの希望賃料とリテーラーが考える賃料水準との間の乖離が大きい。また、ラグジュアリーブランドの出店エリア外では、リテーラーの出店ニーズが弱含んでいる。そのため、今期の新宿ハイストリート賃料は、対前期比1.2%下落の17.00万円となった。

セカンダリーエリアにある比較的大型の募集物件では、複数のスポーツブランドを扱うリテーラーの出店が内定した事例があった。賃料は、従前のテナントに比べて減額されている模様。一方、比較的大型の募集物件の中には、リテーラーの引き合いが弱くリーシングが長期化しつつあるところが複数ある。また、既存テナントとの再契約交渉において、オーナーが賃料を減額することで合意に至った事例もあった。そのほか、売上不振によって既存店舗の閉店を検討するテナントが、後継テナントを探そうとする動きもみられている。

空室率

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
新宿 1.0% 1.4% 3.7% 4.6% 5.8%

出所:CBRE、Q4 2021

エリア通行者量の変化率

  Q4 2021 対前期比 Q4 2021対前年同期比
新宿 +23% -9%

出所:技研商事インターナショナル「KDDI Location Analyzer*」CBRE、Q4 2021
*auスマートフォンユーザーのうち個別同意を得たユーザーを対象に個人を特定できない処理を行って集計

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
新宿 181,500 181,500 177,500 172,000 170,000

出所:CBRE、Q4 2021

プライム賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
新宿 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000

出所:CBRE、Q4 2021

東京:渋谷

比較的面積が大きい募集物件では引き合いが弱い

ハイストリートのセンター街にある募集物件では、ポップアップストアの出店ニーズがあったリテーラーが内定した事例があった。賃料は、既存のポップアップテナントの水準を一割弱上回っている。一方、ハイストリートの中でも比較的面積が大きく賃料総額が高額となる物件や、間口が狭くオペレーションが難しい物件では、リテーラーの引き合いは弱い。また、賃料コストの削減を考える既存テナントが、縮小移転を検討する事例もあった。渋谷エリアでは、カジュアルファッションブランドを中心に出店ニーズがみられている。立地や面積、賃料水準などの賃貸条件に合致する募集物件があれば、現在の市況でもニーズは顕在化することが予想される。そのため、今期の渋谷ハイストリート賃料は、対前期比横ばいの12.80万円となった。

セカンダリーエリアでは、売上不振を理由にカジュアルファッションブランドが退去した物件で、面積を分割することで2つの食物販店舗の入居が決定した事例があった。賃料水準は募集賃料と同額の模様。また、比較的大きな面積の募集物件では、オーナーが分割の対応に前向きな事例もあった。

空室率

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
渋谷 1.4% 2.7% 4.6% 2.9% 3.1%

出所:CBRE、Q4 2021

エリア通行者量の変化率

  Q3 2021 対前期比 Q3 2021対前年同期比
渋谷 +23% -5%

出所:技研商事インターナショナル「KDDI Location Analyzer*」CBRE、Q4 2021
*auスマートフォンユーザーのうち個別同意を得たユーザーを対象に個人を特定できない処理を行って集計

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
渋谷 139,000 135,000 127,700 126,800 126,800

出所:CBRE、Q4 2021

プライム賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
渋谷 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000

出所:CBRE、Q4 2021

Figure4:エリア別出店割合(路面店舗、件数) Figure 4: エリア別出店割合(路面店舗、件数)

Figure5: 業態別出店割合(路面店舗、件数) Figure 5: 業態別出店 割合(路面店舗、件数)

Figure 6 : 主な新規出店事例(東京)Q4 2021

テナント エリア 推定面積(坪) 施設名
ポール・スミス 銀座 90 銀座中央ビル
グラフ 銀座 120 ZOE銀座
ヴァシュロン・コンスタンタン 銀座 40 天賞堂ビル
バルミューダ 表参道・原宿 90 NHL南青山
ディプティック 表参道・原宿 40 ジャイル
フラッシュコーヒー 表参道・原宿 N/A 永和ビル
ハーニー&サンズ 表参道・原宿 140 杉山ビル
ウブロ 表参道・原宿 60 日本看護協会ビル
スタンダードプロダクツ 新宿 170 新宿アルタ
ディズニー 新宿 520 T&T Ⅲビル
ベータ 渋谷 70 小林ビル

出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q4 2021

Figure 7 : 今後の新規供給(東京)(延床面積1,000坪以上)

施設名 エリア 推定面積(坪) 事業主 オープン
(仮称)神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業 表参道・原宿 6,000 東急不動産など 2022年度
東急歌舞伎町タワー 新宿 26,500 東急、東急レクリエーション 2023年1月
(仮称)南青山三丁目計画 表参道・原宿 4,500 三菱地所 2023年2月
(仮称)渋谷区道玄坂二丁目開発計画 渋谷 12,700 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 2023年3月
青朋ビル建替計画 表参道・原宿 5,300 青朋ビル、独立行政法人都市再生機構 2024年2月
渋谷スクランブルスクエア(第 II 期) 渋谷 28,900 東急など 2028年3月

注:店舗以外の他用途を含むケースあり 出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q4 2021

関西:心斎橋

ハイストリートでは既存テナントによる増床や移転ニーズが増加

ハイストリートの御堂筋にある募集物件では、前期(Q3)に引き続きラグジュアリーブランドの堅調な出店ニーズがみられた。ただし、ラグジュアリーブランドの出店エリアにある募集物件は、限定的となっている。増床ニーズがあった高級時計ブランドは、既存店舗を拡張している。成約賃料は、募集賃料をやや下回っているが現在の相場並み。一方、御堂筋にある別の募集物件では、オーナーが希望する賃料水準を保つためにリーシング時期を遅らせる動きがあった。ハイストリートの心斎橋筋商店街にある募集物件では、カジュアルブランドがコストダウンを目的に近隣から移転した事例があった。また、心斎橋筋商店街の別の募集物件では、巣ごもり需要で業績を伸ばしたリテーラーの出店が決まった事例もあった。賃料は現在の相場水準となる。そのほか、高級時計を扱うリユースブランドの出店ニーズが増えており、新たな出店もみられている。

ハイストリートの心斎橋筋商店街では、比較的大きな面積の募集物件が複数あり、スポーツブランドやエンターテインメントなどの出店ニーズがみられている。ただし、強い引き合いがない物件の中には、分割対応を検討するところがある。また、心斎橋エリア内からの移転ニーズが複数みられるものの、その多くは立地や面積、賃料水準などの賃貸条件には慎重な姿勢をみせている。固定費の減額を望むリテーラーが増えていることから、路面店舗でも歩合賃料の導入を検討する事例が増えつつある。

セカンダリーエリアのアメリカ村では、古着ブランドの新たな出店や、関西エリア初出店となるリユースブランドの出店などがみられている。賃料は、オーナーの希望賃料をやや下回るものの、従前のテナントと同水準となる。古着やリユース商品は、安価な価格帯や環境に優しいことなどが若年層から支持されている。既に集積がみられるエリアではさらなる出店が期待されるとともに、他のエリアへの拡大も考えられる。

空室率

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
心斎橋 6.5% 8.7% 8.7% 11.9% 12.7%

出所:CBRE、Q4 2021

エリア通行者量の変化率

  Q4 2021 対前期比 Q4 2021対前年同期比
心斎橋 +24% -7%

出所:技研商事インターナショナル「KDDI Location Analyzer*」CBRE、Q4 2021
*auスマートフォンユーザーのうち個別同意を得たユーザーを対象に個人を特定できない処理を行って集計

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
心斎橋 141,100 141,100 138,100 141,000 141,000

出所:CBRE、Q4 2021

プライム賃料 (円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
心斎橋 250,000 250,000 250,000 250,000 250,000

出所:CBRE、Q4 2021

関西:梅田

出店ニーズは複数あるも、ハイストリートへの出店の動きは限定的

梅田エリアのハイストリートでは、リテーラーの出店ニーズは複数みられたものの、実際の出店は限定的だった。理由として、梅田ハイストリートは路面店舗の区画がもとより少ないことに加え、出店ニーズの高い立地や物件では空きが少ないことが挙げられる。そのため、当初の計画を変更してセカンダリーエリアや他エリアに出店を決めたリテーラーが一部でみられた。また、出店ニーズのあるリテーラーの賃料水準は相場をやや下回っており、今期の梅田ハイストリート賃料は、対前期比1.1%下落の9.4万円となった。2021年10月には、「阪神百貨店梅田本店」の2期棟が先行オープン。館内には、 SNSなどのデジタルツールを活用した、オンラインとオフライン両方のイベントを開催できる体験スペースが多く設けられている。

セカンダリーエリアの茶屋町の募集物件では、若年層をターゲットにした来店型サービス店舗の出店が内定した。同じく、若年層をターゲットにしたブランドの出店が決まった事例もあった。いずれも梅田エリア初出店となる。上層階では、引き続き美容クリニックやエステ、美容室などの引き合いが強く、実際の出店も散見されている。賃料相場は、コロナ禍前と同水準ないしはやや高い水準が含まれている。一方、大阪駅以南のセカンダリーエリアでは、駅から離れた立地や募集面積が比較的大きい物件を中心にリーシングに苦戦している。

阪急阪神ホールディングスが、阪急梅田駅周辺の大規模開発の計画を発表した。「大阪新阪急ホテル」「阪急三番街」「阪急ターミナルビル」の3施設の建て替えを検討しており、2030年以降の開業を目指す模様。

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
梅田 130,000 127,000 113,500 95,000 94,000

出所:CBRE、Q4 2021

プライム賃料 (円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
梅田 200,000 200,000 165,000 140,000 140,000

出所:CBRE、Q4 2021

関西:京都

ハイストリートではリテーラーの引き合いが多く集まる

ハイストリートの四条通にある募集物件では、ラグジュアリーブランドの引き合いがみられている。近隣の観光エリアからの移転となる。空室が長期化しつつあることから、オーナーは募集区画を分割して賃料総額を抑えるなど、リテーラーの希望条件に対して柔軟な対応をおこなっている模様。同じく四条通りにある別の募集物件では、ファッション小物を扱うブランドが、売上好調を背景にエリア内で2店舗目となる出店を検討している事例があった。ハイストリートを中心に、リテーラーの引き合いは前期に引き続き増えつつある。ただし、インバウンド向けの店舗が集積する一部のエリアで賃料が弱含んでいることから、今期の京都のハイストリート賃料は対前期比1.5%下落の6.45万円となった。

セカンダリーエリアの烏丸通では、比較的面積の大きい募集物件にドラッグストアの出店が決まった事例があった。周辺にはマンションなどの住居が多く、近隣住民をターゲットにした出店となる。ただし、成約賃料は募集賃料を下回っている模様。また、三条通に近い烏丸通では、アパレルブランドの出店があった。従前も同エリアに店舗を構えていたものの、物件の建て替えによって閉店したため、今回は再出店となる。

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
京都 70,500 68,000 66,500 65,500 64,500

出所:CBRE、Q4 2021

プライム賃料 (円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
京都 95,000 90,000 90,000 90,000 90,000

出所:CBRE、Q4 2021

関西:神戸

旧居留地には複数の出店ニーズが集まる

旧居留地のハイストリートにある募集物件では、ラグジュアリーブランドの出店が内定した事例があった。エリア内での立地改善の移転となる。旧居留地では他にも出店を検討しているリテーラーが複数みられている。こうした出店ニーズを背景に、今期の神戸ハイストリート賃料は対前期比1.4%上昇の7.2万円となった。ハイストリートの三宮駅近くの新規開発物件では、デジタル通信機器販売の出店が決まった事例があった。駅に近く人通りの多い好立地となる。本物件では、上層階でもアパレル、美容クリニック、エステやリユースなど、複数のリテーラーからの引き合いがあった。一方、ハイストリートの中でも駅から離れた募集物件では、リーシングに苦戦しているところがある。募集賃料が相場よりやや高いことや、面積が比較的大きいことなどがネックになっている。

旧居留地のセカンダリーエリアでは、今期複数の出店がみられた。西国街道では高級時計ブランド、浪花町筋沿いでは高級時計を扱うリテーラー、京町筋沿いではアパレルブランドが、それぞれ出店している。いずれも神戸エリアでは初の路面店舗となる。一方、三宮中央通りにある複数の新規開発物件では、やや駅から離れた立地のため、リテーラーの引き合いは弱い。

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
神戸 79,000 78,500 74,000 71,000 72,000

出所:CBRE、Q4 2020

プライム賃料 (円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
神戸 100,000 100,000 100,000 120,000 120,000

出所:CBRE、Q4 2020

名古屋:栄

ハイストリートの開発物件にリテーラーの出店ニーズが集まる

ハイストリートの広小路通にある新規開発物件では、複数のファッションブランドから出店ニーズがみられている。栄エリアに路面店舗がないリテーラーや、面積縮小により賃料のコストダウンを図りたいリテーラーの移転ニーズが含まれている。想定賃料がオーナーの希望水準を大きく下回るリテーラーもみられており、テナントの決定にはやや時間を要する可能性がある。そのほか、大津通などハイストリートの中でも好立地となるエリアでは、ラグジュアリーブランドのポップアップストアや高級時計、ファッションブランドなどの出店ニーズがみられている。ただし、条件に合う募集区画がないことなどから、実際の出店にはしばらく時間が掛かりそうだ。一方、ハイストリートの中心地から少し離れた募集物件では、空室の長期化に伴い賃料水準を引き下げたものの、リーシングに苦戦しているところが一部でみられている。

セカンダリーエリアの募集物件では、巣ごもり需要で業績を伸ばしたリテーラーやファッションブランド、食物販の出店が内定した事例があった。内定した食物販の中には、100坪程度の比較的大きな面積で出店する事例が含まれている。また、居抜きなど出店に要する初期投資費用が低く抑えられることで、リテーラーの意思決定が後押しされる事例がみられている。

空室率

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

出所:CBRE、Q4 2021

エリア通行者量の変化率

  Q3 2021 対前期比 Q3 2021対前年同期比
+17% -9%

出所:技研商事インターナショナル「KDDI Location Analyzer*」CBRE、Q4 2021
*auスマートフォンユーザーのうち個別同意を得たユーザーを対象に個人を特定できない処理を行って集計

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
71,500 71,500 70,500 70,500 70,500

出所:CBRE、Q4 2021

プライム賃料 (円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
100,000 100,000 100,000 100,000 100,000

出所:CBRE、Q4 2021

Figure 8 : 主な新規出店事例(大阪・名古屋)Q4 2021

テナント エリア 推定面積(坪) 施設名
レイバン 梅田 20 グランフロント大阪
オーディオユニオン 梅田 60 ブリーゼブリーゼ
カミーユ・フォルネ 心斎橋 20 G-Terrace心斎橋
果実ノ華 心斎橋 20 西井ビル
グラフ 心斎橋 N/A 日本生命御堂筋八幡町ビル
デリカキッチン 60 久屋パークビル
グローバルスタイル N/A 三菱UFJ銀行名古屋ビル

出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q4 2021

Figure 9 : 今後の新規供給(大阪・名古屋)(延床面積1,000坪以上)

施設名 エリア 推定面積(坪) 事業主 オープン
(仮称)「丸栄」跡地 1,400 興和 2022年3月
中日ビル 2,300 中日新聞社、中部日本ビルディング 2024年春
(仮称)梅田3丁目計画 梅田 4,800 日本郵便、西日本旅客鉄道など 2024年3月
(仮称)うめきた2期地区開発事業 梅田 6,500 オリックス不動産、阪急電鉄、三菱地所など 2024年8月
大阪駅新駅ビル(仮称) 梅田 17,800 大阪ターミナルビルなど 2024年秋

注:店舗以外の他用途を含むケースあり *百貨店部分全体から、I期に開業する面積を除く
出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、 Q4 2021

福岡:天神

出退店の動きは限定的、賃料は横ばい

ハイストリートの天神西通りでは、高級時計ブランドの出店がみられた。セカンダリーエリアからの立地改善の移転となる。天神西通りにある募集物件では、海外アパレルブランドと高級時計ブランドがそれぞれ出店を検討する事例があった。ただし、本国の承認が下りず、いずれも出店を取り止めている。同じく天神西通りにある別の募集物件では、引き合いが弱く空室が長期化している。天神の出店ニーズはコロナ禍前に比べて数が減っているにも拘わらず、募集賃料を下げる動きはみられない。そのため、今期の天神のハイストリート賃料は対前期比横ばいの4.65万円となった。

セカンダリーエリアの国体道路の募集物件では、アウトドア・スポーツブランドがポップアップの出店を決めた事例があった。空室が長期化していたことから、常設テナントが決まるまでの短期的な措置のようだ。同じく国体通りにある別の募集物件でも、アウトドア・スポーツブランドが内定した事例があった。募集区画を分割した上で賃料単価を下げるなど、オーナーが賃貸条件に対して柔軟に対応した。

空室率

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
天神 1.6% 1.9% 3.6% 2.3% 3.6%

出所:CBRE、Q4 2021

エリア通行者量の変化率

  Q4 2021 対前期比 Q4 2021対前年同期比
銀座 +14% -18%

出所:技研商事インターナショナル「KDDI Location Analyzer*」CBRE、Q4 2021
*auスマートフォンユーザーのうち個別同意を得たユーザーを対象に個人を特定できない処理を行って集計

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
天神 51,500 49,500 47,500 46,500 46,500

出所:CBRE、Q4 2020

プライム賃料 (円/坪)

  Q4 2020 Q1 2021 Q2 2021 Q3 2021 Q4 2021
天神 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000

出所:CBRE、Q4 2020

調査概要
調査対象 空室率
・CBREが独自に設定した対象地
 銀座ハイストリート(161棟)、表参道・原宿ハイストリート(243棟)新宿ハイストリート(63棟)、
 渋谷ハイストリート(65棟)、心心斎橋ハイストリート(166棟)、栄ハイストリート(53棟)
・対象フロアは店舗ニーズの高い1階に限定
プライム賃料/銀座ハイストリート賃料
・CBREが独自に設定した対象地
・ワンフロアの面積が200㎡程度の建物を想定
・対象フロアは店舗ニーズの高い1階に限定
調査時点 四半期 (第1四半期)3月末(第2四半期)6月末(第3四半期)9月末(第4四半期)12月末 時点集計
調査方法 空室率
・空室は集計時点で即入居可能であるものを対象(新築施設は竣工済みのものが対象)
プライム賃料
・対象地のサンプル調査に基づく想定成約賃料の上限値 (共益費を含み、フリーレント等のインセンティブは考慮しない)
・主要都市における、都心商業立地の中の一等地(の賃料)
銀座ハイストリートの賃料
・対象地のサンプル調査に基づく想定成約賃料の上限と下限の平均値
 (共益費を含み、フリーレント等のインセンティブは考慮しない)

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