広島:空室率は3期連続で緩やかに低下。
岡山:市役所筋で引き続き空室消化が進む。
広島の成約賃料はやや上昇
シービーアールイー(株)の調査によると、2023年6月期の広島市内中心部の空室率は5.6%と、対前期(同年3月期)比0.3ポイント低下した。コロナ禍の昨年8月に「広島JPビルディング」が竣工し、2022年9月期には6.2%まで上昇した空室率だが、3期連続で低下している。
今期の想定成約賃料は11,810円/坪で、前期から20円/坪ア ップした。「広島JPビルディング」の入居稼働率に合わせるかのように、空室率と想定成約賃料が変動している。行動制限のないウィズコロナが日常になるなか、新入社員やI/Uターンで優秀な人材を確保するため、好立地やハイスペックビルに移転を検討する企業が動き始めた結果といえよう。
広島市は、2017年に「ひろしま都市活性化プラン」を策定した。広島駅周辺と紙屋町・八丁堀地区を東西の核と位置づけ、都市機能を相互に刺激し高め合う“楕円形の都心づくり”を一層推進するものだ。この楕円の中では、前述のビルやJR広島駅の建て替え、 2025年に紙屋町エリアに新築される2棟のオフィスビル、2027年の基町相生通再開発など、開発が目白押しである。
広島市は、この楕円の中に、平和記念公園を設計した丹下健三氏らの構想に基づく南北の軸、平和大通りを東西の軸とする平和の軸として、「都心回廊づくり」をめざしている。都心回廊内には、比治山公園内にある黒川紀章氏設計の広島市現代美術館やマツダスタジアムもある。また、2024年開業のサッカースタジアムは、南の原爆ドーム側と東の広島城側からペデストリアンデッキでつながれ、都心回廊の回遊性を高める施設になる。水と緑の美しい街・広島の都市基盤100年構想(被爆100年)の今後に注目したい。
岡山の空室率は上昇
今期の岡山市の空室率は前期から上昇したが、市役所筋エリアでは、引き続き拡張や環境改善の移転などが見受けられ、空室消化が進んでいる。7月には、大供交差点近くに「岡山DAIKU1123.BLDG」が竣工し、約1,000坪の新規供給があった。日本最大の展示台数を誇るAudi岡山のビル型ショールームを有する同ビルは、鉄骨造、地上10階建、延床面積約3,600坪。洗練された外観と、テナント向けのプレミアムラウンジを兼ね備えており、さらなる空室消化の動きが注目される。
広島支店 越智 昭博 / 名越 正幸
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