心斎橋・京都・神戸のハイストリート賃料が上昇 ラグジュアリーが出店ニーズを牽引
全国主要商業エリアの貸店舗市場動向をまとめた四半期レポート。
銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷、心斎橋、梅田、栄、京都、神戸、福岡の最新動向を掲載。
小売業販売額* | 全国百貨店 売上高** |
消費者態度指数 22年9月*** |
銀座ハイストリート 空室率Q3**** |
銀座ハイストリート 賃料Q3**** |
---|---|---|---|---|
+3.6% 7~9月 (前年同月比) |
+17.1% 7~9月 (前年同月比) |
-1.7pts (前期比) |
+1.3pts (前期比) |
±0.0% (前期比) |
今期(Q3)より、空室率の調査対象フロアを「店舗ニーズの高い1階に限定」から「1階を含む賃貸区画のすべて」に変更しています。
出所: * 経済産業省、** 日本百貨店協会、***内閣府、****CBRE
- 東京・銀座ハイストリート空室率は、対前期比1.3ポイント上昇の7.7%となった。ポップアップストアの終了に伴い、比較的大型の空室が発生したことなどが主因。銀座ハイストリート賃料は、4期連続横ばいの24.15万円(月/坪)。ハイストリートでは、出店機会を探しているラグジュリーブランドが複数ある。一方、ハイストリートの中でも好立地の募集物件は少なくなっている。
- 大阪・心斎橋ハイストリート空室率は、対前期比2.5ポイント低下の14.0%。心斎橋筋商店街の複数の募集物件でテナントの内定が進んだ。心斎橋ハイストリート賃料は、対前期比7.0%上昇の15.20万円(月/坪)。ハイストリートの御堂筋にある新規開発物件では、相場を超える賃料水準で出店を検討しているラグジュアリーブランドが複数あった。
- 名古屋・栄ハイストリート空室率は、対前期比0.4ポイント上昇の0.4%となった。ポップアップストアが終わった区画が空室となったが、リテーラーの引き合いは複数みられている。栄ハイストリート賃料は、対前期比横ばいの7.00万円。比較的面積が大きい募集物件では、スポーツブランドなどからの引き合いがみられる。ただし、リテーラーの希望賃料は相場並みとなっている。
Figure 1 :2022年Q3 ハイストリート空室率(上段)vs プライム&ハイストリート賃料(下段)
マクロ経済
2022年Q3の全国百貨店売上高は、前年同期比で二桁のプラス
2022年7-9月の全国百貨店売上高は、対前年同期比17.1%増となった。前年の緊急事態宣言などによる営業制限の反動があったほか、7月は夏物、9月は秋物の売り上げが好調に推移した。また、時計、宝飾品などの売り上げも前期に引き続き好調を維持した。顧客別では、9月のインバウンドの売り上げが対前年同月比で204.0%増となった。水際対策の緩和によって、インバウンドの売り上げは今後も増えることが見込まれる。
一方、2022年9月の消費者態度指数は、対前月比1.7ポイントマイナスの30.8となった。日用品などの物価高が響いたほか、夏休みで消費が活発だった8月の反動で消費者心理がやや冷え込んだ。
Figure 2: 消費者態度指数
Figure 3: 小売業販売額vs 全国百貨店売上高店舗数調整後
Figure 4: 訪日外客数