新幹線開業で観光客が増加し、何かと話題の金沢。マスコミに取り上げられる機会も多くなり、その効果もあって金沢の事業用不動産市場も活況を見せている。今回のビジネスエリア研究では、その金沢の特徴と直近の市況を紹介する。まだ金沢に来られていない方、ぜひこの機会に来沢され、大きく動く金沢マーケットに触れていただきたい。
金沢概況
温泉や新鮮な海産物、そして兼六園などの名勝があり、観光資源に恵まれた石川県。その中心都市である金沢では、北陸新幹線の開業効果で、観光客が大幅に増加している。新幹線による首都圏からの来沢者だけでなく、メディアに取り上げられたことで関西圏からの旅行客も増え、宿泊施設は活況を見せている。地元経済も好調で、直近の2015年第4四半期の完全失業率は前年同期で0.6ポイント減少し、2.7%となっている。これは全国平均を下回る水準である。消費動向を示す数値も改善しており、さらにこうした状況を見たリテーラーが金沢での事業機会拡大を模索している。
従来から金沢は石川、富山、福井の北陸三県を統括する営業拠点立地としての需要を中心にオフィスマーケットが形成されてきた。加えて、近年は北陸新幹線の開業を見越した企業誘致活動が展開された。受け皿となる施設の設置や助成金の導入など数年をかけた積極的な活動が奏功し、全国的な企業収益の回復も後押しとなって、金沢の賃貸オフィスビル空室率は大きく回復している。
まさに新幹線開業を契機に経済が好循環を見せ始め、そして不動産市場にも好影響を及ぼしているのである。
金沢市のデータ
2009年比 | ||
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1人口【2016年1月】 | 454,367人 | +1.4% |
2事業所数【2012年】 | 26,319所 | -6.5% |
3従業者数【2012年】 | 250,176人 | -3.9% |
石川県のデータ
2009年比 | ||
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1実質経済成長率【2012年】 | 1.7% | -6.1%【2009年度】 |
2実質県内総生産【2012年】 | 48,554億円 | +12.5% |
◎『金沢市のデータ』出典:金沢市「住民基本台帳」、総務省統計局「経済センサス」
◎『石川県のデータ』出典:石川県「石川県 県民経済計算年報」