オールグレード空室率はやや上昇。
賃料は依然下落傾向。
グレードAビルは空室を順調に消化
2023年6月期の東京23区内オールグレード空室率は、対前期(同年3月期)比0.3ポイント上昇し、4.9%となった。また、東京23区内オールグレードの賃料は、21,300円/坪と、対前期比0.2%下落した。
グレードAビルで、賃料を前期と比較すると、ほぼ横ばいで成約が進んでいる。しかし、中小規模ビルは、条件緩和を行った上で、テナントを取り込む意識が強まっており、賃料下落がまだまだ進む見通しとなっている。
今期のグレードAビルは、新たに竣工した物件が、空室を抱えた状態で竣工したケースも見られたが、全体の空室率は横ばいとなった。全体的には、順調に空室消化が進んでいることの裏付けと受け取れる。
ただし、安心できない状況は続く。2023年 および2025年には、過去平均を上回る供給予定があり、その多くは、空室を抱えた状態で竣工すると考えられるため、空室率は上昇する見通しである。それら新築ビルへの移転に伴う二次空室が、市場に出てくることを考えると、早期にテナント確保を求める動きも増えるだろう。
広がる環境認証
賃貸オフィスマーケットにおけるグリーンビルの割合は、2011年以降急速に増加している。昨今、テナントが移転先を検討する際、環境配慮がなされているか否かも、重要な検討項目のひとつである。新たに竣工する、特に延床面積の大きな物件については、グリ ーンビルである割合が高い。直近竣工する物件のほとんどは、いずれかの環境認証を取得していると考えてよいだろう。
環境認証を取得した物件に、入居を検討するにあたっては、テナント側が、まだまだ賃料上昇を許容する姿勢が伴わないのが実情である。ビルとしては評価されるものの、賃料への訴求ができていない状況だ。
昨今、値上げが止まらない水道光熱費だが、グリーンビルか未認証ビルかで、上昇率が異なるのはご存知だろうか。2023年3月期において、グリーンビルは24.5 %増、未認証ビルで38.3%増となっており、テナントへは朗報だ。すでに、入居企業のイメージアップや、環境配慮で評価されるグリ ーンビルだが、今後、賃料への評価がされることも期待したい。
ビル営業本部 稲垣 豪
- 現在募集中の東京都の賃貸オフィス
- 現在募集中の千代田区の賃貸オフィス
- 現在募集中の中央区の賃貸オフィス
- 現在募集中の港区の賃貸オフィス
- 現在募集中の新宿区の賃貸オフィス
- 現在募集中の渋谷区の賃貸オフィス
- 現在募集中の品川区の賃貸オフィス
続きを見るにはログインが必要です