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東京 - JRMV2018年第3四半期

賃料相場

2018年11月20日

銀座

既に路面店舗を持つブランドが2店舗目の出店を検討

今期(Q3)銀座の空室率は前期比横ばいの1.7%となった。前年同期に比べると0.9ポイントの上昇。面積が比較的大きく、賃料総額が高額となる物件で空室が長期化していることが背景。一方、リテーラーの出店ニーズは増えており、銀座エリアに路面店舗がない複数のテナント から申し込みが入った物件もみられた。

銀座ハイストリートの賃料は25.4万円/坪と、4期連続の横ばいとなった。相場水準で募集していた物件では、オーナーの希望賃料でテナントから申し込みが入っている。賃料は既に底入れしたとみられ、今後2年間でボトムレンジの底上げにより10%弱の上昇を予測する。

Figure 3 : 銀座ハイストリートの賃料Figure 3 : 銀座ハイストリートの賃料

Figure 4 : 空室率

  Q3 2017 Q4 2017 Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018
銀座 0.8% 1.5% 1.8% 1.7% 1.7%

今期の出店ニーズを牽引したのは、ラグジュアリーブランド、コスメ、自動車、ショールーム型店舗など。前期に引き続き、特にラグジュアリーブランドの出店ニーズがハイストリートを中心に増えている。その多くは、銀座エリアに路面店舗がないブランドによる新規出店だ。また、既に銀座エリアに路面店舗を持つブランドが、2店舗目の出店を検討する動きも複数ある。一方、既存店を持つリテーラーの中には、採算性やオペレーションの向上を目的とした移転ニーズがある。ただし、銀座エリアの好立地では条件に合う物件がないため、同時に表参道エリアも検討している事例が複数ある。

Figure 5 : 東京プライム賃料推移(銀座)(円/坪)

今期のプライム賃料は13期連続横ばいの40万円/坪となった。ラグジュアリーブランドの出店ニーズは増えている一方、賃料レンジの上限値をさらに押し上げる事例はみられなかった。一方、セカンダリーエリアでは、営業不振とみられる退店があったものの、周辺の相場賃料を超える金額で申し込みが入っている。

表参道・原宿

引き続きポップアップストアの出店ニーズが集中

今期の出店ニーズを牽引したのは、ラグジュアリーブランド、ポップアップストア、食物販など。ハイストリートの好立地の物件では、現行テナントの賃料を超える金額で複数のラグジュアリーブランドから申し込みが入った事例があった。銀座と同じく、表参道エリアの既存店売上高が好調なブランドの2店舗目の出店ニーズもみられる。一方、同じハイストリートの物件でも、面積が比較的大きく、賃料総額が高額となる物件では、引き合いが弱いものもみられる。
前期に引き続き、ポップアップストアの出店ならびに出店ニーズが多い。中には、若者に訴求したいラグジュアリーブランドが、コンビニエンスストアを模した店舗を出店し話題を集めた事例もあった。

キャットストリートでは、幅広い業種の出店ニーズが集まっている。面積が比較的大きく、賃料総額が高額となる物件でも、スポーツブランドやカジュアルなアパレルブランドが申し込みを入れた事例があった。また定期借家契約期間の満了を迎える既存テナントが、現行賃料を上回る金額で再契約した事例もあった。

一方、ハイストリートから少し中に入った歩行者量が少ないエリアでは、テナントの引き合いが弱い物件が複数みられている。

新宿

複数のドラッグストアが競合し賃料が上昇

今期の出店ニーズを牽引したのは、ドラッグストアなど。ハイストリートの開発物件では、2020年度竣工予定までにまだ時間があるにもかかわらず、相場を上回る賃料でドラッグストアが検討している事例があった。また、1つの募集物件に対して複数のドラッグストアが競合し、賃料が競り上った事例もあった。新宿エリアは周辺に宿泊施設が多いため、訪日外国人に人気の買い物エリアの1つである。そのため、インバウンド需要の取り込みを狙った複数のドラッグストアの出店ニーズが集まっている。また、他エリアに比べて販売効率が高く、ハイストリートではテナントの入れ替えが比較的少ないため、空室が少ない。そのため、好立地の募集物件では、ドラッグストア以外のアパレルやファッションブランドなどからも申し込みが入っている事例がある。

渋谷

「渋谷ストリーム」が開業、商業ゾーンは飲食に特化

今期は、公園通りでスポーツ専門店がオープンした。面積は約350坪と比較的大型の店舗である。2018年に入ってから、渋谷ではスポーツやアウトドアショップの出店が続いている。渋谷エリアには試合観戦ができるスポーツバーが多く、FIFAワールドカップなどの世界大会期間には多くのサポーターが同エリアに集まることなども背景として考えられる。また、フィットネスの出店ニーズが複数あるなど、今後もスポーツ関連テナントのニーズが集まりそうだ。

9月、渋谷駅南側に大型複合施設「渋谷ストリーム」が開業した。 1Fから3Fの商業ゾーンは飲食に特化しており、日本初出店や新業態を含む30店舗が入居している。話題性の高い店舗を集積させることで、オフィスワーカーや近隣住民のニーズの取り込みなど、渋谷駅南側への人の流れを増進する狙いがあると推察する。

Figure 6 : エリア別出店割合(件数)Figure 6 : エリア別出店割合(件数)

Figure 7 : 業態別出店割合(件数)Figure 7 : 業態別出店割合(件数)

Figure 8 : 主な新規出店事例(東京)Q3 2018

テナント エリア 推定面積(坪) 施設名
ムーレ 銀座 85 コイズミビル
デザインワークス 銀座 50 銀座能楽堂ビル
アシックス ランウォーク 銀座 N/A 第3ソワレ・ド・ビル
ウーリッチ 表参道・原宿 50 N/A
アベマハウス 表参道・原宿 N/A N/A
シーディージー 表参道・原宿 N/A ジャイル
ジルサンダー 表参道・原宿 N/A 隠田今泉ビル
レッド ヴァレンティノ 表参道・原宿 25 N/A
ポール & ジョー 表参道・原宿 N/A ネスト原宿IV
台湾甜商店 新宿 N/A ミラザ新宿ビル
ゲス 新宿 N/A N/A
スーパースポーツゼビオ 渋谷 350 N/A

出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q3 2018

Figure 9 : 今後の新規供給(東京)(延床面積1,000坪以上)

施設名 エリア 推定面積(坪) 事業主 オープン
ヒューリックスクエア東京 有楽町 4,700 ヒューリック 2018年10月
マロニエ×並木 読売銀座プロジェクト 銀座 4,300 読売新聞東京本社 2019年春
(仮称)新宿南口プロジェクト 新宿 13,350 三菱地所など 2019年8月
渋谷駅地区 道玄坂街区開発計画 渋谷 17,750 道玄坂一丁目駅前地区市街地 再開発組合 2019年10月
宇田川町14・15番地区第一種市街地再開発事業 渋谷 19,360 パルコ、ヒューリック 2019年10月
渋谷スクランブルスクエア(第 I 期) 渋谷 9,000 東京急行電鉄など 2019年度
(仮称)原宿駅前プロジェクト 表参道・
原宿
3,300 NTT都市開発 2020年春
新宮下公園等整備事業(南街区) 渋谷 5,000 三井不動産 2020年3月
新宮下公園等整備事業(北街区) 渋谷 9,100 三井不動産 2020年3月
(仮称)神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業 表参道・
原宿
6,700 東急不動産など 2020年
(仮称)宇田川町32開発計画 渋谷 1,000 ヒューリック 2021年
(仮称)銀座6丁目開発計画 銀座 1,600 ヒューリック 2021年
(仮称)渋谷区道玄坂二丁目開発計画 渋谷 12,400 ドンキホーテホールディングス 2022年
渋谷スクランブルスクエア(第 II 期) 渋谷 12,100 東京急行電鉄など 2027年度

注:店舗以外の他用途を含むケースあり 出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q3 2018

調査概要
調査対象 空室率
・CBREが独自に設定した銀座のハイストリート(154棟)
・対象フロアは店舗ニーズの高い1階に限定
プライム賃料/銀座ハイストリート賃料
・CBREが独自に設定した対象地
・ワンフロアの面積が200㎡程度の建物を想定
・対象フロアは店舗ニーズの高い1階に限定
調査時点 四半期 (第1四半期)3月末(第2四半期)6月末(第3四半期)9月末(第4四半期)12月末 時点集計
調査方法 空室率
・空室は集計時点で即入居可能であるものを対象(新築施設は竣工済みのものが対象)
プライム賃料
・対象地のサンプル調査に基づく想定成約賃料の上限値 (共益費を含み、フリーレント等のインセンティブは考慮しない)
銀座ハイストリートの賃料
・対象地のサンプル調査に基づく想定成約賃料の上限と下限の平均値
(共益費を含み、フリーレント等のインセンティブは考慮しない)

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