需要は堅調で空室率がやや低下。
新築ビルの内定状況はおおむね好調。
既存ビルの空室は引き続きタイト
2023年6月期の仙台市内の空室率は、前期(同年3月期)から0.1ポイント低下し、3.1%とな った。前期は、新築ビルが空室を大きく抱えたまま竣工したことに伴い、空室率が大幅に上昇したが、今期は、既存ビルの空室が引き続きタイトで、需要も多いことから、若干の低下となった。
新築ビルの状況について、すでに竣工している「ヨドバシ仙台第1ビル」は、空室を多く抱えてのスタートとなったが、「T-PLUS仙台広瀬通」は、竣工が近づくにつれて引き合いが増え、竣工時点で9割程度まで内定という状況になった。また、今秋竣工予定の大型物件「アーバンネット仙台中央ビル」は、大型の引き合いがあり、多数内定している。今年から来年にかけ、大量供給が予定されている中での大型ビル竣工であり、うまく空室消化ができるのか、不安視される向きもあったが、そうい った意見を跳ね除け、順調に推移していると言えるだろう。
移転ニーズの顕在化
この背景にあるのは、昨年オフ ィスビルの供給がなかったため、移転需要の高まりに対して対応できるビルが少なく、水面下で移転需要が溜まっていたことが挙げられる。コロナ禍により、あらゆる業種の働き方に変化が訪れ、それがオフィス使用面積にも、影響を与えた。企業によっては、リモートワークの活用や、オフィスは最低限のミーティングスペースのみといった形で、オフィス面積を減らす企業もあれば、人員の増加や取引先とのリモートでの打ち合わせ機会の増大などから、オフィスを増床するという企業まで、様々であった。それらの動きから、小規模空室が多くなった反面、大型空室がなくなり、移転需要が蓄積されていったと考えられる。それに加え、既存のオフィスビルからの立ち退きがあったことで、さらに空室が消化されたこともあり、これらの複合要因が、よい物件があれば拡張移転を、という気持ちに拍車をかけたのではないか、とも考えられる。
4月には、「(仮称)一番町三丁目七番地区第一種市街地再開発事業」が発表された。市民になじみ深い電力ホールがある電力ビルと、近隣ビルの再開発である。 10年がかりの巨大プロジェクトとなるが、中心部の発展に大きく寄与することだろう。
仙台支店 山本 和良
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