神戸:マーケットの活性化に期待。
神戸の空室率が9期ぶりに低下
神戸における2022年9月期の空室率は前期(同年6月期)より0.2ポイント低下し3.7%となった。2020年6月期から空室率の上昇と停滞を繰り返していたマーケットだが、コロナ禍以降初めての空室率低下である。9月期は約100~200坪の空室が次々と消化されており、移転理由としては立ち退きや神戸市外からの転入・新規開設、神戸市内での増床移転・減床移転など様々であった。
賃料水準については大きな変動は見受けられず、想定成約賃料は前期比0.3%(30円/坪)上昇し12,020円/坪となった。個別にはフリーレントを含む賃貸条件に柔軟性を持つビルも見受けられるが、空室率に比較して賃料水準の変動は少なく、引き続き安定した想定成約賃料で推移している。
空室率の低下から見受けられるように、オフィス移転の検討を一時保留していた各企業が、ウィズコロナを経て徐々に移転検討を進めだした。2023年秋、2025年春には新規供給が予定されており、今後のさらなるマーケットの活発化を期待したい一方、依然コロナ禍の不透明な状況が続くことも予想されるため、今後の需要動向を注視していきたい。
京都:新規供給の影響に注目。
京都の空室率は上昇
京都における2022年9月期の空室率は前期より0.9ポイント上昇し4.5%となった。一部の新築ビルが空室を抱えたまま竣工したことが主な要因である。一方で、同時期に竣工した四条・烏丸駅至近の新築ビルはほぼ満室で稼働しており、近隣でまとまった空室がなく、潜在化していた増床ニーズがうまく取り込まれた形で決着している。新築以外で市場全体の動きを見ると、一部の物件で100坪程度の増減があったものの、 30~60坪程度の動きが中心で、前期同様、落ち着いた状態が続いている。
京都駅前エリアにおいては、しばらくはまとまった新規供給予定がないものの、四条烏丸エリアでは、来期以降にも四条河原町周辺を中心に複数の新築オフィスビルの竣工が予定されている。前期、今期と需給のバランスが均衡している状況ではあるが、長い間供給が少なかった京都のオフィスマーケットに対し、少しずつ供給が入ることでどのような影響が出てくるかが注目される。前述した新築ビルによる潜在ニーズの顕在化のような、新たな需要喚起につながることを期待したい。
関西支社 水野 克哉 / 吉田 誠
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