貸店舗・賃貸店舗の記事

関西 - JRMV2019年第1四半期

賃料相場

2019年5月22日

心斎橋

一部のドラッグストアが出店計画をとりやめ

今期の出店ニーズを牽引したのは、高級時計、ドラッグストアなど。 ハイストリートとなる御堂筋にある募集物件では、高級時計を含む 複数の申し込みの中から、募集賃料の水準を上回る金額で後継テナントが内定した事例があった。また、業績不振による撤退とみられる物件でも、相場を超える賃料で高級時計の出店が内定した 事例があった。道頓堀周辺の好立地にある募集物件では、視認性のよさや歩行者量の多さから複数の引き合いが集まっている。

ドラッグストアの出店ニーズはまだら模様だ。心斎橋筋商店街を中心に、賃料総額が高額となる大型物件ではインバウンド需要の取り込みを狙うチェーンの申し込み事例は引き続きみられている。販売効率がよいこと、間口が広く存在感を示すことができることから、ドラッグストアのニーズは歩行者量の多い一等地の大型店舗に集中している。一方で、インバウンド需要を牽引していた中国人の消費嗜好の変化により、入居がやや先となる新規開発物件への出店を検討していたドラッグストアが、検討をとりやめた事例も数件あった。

今期、心斎橋ハイストリートの空室率は対前期比1.4ポイント上昇 の1.5%となった。リニューアルのため貸し止めをしていた物件が、募集を再開したことが主因。

今期のプライム賃料は11期連続横ばいの30万円/坪。心斎橋エ リアでは、2016年頃からドラッグストアが相場を押し上げるケースが 散見されてきた。しかし、ドラッグストアの出店戦略に変化がみられ はじめており、今後は相場の調整も考えられる。

空室率

  Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 Q4 2018 Q1 2019
心斎橋 1.8% 1.9% 0.9% 0.1% 1.5%

出所:CBRE、Q1 2019

プライム賃料 (円/坪)

  Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 Q4 2018 Q1 2019
心斎橋 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000

出所:CBRE、Q1 2019

梅田

店舗区画にシェアオフィスの入居が内定

今期の出店ニーズを牽引したのは、カジュアルブランド、フィットネス、食物販、サービスオフィスなど。茶屋町エリアにある好立地の路面店舗では、若者に人気の高いカジュアルブランドがオープンした事例があった。また同エリアの新規開発計画では、多くのリテーラーから引き合いが集まっている。既存路面店舗の空室が少ないことを背景に、比較的面積の小さい1階の募集物件では相場を超える賃料で申し込みが入っている。なお、既存物件の上層階では、フィットネスやクリニックなどのサービス系店舗のニーズが多く、相場を超える賃料で申し込みを入れる、または再契約をする事例が散見されている。背景として、ターミナル立地である利便性の高さと、昨今の健康志向の高まりがありそうだ。

梅田エリア全体でオフィスの空室が少ないことから、前期に引き続き店舗区画にシェアオフィスの入居が内定した事例があった。また、駅からやや距離があるため、物販店舗のリーシングに苦戦をしている商業施設では、上層階のフロア全体をシェアオフィスとすることも検討している。今期より公表を開始した梅田のプライム賃料は30万円/坪で、14期連続の横ばいとなった。

うめきた2期再開発エリアでは、JR新駅の工事が着々と進んでいる。計画概要が発表されたことで、リテーラーの注目を集めはじめた。JR大阪駅桜橋口の改修工事や西梅田再開発と共に、新たな人の流れを作ることが予測される。今後のエリア再開発計画に注目が集まる。

プライム賃料 (円/坪)

  Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 Q4 2018 Q1 2019
梅田 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000

出所:CBRE、Q1 2019

京都

強気の賃料設定をおこなうオーナーが散見

京都の四条エリアでは、定期借家契約の満了に伴う再契約交渉、または新たなテナントの募集物件が複数あった。いずれもハイストリートの四条通だ。旺盛な出店ニーズに対して空室が少ないマーケット環境を背景に、オーナーは現行賃料からの増額を希望してい る。中には、現行賃料の1.7倍を超える賃料提示に対して、オーナーの希望賃料で再契約を検討するリテーラーがみられている。ただし、アパレル業態などの賃料目線はオーナーの希望賃料水準に届いておらず、既存店舗で続けたいものの撤退せざるを得ないテナントも複数みられている。今期より公表を開始した京都のプライム 賃料は12万円/坪で、8期連続の横ばいとなった。

プライム賃料 (円/坪)

  Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 Q4 2018 Q1 2019
京都 120,000 120,000 120,000 120,000 120,000

出所:CBRE、Q1 2019

神戸

やや立地が劣る募集物件にも複数のテナントの引き合い

神戸の三宮エリアでは、既にエリア内に路面店舗を出店しているテナントが、立地改善や拡張移転を検討する事例が複数みられた。センター街の好立地では、業績不振による退店とみられる事例があったものの、後継テナントは複数の引き合いの中から時間を掛けずに内定した。空室が長期化していた、居留地内のやや立地が劣る募集物件でも、テナントの引き合いが出はじめている。ただし、比較的面積が大きく賃料総額が高額となる募集物件は、リテーラーの引き合いが弱い。今期より公表を開始した神戸のプライム賃料は13万円/坪で、7期連続の横ばいとなった。三宮駅前再開発など複数の再開発計画が進んでおり、今後の動向に注目が集まる。

プライム賃料 (円/坪)

  Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 Q4 2018 Q1 2019
神戸 130,000 130,000 130,000 130,000 130,000

出所:CBRE、Q1 2019

Figure 8 : 主な新規出店事例(大阪)Q1 2019

テナント エリア 推定面積(坪) 施設名
スギドラッグ 梅田 N/A 堂山セントラルビル
プロテカ 梅田 N/A ヒルトンプラザ ウェスト
ヴァレクストラ 梅田 N/A 阪急メンズ大阪
ザ シティ ベーカリー 梅田 N/A 茶屋町あるこ
タリーズコーヒー&TEA 梅田 N/A グランフロント大阪
ノナラパール 心斎橋 N/A N/A

出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q1 2019

Figure 9 : 今後の新規供給(大阪)(延床面積1,000坪以上)

施設名 エリア 推定面積(坪) 事業主 オープン
大丸心斎橋店本館建替計画 心斎橋 12,100 J. フロント リテイリング 2019年秋
(仮称)ヨドバシ梅田タワー 梅田 14,700 ヨドバシカメラ 2019年秋
(仮称)大阪Mプロジェクト 心斎橋 1,270 ルイ・ヴィトン・ジャパン 2019年11月
(仮称)新サンケイビル建替プロジェクト 梅田 5,000 サンケイビル 2020年9月
大阪梅田ツインタワーズ・サウス(II期) 梅田 *7,300 阪急阪神ホールディングス 2021年秋
(仮称)梅田3丁目計画 梅田 41,000 日本郵政グループ、JR西日本 2023年度

注:店舗以外の他用途を含むケースあり *百貨店部分全体から、I期に開業する面積を除く
出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、 Q1 2019

調査概要
調査対象 空室率
・CBREが独自に設定した対象地
 銀座ハイストリート(154棟)、表参道・原宿ハイストリート(246棟)
 心斎橋ハイストリート(177棟)、栄ハイストリート(51棟)
・対象フロアは店舗ニーズの高い1階に限定
プライム賃料/銀座ハイストリート賃料
・CBREが独自に設定した対象地
・ワンフロアの面積が200㎡程度の建物を想定
・対象フロアは店舗ニーズの高い1階に限定
調査時点 四半期 (第1四半期)3月末(第2四半期)6月末(第3四半期)9月末(第4四半期)12月末 時点集計
調査方法 空室率
・空室は集計時点で即入居可能であるものを対象(新築施設は竣工済みのものが対象)
プライム賃料
・対象地のサンプル調査に基づく想定成約賃料の上限値 (共益費を含み、フリーレント等のインセンティブは考慮しない)
・主要都市における、都心商業立地の中の一等地(の賃料)
銀座ハイストリートの賃料
・対象地のサンプル調査に基づく想定成約賃料の上限と下限の平均値
 (共益費を含み、フリーレント等のインセンティブは考慮しない)
・主要都市における、都心商業立地(の賃料)

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