貸店舗・賃貸店舗の記事

リテールマーケットビュー 2020年第2四半期

賃料相場(最新)

2020年9月8日

銀座ハイストリート賃料は向こう1年の下落傾向を予想

全国主要商業エリアの貸店舗市場動向をまとめた四半期レポート。
銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷、心斎橋、梅田、栄、京都、神戸、福岡の最新動向を掲載。

小売業販売額* 全国百貨店売上高** 訪日外客数*** 銀座ハイストリート賃料
Q2****

-1.2% 6月
(前年同月比)

-19.1% 6月
(前年同月比)

-99.9% 4~6月
(前年同期比)

-2.2% 1~3月
(前期比*1

出所: * 経済産業省、** 日本百貨店協会、*** 日本政府観光局、**** CBRE

2020年4月の全国百貨店売上高は過去最大のマイナス

新型コロナウイルスCOVID19感染拡大の影響に伴い、2020年4ー6月期の全国百貨店売上高はいずれの月も前年同月比で大幅なマイナスとなった。特に緊急事態宣言が発令された4月は、人々の外出自粛、店舗の営業自粛が要請された影響から、前年同期比72.8%減となった。マイナス幅は過去最大だった前月3月:33.4%減からさらに拡大した。2020年4ー6月期の訪日外客数は、前年同期比99.9%減の7,217人。新型コロナウイルス感染拡大によって、多くの国で海外渡航制限の措置がとられたこと、また日本でも検疫強化や査証の無効化などの措置がとられたことから、前年同期を大幅に下回った。特に5月は1,700人と、前年同月の277.3万人を大きく下回っている。

東京・銀座では、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、リテーラーの出店ニーズは減少したものの、希少な一等地への出店には前向きなラグジュアリーブランドがみられた。そのため今期Q2の東京プライム賃料は、19期連続横ばい1の40万円月/坪となった。一方、大阪・心斎橋では、プライム賃料を牽引していたドラッグストアの出店ニーズが、インバウンド需要の激減によってほぼなくなったことから、大阪プライム賃料は対前期比*216.6%減の25万円月/坪となった。同じく名古屋・栄でもドラッグストアの出店ニーズの消滅により、名古屋プライム賃料は同14.3%減の12万円月/坪となった。

*1 2020年Q1はプライム賃料の集計を行っていない。新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、成約事例の大幅な減少により賃料想定が困難になっていたため。
*2 前期は2019年Q4を指す。2020年Q1はプライム賃料の集計を行っていないため。

Figure 1 : 小売業販売額 vs 全国百貨店売上高 店舗数調整後 Figure 1 : 小売業販売額 vs 全国百貨店売上高 店舗数調整後

Figure 2 : 訪日外客数 Figure 2: 訪日外客数

Figure 3: 銀座ハイストリートの賃料 (円/坪) Figure 3: 銀座ハイストリートの賃料 (円/坪)

東京:銀座

リテーラーの引き合いはあるも出店検討には時間を要する

今期、ハイストリートの空室率は、前回調査した2019年Q4時点*3と比べて0.4ポイント低下の1.7%となった。ただし、水面下ではテナントを募集している物件が増えている。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、テナントが退店を決めた事例が複数あったことなどが理由として挙げられる。

銀座ハイストリートの賃料は対前期比2.2%減の25.22万円月/坪となった。国内消費、ならびにインバウンド需要の回復には時間を要することが予想される。そのため、今後は空室物件が増えること、リテーラーの出店ニーズが弱含むことが考えられる。賃料は2020年Q2時点から最大9.4%落ち込む2021年Q1とみられる。ただし、2021年Q2には上昇に転じ、向こう2年間では5.0%減に回復すると予測する。背景として、1年延期された東京オリンピックが開催されることで、消費者のマインドが改善しリテーラーの出店意欲が高まることが挙げられる。

ハイストリートの中央通りにある開発物件では、ラグジュアリーブランドやジュエリーブランド、ショールーム型店舗などから引き合いがある。その多くは、銀座に路面店舗がないリテーラーや、建て替えや契約満了によって既存店舗からの移転ニーズがあるリテーラーだ。ただし、申し込みや契約までの検討には、やや時間を要している。

一方、ハイストリートから少し中に入ったエリアでは、新型コロナウイルス感染拡大前に賃貸借契約を締結したリテーラーが、違約金を支払って契約を解除した事例があった。今後、感染拡大の影響を受けて既存店舗を閉店するテナントが増えると考え、より好立地に好条件で出店できると判断したことが主因。また路面店舗を出店するテナントが、来年秋の定期借家契約の満了を待たずに、違約金を支払って契約を解除する事例もあった。新築物件を含む上層階の店舗区画では、出店キャンセルや契約期間満了前の退店が複数ある。後継テナントの引き合いは弱いものの、好立地の築年数の浅い物件ではオーナーが希望する賃料水準で美容系サービスから強い引き合いがみられている。

ラグジュアリーブランドやグローバルブランドなど、銀座エリアのハイストリートに旗艦店舗を出店したいというニーズは複数ある。中には、300坪を超える大型店舗も含まれている。ただし、実際の出店検討は予算が下りる2021年以降としていることから、こういったニーズが顕在化するには少し時間が掛かりそうだ。

*3 2020年Q1は空室率の調査を行っていない。新型コロナウイルスの感染リスクを考慮し、繁華街での調査を控えたため。

空室率

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
銀座 1.2% 2.0% 2.1% 1.7%

出所:CBRE、Q2 2020

プライム賃料(円/坪)

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
銀座 400,000 400,000 400,000 400,000

出所:CBRE、Q2 2020

東京:表参道 ・ 原宿

好立地では募集賃料の1.5倍でテナントが内定

キャットストリートの好立地にある募集物件では、複数のリテーラーから申し込みが入り、募集賃料の1.5倍の金額でテナントが決まった事例があった。募集賃料が相場を下回っていたとはいえ、面積が50坪前後と汎用性が高く、立地評価が高かったことが主因。オーナーは、賃料のアップサイドを狙うよりも、早期にテナントを決めることを優先していた。一方、ハイストリートの表参道にある物件では、既存テナントが退店を検討する事例があった。後継テナントの引き合いは複数あるものの、オーナーの希望条件とは乖離がみられている。地価の上昇によって固定資産税が上がっており、オーナーは収益性に照らして受け入れの是非を検討している。ハイストリートから少し中に入った物件でも、飲食テナントが退店する事例が複数あった。中には、オープンから1年未満のテナントが含まれている。後継テナントからの引き合いはあるものの、類似の空室が増えているため、リテーラーは物件の比較検討に時間を掛けている。

セカンダリーエリアにある複数の新規開発物件では、内定していたテナントがキャンセルになった事例があった。新たなリテーラーからの引き合いはあるものの、賃貸条件はオーナーの希望条件を満たしていないケースが複数ある。

オープン時期を延期していた原宿駅前の複合施設「WITHHARAJUKUウィズ原宿」が、6月5日にオープンした。密集を避けるため、入居している14のテナントは日をずらして順次オープンした。原宿エリア初出店のテナントがあるほか、国内大手ファストファッションが、約600坪の大型店舗を出店している。

今期の表参道・原宿プライム賃料は、ブランディング目的の出店ニーズの減少や空室の増加などから、対前期比5.7%減の33万円となった。

空室率

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
表参道・原宿 1.0% 1.2% 0.8% 1.9%

出所:CBRE、Q2 2020

プライム賃料(円/坪)

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q1 2020
表参道・原宿 350,000 350,000 350,000 330,000

出所:CBRE、Q2 2020

東京:新宿

複数のリテーラーが既存店舗の転貸を検討

ハイストリートである新宿通りに旗艦店舗を出店しているテナントが、業績不振により転貸を希望する事例があった。ハイストリートの中でも好立地にあるため賃料単価が高く、また面積が大きく賃料総額が高額となることから、後継テナントのリーシングは区画を分割することも視野に入れている。また、ハイストリートの上層階に出店する、インバウンド需要によって業績を伸ばしていたテナントが、既存店舗の一部を解約または転貸することを検討している事例があった。

一方、セカンダリーエリアにある800坪を超える大型の募集物件では、日本初出店のリテーラーやシェアオフィスなど、複数の引き合いがみられている。

JR東日本は、新宿駅の東西自由通路を7月19日から供用開始すると発表した。これに伴い、これまで駅によって分断されていた東西エリアの往来がしやすくなり、駅周辺の回遊性が高まることで経済効果が期待される。

今期の新宿プライム賃料は、夜の街でクラスターが発生したことなどによってエリアを訪れる消費者が減っており、リテーラーの出店ニーズが弱含んでいることから、対前期比10%減の31.5万円となった。

プライム賃料(円/坪)

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
新宿 330,000 330,000 350,000 315,000

出所:CBRE、Q2 2020

東京:渋谷

インバウンド需要の激減によってドラッグストアが閉店

ハイストリートの中でも好立地の物件では、複数のリテーラーが申込みをした結果、ドラッグストアで内定した事例があった。新型コロナウイルス感染拡大前の契約だった模様。一方、インバウンド需要が激減したことによって、閉店したとみられるドラッグストアもあった。

セカンダリーエリアの募集物件では、ファッションブランドが既存店舗からの移転を検討している事例があった。入居物件が再開発エリアに入っていることから、退去を余儀なくされているようだ。一方、面積が比較的大きく賃料総額が高額となる募集物件では、出店を検討していたエンターテイメント施設が検討を止めた事例があった。今後の引き合い次第では、区画を分割して募集する可能性がある。

オープン時期を延期していた複合施設「ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)」が、7月28日にオープンすると発表された。物販とサービス店舗は7月28日、飲食店舗は8月4日にそれぞれオープンし、しばらくは事前予約制による入場制限を行うとしている。

今期の渋谷プライム賃料は対前期比横ばいの33万円となった。エリア全体ではリテーラーからの引き合いは弱いものの、ブランドの認知度向上を考えるリテーラーからの、スクランブル交差点近辺に対する立地評価が引き続き高かったことが主因。テレビに映る機会が多いことなどが背景にある。

プライム賃料(円/坪)

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
渋谷 330,000 330,000 330,000 330,000

出所:CBRE、Q2 2020

Figure4:エリア別出店割合(路面店舗、件数)

Figure 4: エリア別出店割合(路面店舗、件数)

Figure5: 業態別出店割合(路面店舗、件数) Figure 5: 業態別出店 割合(路面店舗、件数)

Figure 5 : 主な新規出店事例(東京)Q2 2020

テナント エリア 推定面積(坪) 施設名
ジョージ ジェンセン 銀座 70 VORT 銀座 miyuki st
ロロ・ピアーナ 銀座 200 N/A
ウブロ 銀座 100 N/A
ユニクロ 銀座 1,350 マロニエゲート2
イケア 表参道・原宿 760 ウィズ原宿
ユニクロ 表参道・原宿 600 ウィズ原宿
UGG@mos 表参道・原宿 N/A インガレッソ
コメ兵 新宿 N/A 猪山第2ビル
オークリー 渋谷 70 N/A

出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q2 2020

Figure 6 : 今後の新規供給(東京)(延床面積1,000坪以上)

施設名 エリア 推定面積(坪) 事業主 オープン
ミヤシタパーク(南街区) 渋谷 5,000 三井不動産 2020年7月
ミヤシタパーク(北街区) 渋谷 9,100 三井不動産 2020年7月
ジ アーガイル アオヤマ 表参道・原宿 6,930 三菱地所 2020年7月
(仮称)宇田川町32開発計画 渋谷 1,000 ヒューリック 2021年3月
(仮称)銀座6丁目開発計画 銀座 1,600 ヒューリック 2021年
(仮称)南青山三丁目計画 表参道・原宿 4,500 三菱地所 2022年9月
歌舞伎町一丁目地区開発計画 新宿 26,620 東急電鉄、東急レクリエーション 2022年秋
(仮称)神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業 表参道・原宿 6,000 東急不動産など 2022年
(仮称)渋谷区道玄坂二丁目開発計画 渋谷 12,400 パン・パシフィック・インターナショナルホール ディングス 2023年3月
青朋ビル建替計画 表参道・原宿 4,840 青朋ビル、独立行政法人都市再生機構 2023年9月
渋谷スクランブルスクエア(第 II 期) 渋谷 12,100 東京急行電鉄など 2028年3月

注:店舗以外の他用途を含むケースあり 出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q2 2020

関西:心斎橋

エリア賃料を牽引したドラッグストアの出店ニーズが激減

ハイストリートの御堂筋にある物件では、ショールーム型店舗が募集賃料水準で申し込みを入れた事例があった。新型コロナウイルス感染拡大前は、本物件への出店を検討するリテーラーが複数いたものの、拡大後は本国の決済がとれない、出店の方針が定まらないなどの理由から、商談が進展しなかった。また、御堂筋の中でも引き合いの弱い募集物件はあるものの、既存テナントの退去まで時間があることから、募集賃料を下げるには至っていない。心斎橋筋商店街では、関西初出店となる食物販が申込みを入れた事例があった。

心斎橋エリアの既存店舗のうち、インバウンド比率が高かったテナントの中には、日本人向けに業態を変更したところや転貸先を探しているところ、再契約の交渉が難航しているところがある。また、インバウンド需要の取り込みに成功し、エリア賃料の上昇を牽引していたドラッグストアの出店ニーズは、ほぼなくなっている。

空室率

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
心斎橋 1.5% 0.8% 0.9% 1.3%

出所:CBRE、Q2 2020

プライム賃料 (円/坪)

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
心斎橋 300,000 300,000 300,000 250,000

出所:CBRE、Q2 2020

関西:梅田

複数のテナントが既存店舗を退店、または退店を検討

既存店舗の売上減少に伴い、既に退店、または退店を検討しているテナントが複数みられた。中には、オープンから数年のテナントが含まれている。新型コロナウイルス感染症の収束ならびに売上の回復には時間が掛かると判断した模様。大阪駅の南側にある商業施設では、出店が内定していた海外ブランドがキャンセルになったほか、既存リテーラーの一部から解約通知が出ている。当施設では、人の流れの減少を背景に感染拡大前から空室が散見されており、今後のリーシングには苦戦が予想される。

一方、3月上旬に閉店した書店跡に国内ファストファッションがオープンした事例があった。既に梅田エリアには複数店舗を出店しているが、駅改札前という利便性の高さから通勤・通学客の取り込みを狙った出店のようだ。また、梅田エリア初出店となる食物販が、商業施設内にオープンする事例もあった。

今期の梅田プライム賃料は、通勤客の減少を背景に多くの既存店舗の売上が下がっていることなどから、対前期比16.7%減の25万円となった。

プライム賃料 (円/坪)

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
梅田 300,000 300,000 300,000 250,000

出所:CBRE、Q2 2020

関西:京都

ハイストリートの物件で複数のドラッグストアが閉店

ハイストリートの四条通にある物件では、インバウンド需要の取り込みを狙って出店していた複数のドラッグストアが退店する事例があった。また、従前より業績不振だったアパレルテナントが、新型コロナウイルス感染拡大を契機に退店を決めたとみられる事例が複数あった。さらに、内定していた海外リテーラーが本国からの承認がとれず、出店をキャンセルした事例もあった。前期に引き続き、既存店舗の売上が減少したテナントの中には、賃料の減額を要請しているところが複数ある。オーナーと条件が折り合わないことで、退店するテナントがさらに出ることが考えられる。一方、募集物件の増加を好機ととらえ、有利な賃貸条件で出店したいと考えるリテーラーが複数みられている。

今期の京都プライム賃料は、賃料上昇を牽引していたドラッグストアの出店ニーズがなくなったことから、対前期比14.3%減の12万円となった。

プライム賃料 (円/坪)

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
京都 140,000 140,000 140,000 120,000

出所:CBRE、Q2 2020

関西:神戸

もともとインバウンド需要少なくプライム賃料の落ち込みは小さめ

三宮駅前の新規開発物件では、リテーラーからの引き合いはあるものの、高単価な賃料設定がネックとなりテナントの内定には至っていない。当物件では、出店を検討していたリテーラーが新型コロナウイルス感染拡大に伴いキャンセルしたが、募集賃料の水準は変わっていない。旧居留地ではショールーム型店舗の出店を検討していた企業が複数あったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、検討を見送っている。一方、元町商店街などのセカンダリーエリアにある募集物件では、複数のリテーラーからの引き合いがある。中には、ロードサイド型店舗を得意としていたリテーラーが、新たな形態として路面店舗を出店しようとする動きもある。

今期の神戸プライム賃料は、買い物客の減少を背景に既存店舗の売上が下がっていることなどから、対前期比7.7%減の12万円となった。従前からインバウンド需要が少なかったため、他エリアに比べて賃料の落ち込みは小さい。

プライム賃料 (円/坪)

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
神戸 130,000 130,000 130,000 120,000

出所:CBRE、Q2 2020

名古屋:栄

内定テナントの取り消し出るも再募集に新たな出店ニーズ

ハイストリートの大津通にある募集物件では、既に栄エリアに路面店舗を持つリテーラーが、2店舗目の出店を検討している事例があった。同じ大津通にある別の募集物件では、栄エリアに路面店舗がないリテーラーが出店を検討しているものの、募集賃料を下回る申し込み賃料をさらに下げようとする動きがあった。新型コロナウイルスの感染拡大前に想定した客数や売上高の達成が、困難だと判断したことが主因。また、年内の開業を予定している新規開発の店舗区画では、内定していたテナントが出店をとりやめた事例が複数みられている。ただし、立地のよさを背景に、再募集の区画では新たな出店ニーズがみられている。

ハイストリートから少し中に入った、比較的面積の大きい募集物件では、アパレルブランドの出店が決まった事例があった。一方、インバウンド需要の激減と同業他社との競争激化などを背景に、既存店舗を解約ないしは閉店したドラッグストアが複数みられている。

三井不動産は、テレビ塔を中心とした久屋大通公園の北エリアにおいて、「Hisayaodori Park(ヒサヤオオドオリパーク)」を9月にオープンすると発表した。予定をやや遅れての開業となった。南北約1kmに渡る公園内に24棟の店舗施設を設置し、名古屋初出店の飲食や物販店舗を含む約35店舗が出店する。これによって、錦通や錦通以北の大津通などに新たな人の流れができると期待し、同エリアに出店を検討するリテーラーがみられている。

空室率

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
1.8% 0.0% 0.0% 0.0%

出所:CBRE、Q2 2020

プライム賃料 (円/坪)

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
140,000 140,000 140,000 120,000

出所:CBRE、Q2 2020

Figure 8 : 主な新規出店事例(大阪・名古屋)Q2 2020

テナント エリア 推定面積(坪) 施設名
トレック 梅田 80 梅ヶ枝中央ビル
アインズ&トルペ 梅田 100 大丸梅田店
伊右衛門カフェ 梅田 40 ルクアイーレ
コム デ ギャルソン 心斎橋 N/A TODA BUILDING心斎橋
チャンピオン 心斎橋 N/A N/A
オペークドットクリップ N/A メルサ栄本店
ゾフ N/A メルサ栄本店

出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q2 2020

Figure 9 : 今後の新規供給(大阪・名古屋)(延床面積1,000坪以上)

施設名 エリア 推定面積(坪) 事業主 オープン
(仮称)新サンケイビル建替プロジェクト 梅田 5,000 サンケイビル 2020年9月
(仮称)「丸栄」跡地 N/A 興和 2020年末
大阪梅田ツインタワーズ・サウス( II 期) 梅田 *7,300 阪急阪神ホールディングス 2021年秋
(仮称)梅田3丁目計画 梅田 41,000 日本郵政グループ、JR西日本 2023年度

注:店舗以外の他用途を含むケースあり *百貨店部分全体から、I期に開業する面積を除く
出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、 Q2 2020

福岡:天神

リーシング苦戦物件は賃料減額によってテナントが内定

ハイストリートの天神西通りにある募集物件では、既存店舗の立ち退きに伴い移転先を探していたリテーラーの入居が内定した事例があった。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてリーシングに苦戦していたが、区画を分割し賃料単価を下げることで後継テナントが決定した。

一方、インバウンド需要の激減によって退店したドラッグストアや、従前より業績不振だったテナントが新型コロナウイルス感染拡大を契機に退店を検討している事例が複数ある。後継テナントの引き合いは弱いものの、現時点で募集賃料を下げようとする動きはみられていない。今後のテナントの出店ニーズを見極めようとする、様子見姿勢のようだ。そのため今期の天神プライム賃料は、対前期比横ばいの10万円となった。

プライム賃料 (円/坪)

  Q2 2019 Q3 2019 Q4 2019 Q1 2020 Q2 2020
天神 100,000 100,000 100,000 100,000

出所:CBRE、Q2 2020

調査概要
調査対象 空室率
・CBREが独自に設定した対象地
 銀座ハイストリート(159棟)、表参道・原宿ハイストリート(238棟)
 心斎橋ハイストリート(165棟)、栄ハイストリート(52棟)
・対象フロアは店舗ニーズの高い1階に限定
プライム賃料/銀座ハイストリート賃料
・CBREが独自に設定した対象地
・ワンフロアの面積が200㎡程度の建物を想定
・対象フロアは店舗ニーズの高い1階に限定
調査時点 四半期 (第1四半期)3月末(第2四半期)6月末(第3四半期)9月末(第4四半期)12月末 時点集計
調査方法 空室率
・空室は集計時点で即入居可能であるものを対象(新築施設は竣工済みのものが対象)
プライム賃料
・対象地のサンプル調査に基づく想定成約賃料の上限値 (共益費を含み、フリーレント等のインセンティブは考慮しない)
・主要都市における、都心商業立地の中の一等地(の賃料)
銀座ハイストリートの賃料
・対象地のサンプル調査に基づく想定成約賃料の上限と下限の平均値
 (共益費を含み、フリーレント等のインセンティブは考慮しない)
・主要都市における、都心商業立地(の賃料)

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