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平成14年の自動車NOx・PM法施行、翌15年の首都圏1都3県におけるディーゼル車走行規制、さらに今年4月に施行された改正省エネ法による二酸化炭素排出量削減や6月の駐車禁止取締強化...。時代の必然とはいえ、物流業者にとって、都市部における物流環境は年々厳しさを増す一方だ。都市生活の根幹をなすトラックによる物流活動と、その物流が生み出す諸問題、そして規制の数々。今回の物流マーケット情報では、この都市物流の構築に向けた、各方面からの様々な取り組みを紹介する。

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都心部における物流&運送の課題と解決に向けて

日本大学理工学部社会交通工学科
教授 藤井 敬宏

はじめに

どうする?都心部のロジスティクス構築

都 心部では、交通量の増大や交通渋滞の深刻化に伴い、都市環境や交通環境の改善を図るために、大気汚染による環境悪化の対策として、平成14年10月に自動 車NOx・PM法、ディーゼル車走行規制が施行され、トラック事業者への車種規制等の指導が強化された。また、本年6月には、道路交通法の一部改正に伴い 路上駐車規制が全国的に強化され、自動車交通全般に大きな変化をもたらすこととなった。

これらの諸規制により、車両本体の質的向上から自動車の運行内容にまで及ぶ広範囲で、トラック事業者には、経済的負荷を伴う影響が出てきている。そこで、諸規制により生じた改善効果と、トラック事業者が抱える問題点とその解決に向けた取り組みについて概説する。

NOx・PM法、ディーゼル車走行規制による効果とトラック事業者への影響

1) 規制の効果

法規制前後2ヵ年のデータを用いて比較した結果、環境基準達成率は、NO2では年々改善傾向(平成15 年度89%)にあり、SPM(浮遊粒子状物質)では大幅に改善(34%から96%)している。また、都内の排出ガス濃度の高い、環七通り松原橋の自動車排 出ガス測定局を例としてみると、SPM(2%除外値)が0.03(mg/m3)減というように、大幅な環境改善効果が表れている。

2) トラック事業者への影響

研究室で実施したトラック事業者へのアンケート調査(平成16年10月、全日本トラック協会加盟事業者の1,000社対象)結果より、NOx・PM法、ディーゼル車走行規制によるトラック事業者への主な影響を整理すると次のとおりである。

①費用負担

NOx・ PM法、ディーゼル車走行規制後に、経費負担が生じた事業者は約90%あり、特に規制対象地域内で4割増し以上の事業者が約30%を占め、厳しい負担増と なっている。また、ディーゼル車走行規制対象地域外の事業者においても規制地域内への輸送のため、経費負担増が86%に及んでいる。

②ディーゼル車走行規制対象地域内のトラック事業者における影響

ディー ゼル車走行規制対象地域内における、トラック事業者の企業規模の違いにより生じる経費負担の影響について、保有台数に変化が生じた際の総資産、売上高、支 出額で比較してみる。減車を行わずに輸送業務を行った場合、経費負担が最も多いのは中規模企業(20~50人)であり、規制前の取扱量を確保しながら減車 を行う場合、中・小(20人以下)規模企業では1台当たりの作業量が18%増大し、労務管理上の問題が大いに懸念される。また、減車後、規制前の1台当た りの取扱量で輸送業務を行った場合、中・小規模企業の総資産の減収が約20%にも及び、リストラや事業規模の縮小を検討している事業者も出てきている。

ま た、大規模企業(50人以上)では、全国各地から規制対象地域内に入る車両を保有しているため計画的な規制済車両への転換に対する意識が高く、中規模企業 では、規制地域内をベースにした輸送形態のため、環境に対する全国規模の公平な負担を図る仕組みへの意識が高くなっている。また、小規模企業では、企業経 営の脆弱性から各種規制による負担増への意識が高くなっている。

道路交通法の一部改正に伴う路上駐車規制による効果と今後の対策

1) 改善効果

今回の取り締まりによる効果は、警察庁や警視庁により速報値として紹介されている。これによると、民間監 視員が増大したにもかかわらず、昨年と比べて1日当たりの取り締まり件数が11.1%減少しており、違法駐車そのものが減少している。また、都内における 幹線道路10路線(32.1km)の6月の平均渋滞長および走行速度は、昨年同期と比べて、それぞれ29.4%減少、13.8%増加しているなど、大幅な 交通改善効果が得られている。しかし、配送時の荷捌きスペースの確保の問題等が新たに生じてきている。

2) 今後の対策

物 流活動において必要な荷捌きスペースは、原則的には荷受け施設などにおいて処理すべきであるが、都心部においては、特に小規模な建物等において土 地利用の面においてスペース確保が困難な場合が多い。したがって、量的な駐車場の供給というハード整備、駐車特性を十分に踏まえた駐車需要の抑制、問題の 大きい路上駐車の排除、路外駐車場への誘導、許容すべき路上駐車の整序化、民間活力の活用によるスペースの確保等の総合的な施策の中で行政と地区の関係者 による地区単位での緊密な連携が重要である。

また、荷捌き駐車スペースは、沿道敷地の活用策として駐車需要の高い道路に面した建物 のセットバックによる共同荷捌き駐車スペースの確保、道路空間の再構築を図る「ローディング・ベイ」等の路上駐車スペースの確保、路外荷捌き駐車スペース の整備策として「ポケットローディング」等を積極的に進める必要がある。

道路交通法の一部改正に伴う路上駐車規制による効果と今後の対策

排出ガスの対策により、都心部の大気環境は改善の兆しが見えかけているが、特にディーゼル車走行規制対象地域内の中・小規模企業のトラック事業者に経済的な負荷が生じており、さらなる環境改善の取り組み時には、新たな支援策等を含めた対策の充実が必要である。

ま た、路上駐車の規制強化により、交通渋滞は大幅に減少し、交通事故の効果も今後検証され、その効果が評価されることとなるが、現状の交通インフラでは、端 末輸送時にトラック事業者にその負荷を負わせているところが多く、行政・事業者・地域住民の相互理解に基づいた交通環境の整備が急務な課題である。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2006年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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