表参道
「表参道」エリアは、ラグジュアリーブランドが集積する「表参道」、カジュアルブランドが集積する「明治通り」、若者をターゲットとした小規模な店舗が集積する「キャットストリート」や「竹下通り」など様々な特色を持つ。
募集面積指数は2007年後半頃から上昇基調に転じ、その後も横ばい~緩やかな上昇傾向で推移。
メインストリートではほとんど空室が発生せず発生してもすぐに消化されるが、裏手や駅から離れた立地では空室消化がなかなか進まず、募集面積指数は高止まりしている。
しかし、2011年後半頃から募集面積指数が低下傾向を示し始め、低下基調で推移していた平均募集賃料も、足元において若干持ち直している様子が窺える。
路面賃料相場は上値や下値に若干の変動は見られるが、2009年以降概ね下げ止まっている。
今後は、4月オープンの「東急プラザ表参道原宿」や「表参道」沿いで再開発が進行しており、エリア全体にプラスの影響を及ぼすことが期待される。
新宿
「新宿」エリアは、百貨店や駅ビル、家電量販店などの大規模商業施設と「新宿通り」や 「明治通り」を中心に路面店舗が集積するエリアである。
募集面積指数の推移を見ると、 2008年前半から緩やかな上昇傾向で推移しているが、募集面積の絶対量は少ない。
また、大きく上昇している時期もあるが、これは新規開発ビルの募集開始に伴う面積増が主要因で、これを除けば非常に底堅いマーケットとなっている。
当該エリアは、世界一の 乗降客数を誇る新宿駅を擁し、東京の主要商業地の中でも最も売り上げが見込めるエリアであることから上層階まで出店ニーズが見込める。
賃料水準については、平均募集賃料は下落基調で推移しているが、路面賃料相場を見ると、東京の主要商業エリアの中で唯一赤色エリアの水準が変動していない安定的なエリアである。
今後は、大型家電量販店の出店や南口の再開発により、人の流れにどのような変化が生じるのか注目される。
渋谷
「渋谷」エリアは、大規模商業施設と大小様々な路面店舗が集積し、若者文化の情報発信地として流行のサイクルが速い街である。
募集面積指数は2007年半ば頃から上昇し始め、空室は2011年前半まで増加基調となっている。
これは、景気後退に伴い、渋谷駅から離れたエリアの上層階を中心に空室が増加したことが要因である。
一方で、立地評価が高い通りでは空室の発生は限定的であり、ニーズは駅近くにシフトしている。2011年半ば頃からは、賃料調整と、従来のアパレル中心の立地へアパレル以外のテナントが出店することで空室消化が進み、募集面積指数も低下に転じている。
平均募集賃料は緩やかな下落基調だが、路面賃料相場では2009年から下げ止まり、現在は横ばいで推移。
今後は、4月にオープンした「渋谷ヒカリエ」や渋谷駅周辺の大規模再開発動向が「渋谷」という街全体にどのような影響を及ぼしていくのかが注目される。
池袋
「池袋」エリアは、百貨店やファッションビル、家電量販店などの大型店と、目抜き通りを中心に路面店舗が集積するエリアとなる。
募集面積指数の推移を見ると、主要な通りから外れたエリアの上層階を中心に空室が増加したことで2008年後半頃から募集面積指数は上昇し、その後はやや高めの水準で推移している。
しかし、当該エリアは東京の他エリアに比べ募集面積の絶対量が少なく、主要な通りについては物件の品薄感が継続していること等を勘案すると、安定したマーケットを形成していると言える。
平均募集賃料、路面相場についても安定した動きを示している。
また、青色の路面が黄色の路面へと賃料が上昇している通りもみられるなど、路面店舗の通りが拡大しつつある様子も窺える。
今後は、メインストリートにおける商業ビル(アミューズメント・アパレル等)の開発により、より一層の活性化が期待される。