市全体の空室率は初の1%未満。 大型面積の確保は、より一層困難に。
みなとみらいの空室消化が継続
シービーアールイー(株)の調査によると、2019年9月期の横浜オールグレードの空室率は0.8%と、対前期(同年6月期)比0.4ポイント低下した。前期は、2007年以来の過去最低値を更新したが、今期はそれをさらに更新。当社が調査を開始して以来、初めて 1%を切る数値となった。
エリア別に見ると、「横浜駅周辺」エリアの今期の空室率は1.1%と、前期から横ばいとなった。新規空室等の大きな供給はなく、マーケットの動きも、さほど大きいものは見られなかった。
「みなとみらい」エリアの今期の空室率は0.6%と、対前期比0.6ポイント低下した。新規空室がほとんどない中、大型空室を抱えていたビルに多くの引き合いが集中し、まとまった面積の確保が難しい状況となっている。引き続き、企業の新規開設や拡張移転の意欲は強く、今後も逼迫したマーケットが続くと予想される。
「新横浜」エリアでは、30~100坪の空室が、以前より見受けられるようになってきた。しかし、空室率は非常に低い水準で推移しており、ほとんどのビルで、まとまった空室がない状況である。また、新規供給もないことから、今後もタイトなマーケットが続くと思われる。
「関内」エリアでも、空室率は低水準で推移しており、ほとんどのビルで、まとまった空室がない状況である。しかし、横浜市役所の新庁舎が2020年6月に竣工し、現庁舎等から随時移転をするため、今後、同エリアを中心に、数千坪の空室が発生する可能性がある。
「川崎」エリアの空室率は、前期と変わらず、低水準で推移しており、依然として逼迫したマーケットが続いている。
各エリアの今後の新規供給
2020年には、「横浜駅周辺」エリアで「JR横浜タワー」、「みなとみらい」エリアで「横浜グランゲート」が竣工する。両物件とも、順調にテナントが決定している。
さらに、「みなとみらい」エリアでは、2021年以降、数万坪の新規供給が予定されており、今後のマーケットに大きな影響を与えることが予想されている。
また、2021年には、海老名駅でも大型の新規供給が予定されており、県央エリアの活性化にも期待したい。
横浜支店 大窪 純彦
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相場表
種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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横浜大規模ビル | 19,000円~28,000円/坪 | 優良物件の空室への引き合いは非常に強く、新規空室も短期間で後継テナントが決まっている。2021年竣工のビルでの商談も進んでいる。、 | |
横浜中小規模ビル | 14,000円~17,000円/坪 | 空室は低水準で推移しており、駅から距離のある物件でも空室消化が進んでいる。 | |
関内大規模ビル | 11,000円~15,000円/坪 | 大型空室は少なく空室率は低水準。市役所の移転や金融機関の集約による空室が潜在しているが、すでに引き合いが多い。 | |
関内中小規模ビル | 9,000円~12,000円/坪 | 大規模ビルと同様、空室率は低水準で推移している。 | |
新横浜大規模ビル | 11,000円~14,000円/坪 | 100坪台の空室が以前より増えているが、引き合いは多く空室消化に時間はかからないと見られる。 | |
新横浜中小規模ビル | 11,000円~14,000円/坪 | 空室率は低水準で推移しており、賃料上昇も見られる。 | |
川崎 大規模ビル | 16,000円~19,000円/坪 | 空室率は低水準にあり、解約が出ても空室待ちの企業ですぐに決まる例が散見される。、 | |
川崎 中小規模ビル | 14,000円~18,000円/坪 | 空室率は低水準にあり、賃料上昇も見られる。一部でまとまった空室もあるが引き合いが複数あり、空室消化には時間を要さないと見られる。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。