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分室オフィス対応の背景

巷には空室が溢れ、オフィス探しは、その中から選り取り見取りであった時代も今は昔。空室率は2003年頃から低下の一途をたどり、東京など、いつのまにか3%を割り込む水準にまで達している。企業の人員採用意欲も旺盛となる中、そのビジネスの器となるオフィス不足はまさに切実。特に、都心部における大型ワンフロアの確保は至難の業で、いきおい人員増には、分室等、本体から別にビルを借りるしか手がなくなりつつある。これまで、分散していたオフィスを1ヵ所に統合し、その合理化メリットを享受してきた数多くの企業。はたして分散が必至となるこれから、どのような対応をしていけばいいのか。今号は「分室オフィスの賢いつくり方」と題し、様々な方向からこのテーマを探ってみたい。

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東京のオフィスマーケットと、分室対応が必然となる背景

シービー・リチャードエリス株式会社
東京本社 ビル営業本部 ソリューション営業部
高橋 弘美

賃料高騰で拡張移転は困難増床するなら分室しかない

2000年頃から、これまで見られなかったような規模の大型・新築ビルが市場に登場しはじめ、これに伴い、当然"ワンフロア"の概念も拡大化していきました。東京でも、それまではフロア300坪もあれば大規模な部類と捉えられていましたが、昨今では、ワンフロア1,000坪のビルも珍しくありません。このような"器"を前に、今まで多階層を使用していたオフィスをワンフロアへ、あるいは複数の拠点を一つのビルに統合するといった移転が、トレンドになっていったわけです。

統合によってオフィスを合理化すれば、ファシリティコストの削減を図ることができます。特に、大規模ビルの相次ぐ竣工で都心部のオフィスが供給過剰となった「2003年問題」の頃は、賃料も比較的低水準で、現状よりも広くグレードの高い物件をリーズナブルな賃料で借りることができた。このような状況が当時の企業ニーズに合致し、統合移転の動きにますます拍車をかけたのです。その後、賃料は若干上昇するものの、統合によるフロア効率改善のメリットが賃料の単価上昇のデメリットを上回っている間は、統合移転ニーズが衰えることはありませんでした。

市場が大きく変化したのは、ほんの最近、ここ1、2年のことです。オフィスマーケット、特にニーズを集めていた大規模ビルの市場は逼迫し、賃料は一気に高騰。データを見ても、2004年12月の東京におけるAクラスビルの空室率は3.6%でしたが、2006年6月には0.6%にまで低下しています。これは、ほぼ空室がないといってもよい水準です。

当社が都心大型ビルに仲介したある本社移転の例ですが、契約と入居という僅かなタイムラグで、周辺相場がグングンと上昇したことがありました。契約時には、もちろんオーナー・テナントとも納得した条件であったにもかかわらず、いざ入居する頃には、「今ならば、とてもこの条件では契約できない」という市場に激変。テナント企業の移転担当者の方も「決断の時期が半年ずれていたら、移転できたかどうか分からない」と、胸をなでおろしておられました。

このケースでお分かりのように、都心部のマーケットはある時期をターニングポイントに、はっきりと借り手市場、貸し手市場に二分されています。一部地域では、新規賃料が既存賃料の2倍に跳ね上がっているところもあり、統合移転どころか拡張移転さえ難しいといった状況も出てきています。

賃料が高騰すれば、家賃負担能力の低い企業は統合移転を断念せざるを得なくなります。一方で、ビジネスの拡大に伴う人材採用を積極的に行い、増床の必要性に迫られている企業にとっては、同レベルのビルへの拡張移転すら困難な今の市場環境では、分室で対応せざるを得ないというのが必然的な流れとなります。

ここ1年ほど、テナントが解約するという情報をつかんで大型ビルのオーナーに問い合わせてみても、内部借り増しですでに決定してしまったというケースが非常に増えてきました。テナントが退去した後に同じビル内の他のテナントが手を挙げる。ビル内増床は、分室ニーズの最も合理的な対処法ですから、このようなことも需要の高まりを顕著に示していると言えるでしょう。

また、分室を必要とする企業の中には、先の統合移転の際、ギリギリの面積で借りてしまったために、少しの人員増ですぐにスペースが足りなくなってしまったという企業も多いようです。将来の人員増を予測すべきだったとはいえ、合理的なオフィス構築を目指した統合移転において、余裕のある借り方をする企業が少なかったことは、むしろ当然のことかもしれません。

分室オフィスを機に、実験的なオフィス戦略の動き

分室ニーズとして最も多いのは、先に述べた同ビル内での内部増床。それが難しければ、本社に代表されるメインオフィス近辺の物件の要望が多いようです。

ただ、本社ビルが非常に良い立地に位置する場合、同ビル周辺のオフィス市場も当然のことながら逼迫しているため、同レベルの坪単価では分室のための物件を探すことすら難しいケースがほとんどです。場所、ビルグレード等、どこかで妥協点を見つけなければならないということになります。

考え方の一つとしては、リニューアル済みの古いビルを本社近辺で探してみる。築年数の経ったビルであれば比較的リーズナブルに借りることができます。少し前までは古いビルには見向きもしなかった企業でも、これだけオフィス賃料が上昇した今は、築年数の経ったビルも選択肢に入れています。そうでなければ、本社ビルからは少し離れますが、本社ビルの沿線で物件を探すという方法が一般的です。

これまでの市場の推移と現在の市況を鑑みると、オフィスを探す企業の多くは「分室として探しているのに坪単価が高すぎる」という印象を持たれているようです。ただ、本社を借りたときに比べ市場が逼迫しているため、分室とはいえ坪単価が高くなるのは仕方のないことです。「分室は本社よりも格下であるべき」、「分室の賃料が(本社より)高くては、稟議が下りない」といった声に対しては、市場的には厳しいと申し上げざるを得ないのが現状です。

営業部門やシステム部門を分室に転出させるケースが多いようですが、分室を持つことで弊害が生じることもあるようです。よく耳にするのが、本社から転出した部署とのコミュニケーションが悪くなったというケース。特に、本社側の声として「あの部署を外に出したら部署の責任者が好き勝手やるようになってしまった」という声をよく聞きます。

同じビル内であっても、オフィスが多階層にまたがっていれば同様の弊害があるようです。フロアの分割が2~3階程度ならまだしも、5フロア以上になると上階と下階では顔を会わせる機会がほとんどなく、別のビルに分室を持っても同じだと考える企業も多いようです。

最近では、分室づくりを機に、いっそのこと戦略的に新しいオフィス形態に挑戦してみようという企業が増えています。関東のある地方都市に本社を持つIT企業のケースでは、人員増による増床に対応するため、営業部門のみを都心に転出させることを決定。新たに作る分室では、座席を固定しないで使用スペースを削減する「フリーアドレス」の試みを検討しています。もともと社内のITコミュニケーションの環境が整備されたコンピュータ会社だということもあり、分室化による部署間コミュニケーションには支障がないという考え方のようです。

同じように営業部門を営業効率のよい立地に転出させたいという別の企業では、外回りが多いという営業職の特性を考慮し、一つの執務スペースを時間帯に分けて2チームで利用することでオフィスのリストラを図ろうと検討中です。

このように、従来のオフィス形態にこだわらず、転出する部門にとって効率の良いオフィスとはどういうものか、分室の設立を機会に模索してみようという動きが広がっているように思います。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2007年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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