050-5447-7862

平日 9:00〜17:30

物件を探す

事業用不動産のあらゆるニーズを網羅するサービスと豊富な実績で、お客様の課題を解決する最適なソリューションをご提案いたします。

お役立ち情報

CBREが手掛けた、さまざまな業種・規模の移転事例のご紹介を始め、オフィスや物流拠点の移転に役立つ資料・情報をご提供しています。

マーケット情報

独自収集したデータを元に、不動産マーケットの市況を分析予測し、市場変化をいち早く捉え、ポイントをまとめた市場レポートを配信しています。
また、物件レポート、業界トレンド情報など、事業用不動産の最新情報、トレンドを配信しています。

CBREについて

事業用不動産の分野において、世界有数の企業であるCBRE。日本国内におけるその強み、拠点、会社概要をご紹介します。

ヘルプ

物件検索の使い方や、会員サービス、よくあるご質問など、当サイトをより便利にご利用いただくための情報をご紹介します。

オーナー様はこちら
仲介業者様はこちら

賃貸オフィス・事務所の記事

第1回 「働き方改革」本来の目的は働いている人たちの「幸福働」の実現 元スクウェア・エニックス総務部長 岡田大士郎 氏

はじめに

「働き方改革」が社会の関心事になっています。ともすれば「働き方改革」とは、長時間労働をいかに短縮してゆくかの議論に偏っている印象があります。残業を無くし、ワークライフバランスのとれた社会つくりを目指すのは素晴らしいことですが、現場実務を担ってきた立場からすると、「働き方改革」を長時間労働だけの問題のようにとらえることには違和感を覚えます。

このシリーズでは、「働き方改革」の本義と、私たち、社会で働く者にとって今一度「働く」意味と目的を考えてみたいと思います。

ご移転計画のあれこれ、お気軽にご相談ください

CBREでは事業用不動産のプロフェッショナルチームが、お客様の経営課題や不動産にかかわるさまざまな課題解決をサポートします。

残業時間の削減が「働き方改革」?

【連載】Happy LivingWork Styleを実現してゆく「働き方改革」の新思考~ワクワク「場」つくりと幸福働~

先般、働き方改革法案の柱の一つであった「裁量労働法案」が見送りになりました。 与野党の論議を聞いていると「長時間労働」の実態調査をめぐる厚労省の方法論に焦点が当てられ、「裁量労働」は長時間労働を強いる、かのごとくの議論を聞いていると、「働くこと」の本質とは異なる視点で議論がなされている印象をぬぐい切れませんでした。今の時代、先ずは、「働く」とはどういうことで「働き方」とは何か、そして「働き方改革」の本義は何かを今一度考えてみることが必要です。

労働法規に準拠した「労働」が「働く」と考えられている現社会の状況では、雇用者対被雇用者視点での「労働時間」、なかでも「時間外労働時間」の問題が「働き方改革」の主論点になりすぎている感を否めません。社会問題となった過剰労働が引き金となり、「働き方」を見直す政府の動きは歓迎されますが、本来、「働く」とは、我々「人間」にとって、豊かで幸福な社会を創造してゆく活動の原点であり、働く人一人ひとりが、人生の充実感や幸福感を感じながら、自律的にワクワクして取り組むものです。

本来「働く」と「暮らすこと」はシームレスなものであり、「ライフワークインテグレーション」さらには「ライフワークハーモナイゼーション」つまり、人生時間を社会に提供する価値創造活動が「働く」意味ではないでしょうか。そして、人生時間の中でワクワクして働く「幸福働」こそが、本来の「働く」ことの本義であり、日本社会が直面している「働き方改革」とは、「幸福働」の実現に向けた様々な社会変革への挑戦であるはずです。しかしながら、現実は、「労働時間」という拘束時間の中で、組織社会に管理された「働き方」が世の中の常識となっており、組織社会が取り組む施策は、細分化された組織の事情もあり、主として長時間労働や残業時間の削減を旗印とされている印象を拭い切れず、働いている人たちの「幸福働」実現を企図して「働き方改革」を推進している社会や組織は少ないように感じます。

「働く」とは何か、意識改革が必要

一般的に「働き方」が語られる場合、「働く人」は会社に帰属して仕事をするという暗黙の前提条件があり、雇用者と被雇用者の関係のなかで「働かせる」vs「働かされる」的な意識が、今の組織社会での暗黙的意識となっています。例えば、今話題となっている「裁量労働制」で働く人たちは、本来、個人事業主的に自主性を尊重された労働形態であり、組織側との価値創造契約(成果主義と呼ばれる形態)に依り、組織側から「働かされる」のではなく、自立的に裁量範囲を与えられている独立した個人事業者の如く、組織側とアライメントを取りながら自律的に「働く」のです。自主性に任せる働き方には、組織での就業、つまり「拘束時間」としての労働時間や残業時間という概念とは別の「生活時間」の中で価値創造活動を行っている実情を認識しておくことが必要です。

しかしながら、今の議論の多くは、就業時間内の活動のみが「労働」の如く定義され、画期的イノベーションに繋がるような、新しいアイデアの閃きや創造的な思いつきが、お風呂に入る時や通勤電車の中でひらめいたとしても、それらは「仕事」とはみなされません。また、裁量労働制で働く人たちも、お昼休みは1時間、固定勤務の人たちの「就業時間」内に気分転換のつもりでコーヒーを飲みながらアイデアを温めていたとしても「さぼるな!」との上長から暗黙の視線を浴びせられたことは皆さんも経験されたことがあるのではないでしょうか。実態は管理された「労働」つまり、「やらされる」感を持ちながらの仕事となっているのが現実です。

一方、「働き方改革」の流れの中で、リモートワークやサードプレイス(在宅)ワークが議論の俎上に上っていることも忘れてはなりません。「働く」とは価値創造活動であり、組織に雇用されて働くスタイルであっても、裁量権を持つ知識労働者は、就業時間に縛られないワークスタイルをセルフデザインできるように、環境を整え、制度そのものを弾力的に再構築してゆくことが「働き方改革」の本質のはずです。

大手不動産会社で「裁量労働制」の違法適用が指摘され、是正勧告を受けたケースがありました。何故、このような事態が起こるのでしょうか。働き過ぎ(過剰労働)だけの問題でしょうか。私は、「社会構造」や「社会意識」そのものに問題があるように思います。今でも日々、営業数字を上げるためにハラスメントまがいの「管理」をされている日本の組織社会が多く存在しているのが実態です。前述のケースのように、現場の実態が見過ごされたまま、「事」が起きてから後手の対応をしても、失われたものは戻りません。

日本社会の「意識改革」こそ、今の日本に問われている「働き方改革」です。何のために働くのか、誰のために働くのか、それは、皆さんの大切な想いを分かち合える家族やパートナー、そして社会の多くの人たちが「幸福人生」を送るための「幸福働」を希求するための行動ではないでしょうか。

 

著者プロフィール

岡田大士郎 氏

岡田大士郎 氏

日本興業銀行(現・みずほ銀行)において、ストラクチャードファイナンスなどの投資銀行業務や海外業務(ロンドンに勤務)、ならびに国際税務業務を20年にわたり経験後、ドイツ銀行グループでDirector, Head of Taxesとして国際税務統括の業務に従事。
2005年にスクウェア・エニックスに入社し、2007年まで米国Square Enix, Incの社長(COO)として米国事業に携わった後、2007年に本社に帰任。「組織風土並びに働き方改革」をミッションとして総務部長に就任。
その後、ミッションであるクリエイティブワークプレイスの構築を進め、2012年に本社スタジオの全面移転や2015年には大阪事業所の移転プロジェクトに関与。クリエイティブワークプレースダイナミクスの実践と、コンテンツ制作業務における価値創造支援を行う「場」作りに取り組んできた。
2018年3月にスクウェア・エニックスを退社後、一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム並びに一般社団法人日本ライフシフトの理事として、幸福社会創造の活動に取り組んでいる。

2015年のJFMA優秀オフィス賞を受賞。
2014年1月より一般社団法人ファシリティ・オフィスサービスコンソーシアム(FOSC)の理事・東京支部長として総務人事FMの普及活動に取り組んでおり、2016年1月には副代表理事に就任。
また、ニューオフィスマネジメント研究会の参与として、総務ネットワークの拡大に取り組んでいる。
2017年11月には一般社団法人日本ライフシフト協会理事に就任。

■岡田大士郎のFM日記  http://blogs.yahoo.co.jp/daishiro_okada
■一般社団法人ファシリティ・オフィスサービスコンソーシアム(FOSC) http://www.fosc.jp/

ご移転計画のあれこれ、お気軽にご相談ください

CBREでは事業用不動産のプロフェッショナルチームが、お客様の経営課題や不動産にかかわるさまざまな課題解決をサポートします。

記事を探す

物件をお探しのお客様専用窓口

CBREの記事をお読み頂き誠にありがとうございます。
ご移転のプランニングや優良未公開物件の仲介をご用命の際は右記のフォームからお問い合わせください。

物件相談フォーム