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賃貸オフィス・事務所の記事

森ビル長尾氏が語る虎ノ門ヒルズ開発と周辺エリアのこれから

森ビル株式会社
虎ノ門ヒルズ開業準備室 開発事業企画グループ
課長 長尾 大介

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都とのパートナーシップで 誕生する「虎ノ門ヒルズ」

環状2号線地下トンネル

環状2号線地下トンネル

当社は現在、「環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業Ⅲ街区」において「虎ノ門ヒルズ」の建設を今夏竣工に向けて進めています。今回の事業が、これまでの当社の再開発事業と大きく異なるのは、施行者である東京都が初めて導入した、「事業協力者方式」及び「特定建築者方式」によるパートナーシップとして参画した点です。

もともと当社は、Ⅲ街区に当たるエリアに、虎ノ門17森ビル、虎ノ門23森ビル、三興第一ビルという3棟のオフィスビルを所有する地権者でした。そうしたなか、都が事業協力者方式の採用を決定したことを受け、当社発祥の地、虎ノ門エリアで当社が培ってきた開発ノウハウが活かせる大型再開発であることからこれに応募。以降、2002年から施行者と権利者とのパートナーとして、再開発計画への助言、提案等に関わってきました。さらに2009年からは、特定建築者として虎ノ門ヒルズの建設と保留床の取得、及び運営を推進しています。

施行者である東京都は「事業協力者方式」や「特定建築者方式」といった事業方式の採用により、早い段階から民間事業者のノウハウを取り入れることができるため、競争力のある施設計画や事業性の向上だけでなく、地権者意向への柔軟な対応も可能になります。また、資金面においても負担が軽くなります。

当社にとっても、従来型の開発であれば地権者の方々との折衝、用地の取得などを基本的に1社で行うわけですが、環状第2号線新橋・虎ノ門地区は戦後の「帝都復興計画」策定以降、都が60年以上にわたって折衝を続けてきたという経緯があります。その間に築いてきた地権者との信頼関係があるなかへの参画でしたから、施設計画を作り上げる上でも、事業を推進していく上でも、比較的受け入れられやすかったように思います。東京都が主体となる部分では、当社が第三者として意見を述べ、施設計画については東京都や当社が地元の意見を取り入れながら要望をまとめるといった、役割分担が功を奏したと言えるでしょう。こうした官民一体による開発手法は、当社にとっても初めての経験でしたので、非常に学ぶことは多かったと感じています。

立体道路制度の導入が 超高層複合シンボルタワーのきっかけ

虎ノ門ヒルズと周辺ビル群(2013年5月撮影)

虎ノ門ヒルズと周辺ビル群(2013年5月撮影)

最大の特徴は立体道路制度の導入により実現した、道路と建物の一体開発である点です。通常であれば、道路を造るとなると対象地にお住まいの方の立ち退きが必要となるため、地元の負担は大きくなります。しかし、この制度を活用し、道路と合わせて、転居先の選択肢としての建物が提供されることで、住民の方々が地元に残ることができます。土地の高度利用の観点では、都市基盤拡充と地元の利益担保を同時に実現した有効な手法と言えます。

建物の地下を道路が通るこれほど大規模な開発は、他に例がないでしょう。それだけに施設計画上、難しい点もありました。新設道路は、主要幹線である桜田通り至近の街区北東の開口から、南西方面に緩やかな弧を描きながら地下に入っていきます。当初は、そのカーブした道路の地上部分を活かして広場を配置し、それを囲むようにメインタワー、住宅棟、オフィス棟、小規模な商業棟の4棟による配棟計画が都市計画決定されていました。しかし、2002年に再開発協議会が設立され、その中でⅢ街区の取得意向を調査すると、同プランのオフィス棟や店舗棟の希望者がほとんどおらず、メインタワーと住宅棟を希望する方々がほとんどでした。さらに、広場が4棟に囲まれ閉鎖的で、「地域に貢献するためには、もっと開放的であるべきだ」というご意見をいただきました。そこで、超高層ビル1棟に集約することを提案し、現在の虎ノ門ヒルズの設計プランに至ります。

道路の上に超高層ビル1棟を開発するということで、施設計画のうち、特に頭を悩ませたのは1階部分の動線計画です。虎ノ門ヒルズはビル1棟の中に、道路や駐車場を含め、実に7つの用途を持つ複合施設でありながら、1階部分の多くを道路が占めています。建物はそれを避けて計画した上で、各用途にいかに合理的にアプローチするかを考慮し、動線が計画されています。立体道路制度を活用し、道路と建物を一体開発したことで、国際的なビジネス街を目指す新橋・虎ノ門エリアのシンボルタワーにふさわしいビルに仕上がったものと自負しています。

最新設備のオフィスやホテル、カンファレンスなどを 備えた国際的ビジネス街の象徴

アウトドアテラス

アウトドアテラス


オフィスエントランスロビー

オフィスエントランスロビー

虎ノ門ヒルズは地下5階、地上52階建ての超高層ビルで、完成すれば247mと都内2番目の高さを誇ります。地下には544台を収容する駐車場を設け、1〜4階には店舗、2・3階にオフィスロビーを配しています。また、4・5階には虎ノ門エリア最大級のカンファレンスセンター「虎ノ門ヒルズフォーラム」が開業。国際会議にも対応できるメインホールに加え、2つのホールと4つのミーティングルームを備えています。そして6階〜35階までの計30フロアに位置するのは総貸室面積98,660㎡の最高スペックを備えたオフィス層、37階〜46階は総戸数172戸の眺望抜群の住戸層になります。さらに47階から最上階の52階が、日本初進出となる「アンダーズ 東京」。ホテルスパを備えた客室164室のラグジュアリーブティックホテルが誕生します。

虎ノ門ヒルズフォーラム

虎ノ門ヒルズフォーラム


アトリウム

アトリウム

2階部分では、立体道路制度を活用して生まれた人工地盤上に、約6,000㎡の開放的な広場を配しました。これにより、芝公園、愛宕山、そして新虎通りの公園道路のような並木道と合わせて、点在する都心のグリーンネットワークをつなぎ、潤い豊かな街並にしたいと考えています。そうすることによって、ビジネスパーソンの憩いの空間であると同時に、外国人の方々にとっても居住したいと思えるようなエリアになってほしいと考えています。

もちろん安全面についても、他の「ヒルズ」ブランドの施設同様、最上級の耐震性能を確保しています。具体的には、3種類の制振装置を計1,218基設置。これは当社の施設の中でも群を抜く多さです。また、万が一、電気の供給が止まっても都市ガスや重油による自家発電で対応するなど、事業継続性には万全の配慮をしています。さらに、地域の防災拠点として帰宅困難者の滞在に対応できるよう、3,600名が3日間過ごせるだけの食料の備蓄に加え、一時滞在スペースとして活用できるよう低層部を整備しています。

成熟しきっていた新橋・虎ノ門 新ビルがさらなる発展の起爆剤に

新橋・虎ノ門エリアは、官庁街やビジネス街として高いポテンシャルを有し、早くから成熟した業務集積エリアを形成していました。その後、2011年には、欧米の多国籍企業やアジアの成長企業の事業統括部門や研究開発部門を積極的に誘致する「アジアヘッドクォーター特区」に、2012年には「環状二号線新橋周辺・赤坂・六本木地域」が他の7地域とともに「特定都市再生緊急整備地域」に指定されるなど、地元のみならず、国を挙げて、発展への期待が高まる地域となっています。

一方、現実に目を向けると、街の成熟が早かった分、環状2号線の事業の停滞と相まって機能更新が進まず、周辺のビジネス街と比較すると地域力が低下していた面も否定できません。国際ビジネスセンターを目指すという大規模再開発「虎ノ門ヒルズ」が起爆剤となり、地域全体が活性化してさらなる賑わいを生み出せればと考えています。

かつて当社が赤坂で手掛けた大規模都市開発の先駆け「アークヒルズ」は1986年に竣工したのですが、四半世紀以上が経った今、周辺エリアには2012年竣工の「アークヒルズ 仙石山森タワー」や、昨年竣工した「アークヒルズ サウスタワー」のほか、同業他社の再開発案件など大型ビルが次々と完成しています。交通インフラの面でも東京メトロ銀座線の溜池山王駅や、南北線六本木一丁目駅が開業するなど、街は面的な広がりを持ち地域の活性化につながっています。虎ノ門ヒルズも、ぜひともそうした発展のきっかけになればと願っています。「六本木ヒルズ」などと比較すると、虎ノ門ヒルズの開発規模は小さく、商業施設も大きくはありませんが、だからこそ、新虎通りの沿道の地権者の方々をはじめとした、周辺地域における今後の盛り上がりが重要であると考えています。

すでに虎ノ門ヒルズの南北のエリアで、地元の方たちによる再開発の勉強会が始まっています。当社ではエリアマネジメントの一環として、「ToMoTo TIMES」(ToMoTo:Tomorrow's Tokyoを意味する)と名付けた新聞形式のエリアパンフレットを発行し、エリアに目を向けてもらうイメージアップ戦略を図っています。また、エリア間競争が激しくなるなか、社内においても六本木・虎ノ門エリアにおける開発スピードをアップさせるべく、都市開発部門の人員を増強して、体制強化を図っています。さらに当該エリアに所在する当社の既存ビルについても、順次、機能更新を実施していく計画です。

新橋・虎ノ門エリアは、丸の内・大手町や西新宿といった巨大街区で構成されるエリアと比較すると、ビルの規模は様々です。これは、より幅広い規模のテナント企業に選択肢が提供されるという点で、当エリアのメリットだと言えます。また、ビジネス就業者だけでなく、そこに数多くの住民が居住しています。ビジネス街であるにもかかわらず、こうしたプレイヤーの多様性を持っているということは、これからの時代、街の発展に大きく寄与するのではないでしょうか。また、環状2号線が虎ノ門から新橋、そして豊洲まで開通すると、羽田空港や臨海部へのアクセスもスムーズになります。こうした特性を活かしたエリア全体の差別化戦略が急務であると同時に、2020年東京五輪開催決定による追い風をうまく捉えることで、新橋・虎ノ門エリアは想像以上に短期間のうちに国際ビジネスゾーンに発展できると信じています。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2014年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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