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自治体の戦略|北九州市役所 産業経済局 物流拠点推進室 次長 池田 弘幸氏・物流企画係長 浦 大征氏

北九州市物流拠点構想がめざす
「物流の2024年問題」へのソリューションと
ゲートウェイとしての価値創出

大きな転換点を迎えている物流。働き方改革関連法がトラックドライバーにも適用され、時間外労働の上限規制が適用されることで発生する2024年問題。さらに、災害やコロナ禍の影響でサプライチェーンの寸断を経験したことで顕在化した、在庫を抱えないことのリスク。これらの解消に一役買うのが、北九州市が有する地の利や既存のインフラだ。北九州市は昨年、全国の自治体に先駆けて「北九州市物流拠点構想」を打ち出した。これは、既存の製造業に加え、物流を市の新たな産業としてさらに発展させようするものだ。その取り組みについて、北九州市役所産業経済局物流拠点推進室次長 池田弘幸氏と物流企画係長 浦大征氏に訊いた。

北九州市役所
産業経済局

物流拠点推進室
次長 池田 弘幸氏(右)
物流企画係長 浦 大征氏(左)

北九州市役所 産業経済局 物流拠点推進室 次長 池田 弘幸氏(右) 物流企画係長 浦 大征氏(左)

北九州市物流拠点なら 陸海空のインフラ活用が可能

臨海部を中心に工業地帯が発展した北九州市は、太刀浦/ひびきコンテナターミナル、新門司フェリーターミナル、北九州空港、北九州貨物ターミナル駅など、さまざまな物流インフラが臨海部に集まり、陸海空の物流インフラを組み合わせられるのが強みだ。例えばフェリーは中継地点不要で積載量が大きいため、うまく活用すればコストや効率化、スピード面でメリットが大きい。こういった複数の物流インフラをうまく活用するには、運ばれてきた荷物を集中管理する物流拠点の存在が欠かせない。2024年問題への対策として、トラックドライバーの時間外労働の上限規制から、出発拠点から概ね片道3~4時間おきに物流拠点が必要となるが、北九州市では問題への対策以上の新たなソリューションを示すことができる。

北九州市物流拠点構想イメージ図

構想の推進による効果の目標値

「陸海空の物流インフラの近くに新たな物流拠点を形成し、九州の入口の物流ハブとしての役割を担うこと、さらに輸送インフラに近い地点に製造部品の調達物流の拠点を設けることで、これまで物流拠点として注目されてきた福岡市や佐賀県鳥栖市とは違った価値を発揮できるのではないかと考えています」(池田氏)

行政の枠組みを上手に活用してもらうためのサポートをしたい

臨海部が発展してきた半面、内陸部でほとんど開発を行ってきていないため、インターチェンジ(以下、IC)周辺にあまり開発に適した土地がないといわれる。「課題としては、これまで大規模な物流拠点がなかった北九州市のどこにどうつくるかということ。イメージしているのは小倉東ICや八幡IC周辺等ですが、現状土地の確保が完了しているわけではありません。まずは土地を取りまとめていく必要があります」(池田氏)

物流施設の新たな整備にあたっては、行政と事業者の連携が欠かせない。「地元の不動産事業者さんや地権者さんに話を聞きながら、可能性のありそうな土地があれば、必要に応じて、開発したいというデベロッパーなどとつなげていくようなサポートをしていきたいと思っています。そのためには必要な手続きは何かなどという点も伝えていく必要があります。また、行政側としても状況に応じて産業部門と農地部門が連携して土地利用を変えていく動きも求められます」(池田氏)

北九州市では補助金施策として最大10億円の企業立地促進補助制度などの誘致策を設けている。補助金制度の運用によって実際に誘致を成功させるには、さまざまな利害関係者に北九州市物流拠点構想の認知を高めてもらい、さらに実際に大きな流れに参加してもらうためのサポートが必要不可欠だ。北九州市には構想の実現に向けた動きを加速するために、積極的に情報発信し、民間に周知し、行政の枠組みを上手に活用してもらえるように導いていくという使命があるだろう。

産学官の連携により 選ばれる魅力的な物流の職場へ

物流拠点を構築する上で重要なのが、人材の確保やどのように効率的に業務体制を構築するかだ。物流業界においては慢性的な人手不足を抱えており、一部の大手EC業者では高度なDXが進んでいる。そこまで行かなくとも一部をうまく自動化することで、肉体的負担をある程度軽減できるので、女性でも働くことが可能だ。実際に女性の従業員は荷物の取り扱いが丁寧なため荷主からの評価が高いということも耳にする。

従来の屈強な男たちが働く職場というイメージから、女性や若者など多様な人材を受け入れることができる職場に変えるため、北九州市では産学連携による勉強会やシンポジウム等の開催に力を入れている。地元の物流企業と協力し、中学高校ですでに機械化が進んでいることを知ってもらう出前講義も検討中だ。昨年11月には中高生を対象とした職業体験イベントを開催し、物流企業のブースはかなり盛況だった。

今後は、物流施設集積地域への通勤手段の確保など、多様な人材が働きやすい環境の整備に向けて事業者と連携して取り組んでいきたいと池田氏は話す。

北九州市物流拠点が担う物流の ラストワンマイルとゲートウェイ

今後の九州物流マーケットの鍵となるのは冒頭でも述べた2024年問題、そして半導体だ。今後、荷物の総量は増える一方、2024年問題で労働力不足になる見通しの中、従来の運搬の方法を変える必要が出てくる。

「フェリー港がある北九州市であれば、積載量の多いフェリーで北九州に集めた荷物を高速道路で運んだり、あるいはその逆も可能。北九州の物流拠点が『ラストワンマイル』を担うという考え方です。特に、陸海空の輸送インフラが整っている北九州市だからこそ、輸送インフラの近くに物流拠点を構えることでその強みを発揮できるはずです」(浦氏)

半導体に関しては、コロナ禍で半導体不足が盛んに報じられたことで注目が集まり、TSMCという大企業が熊本に進出したことがきっかけで九州半導体のイメージが強く印象づけられた。これまでも熊本からの輸送に対して北九州市のフェリーや航空機、高速道路などのインフラは使われていたが、北九州市内に蔵置することなく通過していたという。しかし、これが北九州市物流拠点構想により、構造が変わる可能性もあると浦氏は話す。

「海上空港である北九州空港は24時間航空機の離着陸が可能です。北九州空港からは、国際航空貨物便が運航しており、また、2024年4月からはヤマトHDの国内貨物便も就航予定です。半導体サプライチェーンの重要性が高まる中、ゲートウェイとしての北九州市は、調達物流の中継拠点としてだけではなく、製品物流の中継拠点としての機能も担える位置にあります。輸送インフラがそろっているので製造工程の最終加工や製品梱包等は北九州で行い、需要に応じてすぐオーダーをかけそれぞれの輸送モードから配送する物流が今後展開可能なのではないか。こうした輸送フローは2024年問題への解決策としても機能します。そのようなニーズは徐々に企業から出てきていますし、そこで北九州市の可能性が再評価されるのではないかと思っています」(浦氏)

物流リーディングプロジェクト図(略図)

詳しくは、北九州市物流拠点構想ウェブサイトをご覧ください。
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/san-kei/341_00006.html

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