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リテールマーケットビュー 2021年第1四半期

賃料相場(最新)

2021年7月9日

ハイストリートの空室は増加傾向も ラグジュアリーの出店ニーズは堅調

全国主要商業エリアの貸店舗市場動向をまとめた四半期レポート。
銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷、心斎橋、梅田、栄、京都、神戸、福岡の最新動向を掲載。

小売業販売額* 全国百貨店売上高** 訪日外客数*** 銀座ハイストリート賃料
Q1****

+5.2% 3月
(前年同月比)

+21.8% 3月
(前年同月比)

ー98.3% 1~3月
(前年同期比)

ー1.6%
(前期比)

出所: * 経済産業省、** 日本百貨店協会、*** 日本政府観光局、**** CBRE

2021年3月の全国百貨店売上高は18カ月ぶりのプラス

2021年3月の全国百貨店売上高は、対前年同月比21.8%増と、18カ月ぶりのプラスとなった。前年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業自粛の反動などによるもの。商品別では、高級時計やラグジュアリーブランドなどの高額品が同41.6%増だったほか、巣ごもり需要関連の商品が好調だった。

東京・銀座の今期(Q1)のハイストリート賃料は、リテーラーの出店ニーズが弱含んだエリアがみられたことから、対前期比1.6%減の24.3万円となった。一方、希少な一等地への出店には前向きなラグジュアリーブランドが複数みられた。そのため、東京プライム賃料は、22期連続横ばいの40万円(月/坪)となった。大阪・心斎橋でも、ハイストリートの御堂筋で複数のラグジュアリーブランドの出店ニーズがみられたことから、心斎橋ハイストリート賃料は対前期比横ばいの14.1万円、プライム賃料は3期連続横ばいの25万円(月/坪)となった。また、名古屋・栄でも高級時計ブランドの出店ニーズがみられており、栄ハイストリート賃料は対前期比横ばいの7.1万円、プライム賃料は2期連続横ばいの10万円(月/坪)となった。

銀座ハイストリート賃料は対前期比1.6%減の24.3万円、ハイストリートの中でもエリアによってはリテーラーの出店ニーズが弱含んだことが主因。これまでの賃料下落は、半年前にCBREがおこなった予測の範囲内に収まっている。ただし、今後の予測については、賃料が上昇に転じる時期を従前の2022年Q1から同年Q3に先送りした。主な理由として、2021年1月に緊急事態宣言が発出されたほか、4月にはまん延防止等重点措置が適用されたことから、個人消費が弱含みになっていること、新型コロナウイルスのワクチン接種が当初の予定通りに進んでいないこと、などが挙げられる。賃料は向こう1年間では6.0%下落するが、2022年Q3には上昇に転じ、向こう2年間では5.1%減の水準まで持ち直すと予測する。

Figure 1 : 小売業販売額 vs 全国百貨店売上高 店舗数調整後 Figure 1 : 小売業販売額 vs 全国百貨店売上高 店舗数調整後

Figure 2 : 訪日外客数 Figure 2: 訪日外客数

Figure 3: 銀座ハイストリートの賃料 (円/坪) Figure 3: 銀座ハイストリートの賃料 (円/坪)

*1 2020年Q1はプライム賃料の集計をおこなっていない。新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、成約事例の大幅な減少により賃料想定が困難になっていたため。

*2 今期の銀座ハイストリート賃料の予測には、2021年4月25日から東京など4都府県に発出された緊急事態宣言の影響は加味されていない。

東京:銀座

ハイストリートの募集物件に10社近い申し込み

今期(Q1)、ハイストリートの中でも好立地となる物件では、ラグジュアリーブランドを含む10社近いリテーラーが申込みを入れた事例があった。中には、既に銀座エリアに路面店舗があるリテーラーが、好調な業績を背景に2店舗目として出店を検討している事例が含まれている。また、ハイストリートの別の募集物件でも、相場水準の募集賃料に対して複数のリテーラーが満額で申込みを入れた事例があった。しかし、ハイストリートの募集空室は増えつつある。業績不振などによる既存テナントの閉店、ないしは解約不可期間のため後継テナントを探している事例が複数ある。中には、後継テナントの決定前に一時休業に入ることを検討しているテナントもみられている。今期、ハイストリート空室率は、対前期比2.4ポイント上昇の5.7%となった。背景として、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、テナントが退店を決めた事例が複数あったことなどが挙げられる。

長らく空室が続いていたセカンダリーエリアの物件では、コロナ禍以前の募集賃料から大きく減額されたことで、サービス系企業が出店を検討している事例があった。また別の募集物件では、拡張や集約移転を検討している、複数のリテーラーから引き合いがみられた事例もあった。一方、募集賃料が相場を超える物件では、テナントの引き合いが弱く、リーシングに苦戦している。その近隣では、募集賃料が相場水準であるにも関わらず、テナントの引き合いが弱い物件もある。人通りが減少していることや、いずれもワンフロア100坪前後と、一般的なリテーラーの出店ニーズよりも面積が大きいことがネックとなっている。

コロナ禍によって激減していたリテーラーの出店ニーズは戻りつつある。日本初進出となる海外のコスメブランドや銀座エリアに路面店舗がない複数のブランドが、ハイストリートを中心に物件を探している。ただし、立地や賃料、面積などの賃貸条件には慎重な姿勢をみせている。募集空室が増えつつある中で、優位性が見いだせない物件ではリーシングが長期化するだろう。

空室率

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
銀座 1.7% 2.6% 3.3% 5.7%

出所:CBRE、Q1 2021

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
銀座 252,200 247,000 247,000 243,000

出所:CBRE、Q1 2021

プライム賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
銀座 400,000 400,000 400,000 400,000

出所:CBRE、Q1 2021

東京:表参道 ・ 原宿

ラグジュアリーブランドの出店ニーズがハイストリートに集中

ハイストリートの中でも好立地の物件では、複数のラグジュアリーブランドが申し込みを入れた事例があった。テナント候補側が提示している賃料水準は、募集賃料を上回っている。また、エリア内に既に路面店舗のあるブランドが、立地改善ならびに拡張を目的として、ハイストリートの物件に移転を決めた事例があった。旗艦店舗の出店を予定しており、賃料総額は現在の既存店舗を上回る。一方、別の好立地の物件では、相場を大きく超える募集賃料に対して、リテーラーの引き合いは弱い。また、比較的面積が大きく賃料総額が高額となる物件でも、出店を検討するリテーラーがみられていない。ただし、いずれの物件オーナーも希望賃料を下げずに募集を継続する姿勢をとっている。今期のハイストリート空室率は、対前期比2.5ポイント上昇の5.4%。

表参道・原宿エリアに路面店舗がない複数のブランドが物件を探しているほか、業績好調な高級時計ブランドが、拡張移転を検討している事例もある。一方、業績不振による退店や、定期借家契約の満了に伴い移転先を探していたテナントが、売上減少に伴い移転予算を縮小した事例もある。また、業績不振による退店を検討しているテナントに対して、面積を分割・縮小することで賃料総額を減額する提案をおこなっているオーナーもみられている。リテーラーの出店ニーズはあるものの、募集空室も増えており、特にセカンダリーエリアの需給バランスは緩んでいる。コロナ禍の収束が見通せない中、この状況はしばらく続きそうだ。

空室率

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
表参道・原宿 1.8% 2.7% 2.9% 5.4%

出所:CBRE、Q1 2021

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
表参道・原宿 202,800 179,800 177,700 177,700

出所:CBRE、Q1 2021

プライム賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
表参道・原宿 330,000 300,000 300,000 300,000

出所:CBRE、Q1 2021

東京:新宿

ラグジュアリーブランドの出店ニーズが賃料を牽引

ハイストリートの募集物件では、ラグジュアリーブランドの出店ニーズがみられた。株高を背景に業績が好調な業態の一つだ。新宿通りを中心に、複数のラグジュアリーブランドが物件を探している。賃料水準は、現在の相場、ないしはコロナ禍以前の相場賃料を超えるケースもみられている。一方、ハイストリートの別の募集物件では、相場水準のオーナーの希望賃料に対してリテーラーの引き合いが弱く、賃料水準を引き下げる事例があった。また、業績不振によって退店を検討しているテナントもみられている。解約不可期間のため、転貸できるリテーラーを探しているものの、既存テナントの賃料が相場を大きく上回っており、その水準に届く引き合いはみられていない。

セカンダリーエリアでも、既存テナントが業績不振よる閉店を検討している事例がある。ただし、リテーラーの引き合いは弱く、オーナーは賃料を減額することで既存テナントの残留を図ろうとしている。

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
新宿 197,000 184,000 181,500 181,500

出所:CBRE、Q1 2021

プライム賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
新宿 315,000 300,000 300,000 300,000

出所:CBRE、Q1 2021

東京:渋谷

ポップアップストアの出店ニーズがみられる

ハイストリートの物件では、ショールーム型店舗の出店が内定した事例があった。東京オリンピック開催期間を含む、数カ月単位の出店となる。常設店舗の誘致をおこなっていたものの、希望賃料の水準に届くリテーラーが現れないことから、一部のオーナーはコロナ禍の収束まで短期のポップアップストアで稼働させる戦略に変更している。

セカンダリーエリアでは、比較的面積が大きい募集物件で、リーシングに苦戦をしている事例があった。また、別の募集物件では、オーナーが賃料水準や面積、契約期間、受け入れ業態等に柔軟な姿勢をみせているものの、リテーラーの引き合いが弱いところがみられている。

2019年11月に開業した「渋谷PARCO」で、春の改装が進んでいる。複数のD2Cブランド*3 が初の直営店舗やポップアップストアを出店する予定。eコマースで販売する商品を実際にみて確認できるほか、デジタルを駆使した体験を提供するという。

*3 D2Cとは、Direct to Consumerの略称。自社で企画・製造した商品を自社サイトで直接販売するネット企業を指す。

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
渋谷 149,000 143,000 139,000 135,000

出所:CBRE、Q1 2021

プライム賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
渋谷 330,000 300,000 300,000 300,000

出所:CBRE、Q1 2021

Figure4:エリア別出店割合(路面店舗、件数) Figure 4: エリア別出店割合(路面店舗、件数)

Figure5: 業態別出店割合(路面店舗、件数) Figure 5: 業態別出店 割合(路面店舗、件数)

Figure 5 : 主な新規出店事例(東京)Q1 2021

テナント エリア 推定面積(坪) 施設名
ルイ・ヴィトン 銀座 N/A N/A
ガンゾ 銀座 40 銀座アンジェロビル
イッタラ 表参道・原宿 80 GEMS アオヤマクロス
ジャーナル スタンダード 表参道・原宿 N/A BARCAビル
エルメス 表参道・原宿 150 神宮前太田ビル
ブルネロ クチネリ 表参道・原宿 180 ビックストーンビル
アイム メン 表参道・原宿 N/A ヴァンセットビル
エイポック エイブル イッセイ ミヤケ 表参道・原宿 N/A フロムファーストビル
青山フラワーマーケット 新宿 10 ビックロ
スタンダードプロダクツ バイ ダイソー 渋谷 80 渋谷マークシティ

出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q1 2021

Figure 6 : 今後の新規供給(東京)(延床面積1,000坪以上)

施設名 エリア 推定面積(坪) 事業主 オープン
ヒューリックアンニュー新宿 新宿 1,100 ヒューリック 2021年5月
歌舞伎町一丁目地区開発計画 新宿 26,600 東急、東急レクリエーション 2022年8月
(仮称)神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業 表参道・原宿 6,000 東急不動産など 2022年度
(仮称)南青山三丁目計画 表参道・原宿 4,500 三菱地所 2023年2月
(仮称)渋谷区道玄坂二丁目開発計画 渋谷 12,700 パン・パシフィック・インターナショナル ホールディングス 2023年3月
青朋ビル建替計画 表参道・原宿 5,300 青朋ビル、独立行政法人都市再生機構 2024年2月
渋谷スクランブルスクエア(第 II 期) 渋谷 28,900 東急など 2028年3月

注:店舗以外の他用途を含むケースあり 出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q1 2021

関西:心斎橋

心斎橋筋では空室増加も御堂筋では出店ニーズが散見

ハイストリートの御堂筋にある募集物件では、心斎橋エリアに路面店舗がない海外ブランドが、出店を検討している事例があった。また、複数のラグジュアリーブランドや、巣ごもり需要の高まりで業績を伸ばしているインテリア関連のリテーラーや住居関連ショールームの出店ニーズもみられた。ただし、希望する立地や面積に合う空室は少なく、数年後に竣工する開発物件への出店を視野に入れているリテーラーもみられる。空室が長期化している募集物件では、1階を含む複数階での募集を1階単独での募集に切り替えたところがある。面積を縮小し、賃料総額を抑えることで、出店を検討するリテーラーの数を増やしたい考えだ。

ハイストリートの心斎橋筋商店街では、募集空室が増えつつある。インバウンド需要の回復には時間を要すると判断し、閉店を決めたテナントが複数あった。来街者数が減少していることなどを背景に、比較的面積が大きく賃料総額が高額となる物件では、テナントの引き合い数は少ない。今期のハイストリート空室率は、対前期比2.2ポイント上昇の8.7%となった。ただし、建て替えなどに伴う仮移転や、ハイストリートの中でも好立地に出店できる好機だと考えるブランドなどの出店ニーズも一部でみられている。

セカンダリーエリアでは、ファッションブランドの出店が内定した事例があった。初期費用や当面の賃料の減額など、テナントの要望に沿ったオーナー側の誘致策が功を奏している。

空室率

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
心斎橋 1.3% 5.1% 6.5% 8.7%

出所:CBRE、Q1 2021

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
心斎橋 177,000 170,000 141,100 141,100

出所:CBRE、Q1 2021

プライム賃料 (円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
心斎橋 250,000 250,000 250,000 250,000

出所:CBRE、Q1 2021

関西:梅田

スーパーやコンビニ退去跡には同業態からの出店ニーズ

梅田駅周辺の大型再開発が着工、大型テナントの誘致が進んでいる。また、既存の募集物件では、低価格の雑貨店が比較的大型となる路面店舗をオープンした事例があった。一方、茶屋町エリアに路面店舗を出店するブランドが、コロナ禍による売上減少が長期化していることを背景に、賃料の減額期間の延長をオーナーに要請した事例があった。厳しいリーシング状況に鑑み、オーナー側の対応も軟化している。

大阪駅以南のセカンダリーエリアでは、リモートワークの浸透や飲食店舗の営業時間短縮などによって、売り上げを落とした既存のスーパーマーケットやコンビニエンスストアが退店する動きがあった。ただし、後継テナントとして別ブランドのスーパーやコンビニの出店ニーズがある。また、駅から少し距離のある商業施設では、空室が長期化していた区画でクリニックやショールームが出店した事例があった。

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
梅田 170,000 170,000 130,000 127,000

出所:CBRE、Q1 2021

プライム賃料 (円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
梅田 250,000 250,000 200,000 200,000

出所:CBRE、Q1 2021

関西:京都

ハイストリートではラグジュアリーの出店ニーズ

ハイストリートの四条通にある募集物件では、ラグジュアリーブランドが申し込みを入れた事例があった。烏丸通の募集物件でも、物販ブランドが申し込みを入れた事例があった。一方、来街者数の減少などを背景に、既存テナントの閉店が複数みられている。中には、京都エリアの路面店舗を残すべく、賃料コストを下げて四条通から周辺エリアに移転するケースが含まれる。面積が比較的小さく、賃料総額が抑えられる物件では、複数のファッションブランドから引き合いがある。一方、ワンフロア面積が100坪近いなど、賃料総額が高額となる物件では引き合いは弱い。

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
京都 94,000 76,500 70,500 68,000

出所:CBRE、Q1 2021

プライム賃料 (円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
京都 120,000 100,000 95,000 90,000

出所:CBRE、Q1 2021

関西:神戸

立地改善によるエリア内移転が増加

ハイストリートのセンター街や元町商店街の募集物件では、同じ通りの中での立地改善を目的とした移転が複数みられた。賃料相場が下がって好立地の賃料にも手が届くようになったため、従前から移転ニーズのあった複数のテナントが移転を決めたようだ。また、旧居留地エリアの大丸神戸店に近い物件では、複数のリテーラーが出店を検討している事例があった。賃料は従前のテナントとほぼ同水準。一方、仲通り以南のエリアでは、建物の老朽化や比較的面積が大きく賃料総額が高額となることなどがネックとなり、リーシングに苦戦している物件が複数ある。旧居留地の中でも三宮・元町駅から離れたエリアでは、コロナ禍以前より減少していた来街者数が、さらに減っている。そのため、リテーラーからの引き合いに弱さがみられている。

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
神戸 90,000 86,000 79,000 78,500

出所:CBRE、Q1 2020

プライム賃料 (円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
神戸 120,000 120,000 100,000 100,000

出所:CBRE、Q1 2020

名古屋:栄

募集賃料と同水準で高級時計ブランドの出店が内定

ハイストリートの大津通にある募集物件では、高級時計ブランドの出店が内定した事例があった。大津通の別の募集物件では、物販ブランドの出店が内定した事例があった。既に栄エリアに複数の店舗を出店しているブランドが、立地改善と店舗統合を目的とした移転希望を持っており、そちらで内定した可能性がありそうだ。一方、間口が狭い複数階の一棟貸し物件では、リテーラーの引き合いに弱さがみられている。オペレーションの効率や集客が難しいことから、リテーラーが出店に対して慎重になっている模様。

セカンダリーエリアでは、栄エリアにポップアップストアを出店しながら常設店舗を探していたリテーラーが、物件を決定した事例があった。賃料水準は、従前のテナントに比べてやや低い水準となっている。一方、比較的面積が大きい募集物件では、リテーラーの引き合いはみられるもののテナントの内定には時間を要しているところが複数ある。1つの物件では、従前のテナントよりも募集賃料を下げているものの、引き合いのあるリテーラーの予算はそれよりもさらに低い。もう1つの物件では、視認性に欠けることがネックになっているようだ。また、セカンダリーエリアの伊勢町通では、小規模な店舗が複数閉店したことで空室が目立ちはじめている。長引くコロナ禍の中で、多くのテナントが業績を落としている。中でも経営規模が小さいテナントは、実店舗の維持が難しくなっていると推察する。

空室率

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
0.0% 3.2% 0.0% 0.0%

出所:CBRE、Q1 2021

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
74,500 71,500 71,500 71,500

出所:CBRE、Q1 2021

プライム賃料 (円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
120,000 100,000 100,000 100,000

出所:CBRE、Q1 2021

Figure 8 : 主な新規出店事例(大阪・名古屋)Q1 2021

テナント エリア 推定面積(坪) 施設名
ニトリ 梅田 50 グランフロント大阪
マリメッコ 梅田 N/A ルクア大阪
セリア 梅田 N/A チェルシーマーケット
チャールズ&キース 心斎橋 40 心斎橋ユリヤ西ビル
ウブロ 心斎橋 30 N/A
ドン・キホーテ 280 イマージュ栄
バウムハウス 300 N/A
ABCマート 240 名古屋クロイゾンスクエア

出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、Q1 2021

Figure 9 : 今後の新規供給(大阪・名古屋)(延床面積1,000坪以上)

施設名 エリア 推定面積(坪) 事業主 オープン
大阪梅田ツインタワーズ・サウス( II 期) 梅田 *7,300 阪急阪神ホールディングス 2021年秋
(仮称)「丸栄」跡地 N/A 興和 2022年3月
(仮称)新中日ビル建替 2,300 中日新聞社、中部日本ビルディング 2024年春
(仮称)梅田3丁目計画 梅田 4,800 日本郵便、西日本旅客鉄道など 2024年3月
(仮称)うめきた2期地区開発事業 梅田 6,500 オリックス不動産、阪急電鉄、三菱地所など 2024年8月
大阪駅新駅ビル(仮称) 梅田 17,800 大阪ターミナルビルなど 2024年秋

注:店舗以外の他用途を含むケースあり *百貨店部分全体から、I期に開業する面積を除く
出所:プレスリリース、メディア報道、CBRE、 Q1 2021

福岡:天神

空室が長期化している物件でも賃料は据え置き

ハイストリートの天神西通りでは、高級時計ブランドの出店が内定した事例があった。賃料水準は、従前のテナントと同水準とみられる。株高による資産効果や巣ごもり需要の高まりによって、高級時計や家具、寝具、住宅ショールームなどの出店ニーズがみられる。一方、ハイストリートの中でも比較的面積の大きい複数の物件では、空室が長期化しているところがある。しかし、これらの物件を長期保有する地元オーナーは、希望賃料を大幅に引き下げてまでテナントの誘致を急ごうとはしていない。

ハイストリート賃料(円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
天神 57,000 51,500 51,500 49,500

出所:CBRE、Q1 2020

プライム賃料 (円/坪)

  Q1 2020 Q2 2020 Q3 2020 Q4 2020 Q1 2021
天神 100,000 100,000 100,000 100,000

出所:CBRE、Q1 2020

調査概要
調査対象 空室率
・CBREが独自に設定した対象地
 銀座ハイストリート(161棟)、表参道・原宿ハイストリート(236棟)
 心斎橋ハイストリート(171棟)、栄ハイストリート(53棟)
・対象フロアは店舗ニーズの高い1階に限定
プライム賃料/銀座ハイストリート賃料
・CBREが独自に設定した対象地
・ワンフロアの面積が200㎡程度の建物を想定
・対象フロアは店舗ニーズの高い1階に限定
調査時点 四半期 (第1四半期)3月末(第2四半期)6月末(第3四半期)9月末(第4四半期)12月末 時点集計
調査方法 空室率
・空室は集計時点で即入居可能であるものを対象(新築施設は竣工済みのものが対象)
プライム賃料
・対象地のサンプル調査に基づく想定成約賃料の上限値 (共益費を含み、フリーレント等のインセンティブは考慮しない)
・主要都市における、都心商業立地の中の一等地(の賃料)
銀座ハイストリートの賃料
・対象地のサンプル調査に基づく想定成約賃料の上限と下限の平均値
 (共益費を含み、フリーレント等のインセンティブは考慮しない)

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全国主要商業エリアの貸店舗市場動向をまとめた四半期レポート。 銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷、心斎橋、梅田、栄、京都、神戸、福岡の最新動向を掲載。 ...

リテールマーケットビュー 2020年第3四半期

賃料相場(最新)

2020年12月16日

全国主要商業エリアの貸店舗市場動向をまとめた四半期レポート。 銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷、心斎橋、梅田、栄、京都、神戸、福岡の最新動向を掲載。 ...

リテールマーケットビュー 2020年第2四半期

賃料相場(最新)

2020年9月8日

全国主要商業エリアの貸店舗市場動向をまとめた四半期レポート。 銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷、心斎橋、梅田、栄、京都、神戸、福岡の最新動向を掲載。 ...