EVインフラ設置の障壁克服のためにできること
公共のEV充電器の需要が急増している今、CBREは、オーナーや投資家がポートフォリオに充電ポイントを迅速に設置するための戦略を策定するために、専門のコンサルタントに依頼することを推奨している。
オーナーや投資家は建物仕様の制約に加え、さまざまな潜在的リスクを考慮する必要がある
電力供給と安全性
- オーナーは施設に十分な電力供給を確保し、充電ポイントの安全対策に準拠しなければならない。
- 急速充電器の安全対策は一般的に厳しく、通常、すべてのEV充電設備にマスタースイッチを設置する必要がある。
- 古い建物は通常、予備の電源容量や床荷重が限られている。
- 新興市場では、電力網が不十分、あるいは不安定な場合がある。
長い投資回収期間
- 充電ポイントの投資回収期間は最長10年である。一般的な充電ポイントでは、キャッシュフローがプラスになるまでに5年かかる。
- 初期費用には、設計と設置、人件費、ハード(全体の50%未満)が含まれる。また、メンテナンスも予算に組み入れる必要がある。
- 車両がフル充電されても、すぐに出発しない場合、充電ポイントは十分に利用されていない可能性がある。アイドリング料金を徴収する事業者もある。
短い製品ライフサイクル
技術革新により、物理的な充電ポイントの需要が減少する可能性がある
バッテリー交換とモバイル充電
- 一部のEVブランドや事業者は、バッテリー交換やモバイル充電のソリューションを提供開始。
- 中国のEVメーカーNIOは、中国で約1,800ヶ所のバッテリー交換ポイントを運営。(2023年9月末現在)
- バッテリー交換はより時間効率の高いソリューションであり、充電ポイントの需要の一部を代替する可能性が高い。
水素燃料車
- 水素を燃料とするEVへの燃料補給は、EVをフル充電するよりもはるかに速い。
- 近年、中国、日本、韓国で水素燃料車が発売されている。
- 水素燃料車の登場は、EVの販売台数の伸びと、特に商業分野での充電器需要に悪影響を及ぼす可能性がある。
ワイヤレス充電
特性を活かして最適な充電ソリューションを
これまで述べた課題を克服し、公共充電インフラにアクセスしやすくし、プレゼンスを拡大するためには、3つの主要なビジネスモデルが考えられる。それぞれの特徴や導入事例は以下のとおりである。
CBRE APACセールス&ソリューション・リーダーでエネルギー・資源・産業・物流セクターディレクターのロイストン・トーによれば、オーナーや投資家は、個々の資産に最適な充電器の数を慎重に決定し、エンドユーザーの行動に従って選択肢を評価しなければならないとしている。
●主要なCPOには、CPOの他にEVメーカー、石油・ガス会社の新規事業部門が含まれる。また、充電インフラメーカー数社もこの分野に参入