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株式会社アペルザ|成長ベンチャーに訊く

  • 2025年1月23日

日本開国ゆかりの地、横浜で
日本のものづくり産業と世界を結んでいく。

株式会社アペルザ

中小企業が支える日本のものづくり産業を、世界へオープンにしていきたい。その想いのもと、ものづくり産業向けオンラインプラットホームを運営する株式会社アペルザ。会社設立以来、横浜に拠点を構え、横浜から世界を望む。果たしてその理由とは? 社名に込めた想いからオフィスのことまで、代表取締役社長の石原氏に詳しく訊いた。

株式会社アペルザ
代表取締役社長
石原 誠

株式会社アペルザ 代表取締役社長 石原 誠氏

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株式会社アペルザ

海外のマーケットを見据え、日本のものづくり産業を支援

アペルザは、ものづくり産業向けに特化したオンラインプラットホームを運営しています。ものづくりや研究開発に役立つ情報を発信するポータルサイトをはじめ、動画サービスやECモール、セールスマーケティングのDXを支援するSaaSも提供しています。現在は国内展開のみですが、日本のものづくりの技術や品質は海外でも高く評価されており、ゆくゆくは国内の売り手と海外の買い手を結ぶような役割も果たしていきたいと考えています。

私はもともと、経営者になろうとは、1ミリも考えていませんでした。きっかけは、新卒で就職した企業で社内ベンチャーの立ち上げに参画したこと。そこで経営に携わることになり、仕事の面白さややりがいを感じるようになりました。その後、会社を離れた後に、英語学習アプリの会社を立ち上げるなど、ビジネスアイデアの具現化に取り組みました。そのような状況が続く中、「残りの人生をかけて取り組むべきビジネスって何だろう?」、そう考えたことが、アペルザを起業するスタートになりました。

製造業は日本の基幹産業として外貨獲得に大きく貢献しています。完成した製品のみならず、それらを製造する設備や構成部品なども海外で高く評価されているんです。実際、工場設備投資の市場規模は大きく、そして今もなお拡大を続けています。ただ、その製造業を支えているという設備産業のほとんどは、中小企業で構成されていて、業務の現場を見てみると、大半は今もアナログ的に進められています。コロナ禍をきっかけにようやくIT化やDXが意識され始めたという状況です。

アペルザは、そんなものづくり産業に携わる皆さんのセールスマーケティング業務のDXを支援したく、2016年に立ち上げました。社名は、ラテン語でオープンを意味する「アペルト」に、楽市楽座の「座」を加えてつくった造語です。製造業を世界へオープンにしていく職人集団という意味を込めています。現在、買い手として約60万人以上の方にご利用いただいており、売り手としての利用企業も1万社を超えるところまできました。市場の5分の1の企業にご利用いただいているという水準です。まだまだ成長の余地は大きいので、社員を増員しながら丁寧に取り組んでいきたいと考えています。

株式会社アペルザ

法人化以降の拠点はずっと横浜、開放感あふれるゆとりのオフィス

アペルザは横浜で法人になる前、東京を拠点に6、7人のメンバーで活動していました。港区浜松町の雑居ビルの一室で、気分転換に窓を開ければ、10センチ先には隣のビルの壁があり、太陽光なんて1ミリも入ってこない感じでしたね(笑)。世界を目指す会社らしくないなと鬱々とした気分でいました。創業を機に新しい拠点の地を考え始めたのですが、IT業界のスタートアップ企業ですから、東京を離れすぎてはいけないと思う一方、海外のスタートアップ企業を見れば、郊外を拠点にしているケースも多い。そう考え、周りの環境に恵まれた横浜へ移転することにしました。横浜には日本が開国後、日米修好通商条約で最初に開いた港があります。世界へ製造業をオープンにしていこうとするアペルザにとって、ぴったりの場所だと思いました。以来、ここ横浜を拠点に事業を展開しています。

横浜のオフィスの相場は東京よりも安いです。しかし、移転した頃、横浜にはあまり小さなオフィスはなく、想定よりも広いオフィスを借りることに。当時の私たちは、社員数もかなり少なかったので、オフィスには随分とゆとりがあってキャッチボールができるくらいでしたね。間仕切りのないオープンなつくりで、会議室などの個室も少ないほうだと思います。オフィスの内装やインテリアは、会議室と床以外は、ほとんど自分たちでDIYしました。必要なものがあればネットで取り寄せ、「さぁ、次はデスクをつくるぞ!」と、まるで工場のラインのように、みんなで横に並んで組み立てることもありました。現在、社員は増えましたが、デスク周りにはまだゆとりがあり、社員たちは開放的なオフィスで横浜のベイエリアが見渡せる景色を眺めながら仕事をしています。ただ、それもコロナ禍でリモートワークが浸透し、人員増に対応しやすくなったからです。もしコロナ禍がなければ、移転をしなければならなかったですし、実際にコロナ禍前には他のオフィスを探したりもしていました。

株式会社アペルザ

想いを共有しながら働く、そのためのオフィスを提供したい

コロナ禍のときには、このオフィスで最も眺めの良い部屋に撮影スタジオをつくることになりました。事業拡大や会社の理念などに従い、オフィスのかたちを変えるケースもあるかと思います。アペルザは、日本のものづくり産業と海外をつなげたいという強い想いを持つ会社であり、それこそが日本の未来を明るくするというビジョンを共有しながら、スタッフのみんなで仕事をしたいと考えています。そのため、いかに出社する価値のあるオフィスであるべきかを常に念頭に置いています。自宅より、会社の方が気持ちよく仕事ができる。そう思ってもらえるオフィスでありたいです。

アペルザは今、プロダクトのラインアップが充実してきました。今後はそれを伸ばしつつ、海外展開にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。採用面では営業や開発を中心に、数十人規模の増員が必要になってくると思いますし、横浜に本社を置きつつ、大阪、名古屋、福岡など、支店の展開も計画しています。ベンチャー企業は東京に拠点を置くことが多いですが、私としてはもっといろいろな地域から出てきてほしいですね。アペルザが横浜にいるのもそれが理由です。ここ横浜を拠点に、地方から日本のものづくり産業を世界へ届けていきたいと考えています。

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上記内容は BZ空間誌 2024年冬季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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