銀座ハイストリート賃料、コロナ禍以降初の上昇
ラグジュアリーブランドが牽引し前期比+3.8%
全国主要商業エリアの貸店舗市場動向をまとめた四半期レポート。
銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷、心斎橋、梅田、栄、京都、神戸、福岡の最新動向を掲載。
小売業販売額* | 全国百貨店 売上高** |
消費者態度指数 22年12月*** |
銀座ハイストリート 空室率Q4**** |
銀座ハイストリート 賃料Q4**** |
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+3.6% 10~12月 (前年同月比) |
+6.0% 10~12月 (前年同月比) |
+1.7pts (前期比) |
-0.1pts (前期比) |
+3.8% (前期比) |
前期(Q3)より、空室率の調査対象フロアを「店舗ニーズの高い1階に限定」から「1階を含む賃貸区画のすべて」に変更しています。
出所: * 経済産業省、** 日本百貨店協会、***内閣府、****CBRE
- 東京・銀座ハイストリート空室率は、対前期比0.1ポイント低下の7.6%となった。前期からリテーラーが出店を検討していた空室で、テナントが決定した。銀座ハイストリート賃料は、対前期比3.8%上昇の25.07万円(月/坪)。ハイストリートの中でも好立地では、前期の相場を超える賃料水準でも出店したいというラグジュアリーブランドが、複数みられていることが主因。
- 大阪・心斎橋ハイストリート空室率は、対前期比6.4ポイント低下の7.6%。100坪を超える複数の空室で、ポップアップストアの出店が決定した。心斎橋ハイストリート賃料は、対前期比横ばいの15.20万円。ハイストリートの御堂筋では、複数のラグジュアリーブランドからの出店ニーズがみられている。一方、募集物件は限定的で、数年後の竣工を予定している開発計画でもテナントが内定している。
- 名古屋・栄ハイストリート空室率は、対前期比0.4ポイント低下の0.0%となった。ポップアップストアが終わり空室だった区画で、テナントが決定した。栄ハイストリート賃料は対前期比1.4%上昇の7.10万円。高級時計などの出店ニーズに対して募集物件が少なく、賃料の押し上げ要因となった。
Figure 1 :2022年Q3 ハイストリート空室率(上段)vs プライム&ハイストリート賃料(下段)
マクロ経済
2022年Q4の全国百貨店売上高は、前年同期比6.0のプラス
2022年10-12月の全国百貨店売上高は、対前年同期比6.0%増となった。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛が一部でみられたものの、行動制限のない年末商戦は活況だった。前期に引き続き、ラグジュアリーブランドや宝飾品の売り上げが好調だったほか、気温の低下によって防寒商品の売り上げが伸びた。顧客別では、12月のインバウンドの売り上げが対前月比で484.7%増えた。
2022年12月の消費者態度指数は、対前月比1.4ポイント上昇の30.3、4カ月ぶりに改善した。理由として、新型コロナウイルスの感染者数は増加したものの、ウィズコロナのもとで経済活動の正常化が進んだことが挙げられる。また、インフレの要因であった円安や資源高に、一服感がみられたこともプラスに働いた。
Figure 2: 消費者態度指数
Figure 3: 小売業販売額vs 全国百貨店売上高店舗数調整後
Figure 4: 訪日外客数