※ 本レポートは2020年1月に発表されたものです。
2020年不動産マーケット動向レポートサマリー
CBREが独自に行った、不動産マーケット動向におけるリサーチ情報の紹介。2019年の大型マルチテナント型物流施設(LMT)の新規需要は、三大都市圏の合計で100万坪に届く勢い。2018年の記録を40%ほど上回って過去最高を記録する見込み。eコマースの拡大のみならず、自動化設備やロボット技術の導入に加え、トラックドライバー不足対応のための配送中継拠点の開設など、物流業界の改革がLMTのニーズに直結している。むこう2年間は、首都圏、近畿圏、中部圏のいずれにおいても需給バランスはタイトな状況が続くだろう。首都圏LMTの実質賃料は、2019年Q4に対前年同期比+2.4%の4,250円/坪となる見込み。2021年Q4までにさらに2.1%の上昇を予想する。上昇ペースが緩やかになるのは、2%前後という記録的な低水準となった空室率がさらに大きく低下することは考えにくいことと、2021年には過去最高規模の新規供給が控えているためである。近畿圏でも2021年の新規供給は2017年と並ぶ過去最高規模。しかし新興エリアの順調なテナント決定や湾岸部の需要回復に鑑みると、向こう2年間の空室率は8%以内に収まるだろう。中部圏で現在発表されている2021年までの開発計画は計2棟。LMTとしては新興立地の物件だが、物件の選択肢が限られるなか、ニーズは堅調とみられる。空室率は、供給の影響で一時的な上昇はあるものの2021年末は4%程度にとどまる見通し。
不動産マーケットアウトルック2020
2019年から足元にかけての日本経済は、輸出ならびに消費マインドの低迷を主因に弱含み。しかし不動産賃貸市場は、ワークプレイス改革のほか、人材難、購買活動の変化など構造変化への対応ニーズが牽引、いずれの主要市場も需給はタイト。年後半にかけての世界経済回復の期待も高まるなか、今後の不動産市場の行方を考察する。
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