賃貸オフィス・賃貸事務所の記事

東京-JOMV2017年第1四半期

賃料相場

2017年5月11日

オールグレード空室率は再び上昇に転じる

Figure 4 : 空室率

Figure 4 : 空室率

Figure 5 : 想定成約賃料

Figure 5 : 想定成約賃料

今期(Q1)のオールグレードの空室率は対前期比+0.1ポイントの2.4%となり、2四半期ぶりに上昇した。複数のグレードAビルが、いずれも空室を抱えて竣工したことが要因。グレードA空室率は対前期比+1.4ポイントの4.2%と、3期連続の上昇となった。他方、グレードAマイナスとグレードBの空室率は、それぞれ対前期比-0.2ポイントの1.8%、同-0.4ポイントの2.1%となった。グレードAマイナスの空室率は、2008年以来9年ぶりの2%割れである。2万円を下回る賃料帯のビルでまとまったスペースが消化された。

グレードA市場では、2016年後半に竣工したビルの空室消化ペースが鈍い中、新築の空室が積み上がる状況となっている。早期に稼働率を向上させたいオーナーが、長めのフリーレント期間を付与したり、募集賃料を下げるケースもみられ始めた。一方、全体的に賃料の動きは鈍く、割安だった募集賃料を引き上げるビルも複数みられるが、グレードAの想定成約賃料は対前期比横ばいの35,950円となった。

今後、2018年から2021年まで毎年15万坪以上のグレードAビルの新規供給が続く。2018年の新規供給のうち、「丸の内・大手町」エリアではほぼ満室竣工が見込まれるビルもある。しかし、新築ビルに移転するテナントの移転元ビルでは二次空室の発生が懸念されている。後継テナントを埋めきれないビルでは募集条件を見直すなど、徐々に借り手市場へと移行しよう。グレードA空室率は、今後も上昇が続くとみられるため、CBREではグレードA賃料は2017年Q3にピークを打ち、その後は緩やかな低下傾向が続くと予想している。今期の実績に対し、向こう1年間ではグレードA賃料は-0.1%低下すると予想する。

オフィスの集約や拡張ニーズは依然として強い。しかし、実際の移転に際して企業の姿勢は慎重だ。国内外の経済の先行き不透明感に加え、2018年以降に大量の新規供給が控えていることも一因である。一方で、人手不足が深刻さを増す中、優秀な人材の獲得のため、利便性の高い立地や、グレードの高いビルへの移転を検討するテナントは多い。また、従業員にとっての快適性の向上と同時に生産性も高めるという観点から、フリーアドレスなどを検討する企業も増えている。いずれの傾向も、ワンフロアが広く、レイアウトの自由度が高いグレードAビルの需要が今後も底堅いことを示唆している。

Figure 3 : 東京マーケットサマリー

  空室率 対前期比 想定成約賃料 対前期比
東京グレードA 4.2% +1.4pts 35,950円/坪 ±0.0%
東京グレードAマイナス 1.8% -0.2pts 24,650円/坪 +1.0%
東京グレードB 2.1%

-0.4pts

20,900円/坪 +0.5%
東京オールグレード 2.4% +0.1pts

 

この記事の続きを見るにはログインが必要です

他カテゴリの記事を読む