市況は堅調な動きを見せるも、大型需要は潜在化。
広島駅周辺の需要が旺盛
広島市内のオフィス市況は、引き続き堅調な動きを見せている。「広島駅周辺」は、業績好調なマツダの影響で、取引先絡みの移転や新規出店が多く見られることや、今後の再開発事業の影響もあり、需要が旺盛である。また、数年前にコスト削減で郊外に移転した企業が、業績好調により中心部へ戻って来る際、中四国へのアクセスの良さや市内中心部よりも駐車場相場が安い ことを考慮して、広島駅周辺を検討するケースが増えている。
一方、「八丁堀・紙屋町周辺」も、建替計画に伴う移転が順調に進んだことや、館内拡張等の前向きな話が多く、こちらも空室率が低下傾向を示している。
近年、ビルの所有者が、大手オーナーや投資家から、地場企業へ変わるケースが増えている。これら企業は、購入後にリニューアルを行い、賃貸条件を見直して柔軟な対応をするビルも増 えてきており、それらも市況改善の要因となっている。
一方、空室率の低下に伴い、下限条件やフリーレント等の条件交渉が以前よりも難しいビルが増えているように感じられる。数は少ないものの、継続賃料の値上げの話も徐々に聞かれるよう になってきた。
大型面積を必要とする企業は、潜在的な移転需要はあるものの、当面の新規供給がないことから、様子見の状態が続いている。そのため、2016年夏にリニューアルオープン予定の「(仮称)広島ピースタワー」の動向が注目されている。
空室消化が進む岡山
岡山市の2014年9月期の空室率は、6%台を記録した。前期(同年6月期)の7%台と比べると微減だが、前年同期は10.8%で、4ポイント以上低下している。新規開設、立地改善、館内増床、自社ビル売却によるオフィスビル移転等で、マイナスの動きがほとんど見られないなか、空室消化が進んだ。そのため、新規募集賃料の下限が、上昇傾向にある。継続賃料は、近隣都市の様子見の傾向である。
岡山駅前では、西日本最大級のイオンモールが、12月5日オープンする。2014年度の地価調査では、イオンモール前が96万円/㎡で、前年比+6.2%と大幅に上昇。一方、表町・天満屋周辺は、34万円/㎡ で-2.6%と、明暗が分かれた。今後、天満屋周辺の商業エリアが手をこまねいているはずもなく、不動産的にはマイナストレンドの今が「買い」かもしれない。
広島支店 柴崎雅史・越智昭博
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相場表
種別 | 賃料(共益費込) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
---|---|---|---|
広島駅北 | 8,500~10,000 円/坪 | 駅近でグレードの高い物件は、ほぼ空きがない状態。 | |
広島駅南 | 8,500~11,000 円/坪 | 広島駅北口と同様、グレードの高い物件はほぼ空きがない状態。周辺の駐車場も空車が減ってきている。 | |
八丁堀・紙屋町 | 8,000~12,000 円/坪 | 建替計画によるテナントの移転先は順調に決定。その影響もあり、空室率は低下。 | |
大手町 | 7,000~8,500 円/坪 | 平和大通りから国道2号線までの動きは停滞気味。 | |
岡山桃太郎大通り | 8,000~11,000 円/坪 | 市役所筋エリアの稼働率が高まり、桃太郎大通りエリアにも拡散。空室率は9%を切るもよう。 | |
岡山市役所筋 | 8,500~12,500 円/坪 | 新設や増床、郊外からの立地改善など前向きな移転需要で、空室率は5%台へ。賃料上昇の兆しも出始めている。 | |
広島倉庫・配送センター 市内 |
3,500~4,500 円/坪 | 以前発生した若干の大型空室も、短期間でテナントが決定した。昨今のテナント動向は、拡張、統合、廃止など様々。 | |
広島倉庫・配送センター 郊外 |
3,000~4,000 円/坪 | 新規供給は慢性的に不足。賃借施設ニーズは、市街地まで近距離であることが優先条件となる。 | |
岡山倉庫・配送センター | 2,500~3,000 円/坪 | 既存及び新規の供給は依然少ない状況。需要は時期的な要因もあり、一時よりは少なくなっている。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー㈱社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。