広島:空室率は 2 期連続で低下するも、企業のマイナスの動きは継続。
今後の鍵を握る新築ビル
当社調査による、2021年6月期の広島市内の空室率は3.1%で、対前期(同年3月期)比0.1ポイントの低下となった。2020年12月期に大幅に上昇した空室率であったが、2021年に入ってからは、2期連続で低下している。
今期は、コロナ禍で凍結していた、新規出店や拡張計画を再開する企業が散見され、空室消化の一因となった。一方で、面積の縮小やコスト削減による移転の動きは引き続き見受けられ、潜在的な解約も控えている。
今後は、今年4月に竣工した「ひろぎんホールディングス本社ビル」に集約される関連企業の二次空室や、2022年秋に、広島東郵便局跡に竣工する大型オフィスビル「広島駅南口計画(仮称)」が、マーケットの鍵を握ることになる。「広島駅南口計画(仮称)」は、ワンフロア約460坪を擁し、再開発が進む広島駅南口エリア最大級のオフィスビルとなる。現在工事中の駅ビルが完成すると、コンコース階直結となり、JR線改札や路面電車にもフラットにアクセスできるようになる。今後も、広島のオフィス動向から目が離せない。
岡山:解約予告の空室が顕在化することで、岡山市内の空室率は再び上昇。
今後の新築ビルの動向に注目
2021年6月期の岡山市の空室率は、前期(同年3月期)から上昇した。解約予告期間が過ぎ、空室が顕在化したビルが増えてきたためである。予告期間中の館内増床は、ほとんど鳴りを潜め、駅前の一部のビルで、若干の館内玉突き調整がある程度だ。
撤退・縮小するテナントの特徴は、コロナ前の「働き方改革」の流行時に、新設や郊外からの移転で入居した企業が多いことである。また、ある一定の業界にも撤退する傾向が見受けられる。逆にこの時期、新設や立地改善で移転する企業も一部で見受けられるが、業種の特徴はなく、各々、企業の状況によるものと思われる。
ワクチンの普及で消費マインドが上向きになる、アフターコロナの予測も聞こえ始めている。そんな中、本誌『AREA PICK-UP』にも取り上げられた「エネプレイス岡山」が2022年9月に竣工する。岡山駅から徒歩9分で平面・立体駐車場を多く確保し、荷捌場も設けた“車社会・岡山”に対応したビルだ。市役所筋に新築される「AQUAテラス幸町」と併せて、その動向に注目したい。
広島支店 荒田 晃輔 / 越智 昭博
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