みなとみらいの空室率は上昇傾向で推移。
新築ビルをはじめ大型空室が長期化。
横浜駅周辺の需要は堅調
CBREの調査によると、2023年9月期の横浜市オールグレードの空室率は6.9%と、対前期(同年6月期)比0.6ポイント上昇した。
エリア別に見ると、「横浜駅周辺」エリアの空室率は、対前期比0.1ポイント低下し2.3%。依然として、サービス系テナント(美容系クリニック・塾など)の新規開設やエリア内移転が多く、他エリアと比べても、空室率が低い。特に、横浜駅周辺は、100坪を超える空室が少ないことから、空室が出ても、すぐに後継テナントが決定している。また、クリニック系のニーズは、美容整形を中心に増えており、高水準の賃料で成約している。
「みなとみらい」エリアの空室率は、対前期比1.0ポイント上昇し9.4%となった。依然、需要を上回るペースで、解約と新規供給が続いており、4期連続で空室率は上昇した。マーケットは下降局面となり、貸主側の経済面における条件緩和だけでなく、募集区画を分割する動きが見られた。同エリアは、募集面積が100坪超の大型オフィスがほとんどであるため、小型ニーズをねらい、幅広いニーズの取り込みと、賃料水準を維持するねらいがあるものと思われる。
関内・川崎の空室率がやや低下
「関内」エリアは、前期と比べて、空室率がわずかに低下した。引き続き、小規模面積帯を中心に動いており、新規の募集床も空室消化が進んでいる。2024年竣工予定の「大同生命横浜ビル」、2025年末竣工・供用開始予定の「横浜市旧市庁舎街区活用事業」が、大型の空室を抱えるみなとみらいのマーケットと、どう影響しあっていくか、動向を注視していきたい。
「新横浜」エリアの空室率は、前期から変化がなかった。坪単価1万円台半ば以上のビルは、引き続き苦戦しているが、坪単価1万円台前半のビルは、空室消化が進んでいる。今後、年末にかけて企業の動きが活発になるなか、大型空室を抱えた坪単価1万円台半ば以上のビルにも、引き合いが増えてくる可能性がありそうだ。
「川崎」エリアは、前期より空室率がわずかに低下した。コロナ禍より、大手企業の集約移転等で空室率が上昇していたが、区画分割でのリーシング、経済条件の優遇により、少しずつ空室率は低下している。今後発生する市役所の二次空室の影響が、どの程度現れるかが注目ポイントとなる。
横浜支店 佐藤 和哉
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