神戸:空室率は引き続き上昇も、ポジティブな動きが増加。
想定成約賃料は横ばい
神戸における2021年9月期の空室率は、前期(2021年6月期)比で0.3ポイント、前年同期比で1.1ポイントの上昇となった。拠点統合や面積の圧縮、新築ビルの竣工に伴う二次空室により出された解約が、徐々に顕在化してきていることに依然変わりないものの、情報収集や移転の相談などの問い合わせは増加しており、支店の新規開設や立地改善、ビルグレードのアップなどポジティブな移転の動きも見受けられる。また、一部の大型ビルでは、 近隣からの移転や館内増床による空室の消化が見られた。
想定成約賃料は前期から変化なく12,060円/坪となった。 賃料水準は、空室率の上昇と比較して変動幅は少ないが、水面下では賃料の減額や、フリーレント期間を増やす等の取り組みにより、周辺との差別化を図るビルも見受けられる。
今後はワクチン接種率の増加に伴い、人の往来の活発化が予想されることから、コロナ禍により出社率を制限されていた企業の動向も注視されるところである。コロナの収束とともに、神戸のオフィスマーケットが活発化することに期待したい。
京都:多様化する需要と供給のマッチングに期待。
空室率は大幅に上昇
京都における2021年9月期の空室率は、前期より0.8ポイント上昇の3.4%となり、前期比としては大幅な上昇を示した。新築オフィスビルの供給がない京都における空室率の上昇は、既存ビルでのテナント退去が要因となることから、ここ数期の間で発生していた解約予告の一部で、テナント決定することなく空室が顕在化した(即入居可能となった)ことが数値上影響している。
今期においては空室率の上昇が顕著だったものの、縮小・拡張・新設・拠点集約・立地改善・自社ビルからの移転・コワーキングオフィスから賃貸オフィスへの移転など、京都におけるテナント需要のバリエーションは確実に増えてきており、今後の新築ビルの供給とともに、これらの需要とのマッチングがスムーズに進むことが期待される。
想定成約賃料は前期に比べて0.3%低下(-40円/坪)して、15,830円/坪であった。 今期は坪当たり20,000円を超える高額賃料帯でのテナント需要が少し鈍くなっており、今後の賃料動向が注視されるが、全体としてはまだ小幅な動きで推移している。
関西支社 水野 克哉 / 中家 貴博
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